まあ,確かに厳密に扱うならば
Galois理論が必要なわけで
大学の数学科の3年生くらいの内容です
理論そのものはそれほど複雑ではないのですが
準備が結構必要ですね
けど。。。仕組みというかエッセンスだけなら
そんなに厄介なことではないです
せいぜい二次方程式と連立方程式
それも中学校程度で十分です
あ,三平方の定理も必要だった.
作図というのは
・定規は線を引くだけ
・コンパスは円を書くだけ
というルールの下で
直線同士の交点,円同士の交点,
直線と円の交点の三種類の点をうまく作って
それを利用して図を書くものです.
そこで考えるのは
・交点とは何か?
です.
中学三年生なら
一次関数が直線になり
一次関数の交点を求めることが
(一次の)連立方程式を解くことに等しいのは
分かるでしょう.
これを突き詰めると
直線同士の交点は連立方程式の解で求められ
また,この解は二つの直線の傾きと切片の
四則演算の組合せで書けることが分かります
ax+by=A
cx+dy=B
という連立方程式の解を
a,b,c,d,A,Bで表すということです
#自分で計算してみてください
#計算力の確かめになります
##うちの娘はできないんだが(苦笑)
まとめると
直線同士の交点=四則演算で表現できる
です
次に円ですが,
円とは中心と呼ばれる点から
一定の距離(これを半径という)に
ある点の集まりです
これを式で表すと
(x-a)^2+(y-b)^2=r^2
ただし,点(a,b)は中心,rは半径(r>0)
です.これは三平方の定理そのものです
本質はこれが二次式であるということです.
次に
二つの円の交点を考えるのですが
円の方程式の連立方程式を考えます.
これは二次方程式をとくことになります
二次方程式の解の公式には
ルートがはいってますがこのことが重要です
#正確にはルートと四則演算で
#表現できるということ重要
次に円と直線の交点ですが
これも円同士と同様で
二次方程式をとくことになります
以上より,作図の過程で得ることのできる
点は
・四則演算をする
・ルートをとる
ということで表現できることになります.
さて。。。ここまで話がくると,
見えてくるのですが
ある図形が作図可能かどうかというのは
四則演算とルートだけで
必要な点がすべて表現できるか?
という問いになります.
四則演算とルートで表現できるか?
という問いのために「方程式の理論」である
Galois理論というのが必要になるんです.
ここまできてやっと「三等分線」の話なのですが
実は「三等分線」を計算で求めようとすると
一般には「三次方程式」ってのがでてきます
そして,三等分線を考えるときにでてくる
三次方程式を解いたとしても
それは決して,
ルートと四則演算の組合せでは表せません.
このことを本気で証明しようとすると
Glois理論ってので出てくる
Galois群ってものを使うんです.
古代ギリシアの三大作図問題てのがあって
「角の三等分線の作図」はこれの一個です
他にも
「円積問題」:
半径1の円と同じ面積を持つ
正方形を作図せよ
「倍積問題」:
一辺が1の立方体の倍の体積をもつ立方体を
作図せよ
というのがあります.
円積問題は「面積がπの正方形」を作図する
つまり「ルートπ」の長さを作図できれば
いいのですが,πは四則とルートだけでは
表せないので作図できません
倍積問題は「三乗して2になる数」を作図できれば
いいのですが,これもルートと四則演算だけでは
表せないので作図できません.
#Galois理論を使うと
#三大作図問題は数行で不可能だと証明できちゃう
#のがすさまじい話です
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ちなみに「三等分」がたまたま作図できる角度は
90度だけではありません.
少なくともあと二つはありますね
(0から180度までで)