理論的にはH2Oしかない状態であればDNAのホスホジエステル結合の加水分解の半減期は室温でたしか数千年~数万年ぐらいあったと思います。ただ金属イオン、特に2価の金属イオンがちょっとでも入ったりすると種類にもよりますがものの数時間で分解することもあります。マグネシウム、亜鉛などが強敵ですね。それ以外にDNaseが入れば当然壊れます。金属イオンは空気中でもほんのわずかなほこりと一緒に入ることがあるので今まで壊れなかったのは運が良かったという可能性もあります。
TEはエチレンジアミン四酢酸が金属イオンをマスクするのでこれに溶かすことによってちょっと金属イオンが入っても非常に分解しにくくなりますが、どうしても遊離の金属イオンは出来るので分解することもあります。DNaseも活性中心はマグネシウムなのでTEで活性を抑えることが出来ます。
あとDNAは光でも塩基部分が壊れます。チミンダイマーをつくるのがその例です。もしいままで室温で遮光もされていない状態で保管していて壊れなかったのであれば配列が光では壊されにくい配列だったということもありますね。やはりすべてのDNA配列が実験台で放置して安定ということはないです。
基本的に温度を下げれば金属イオンが存在していても加水分解反応は非常に進行しにくくなるので、4℃、もしくはそれ以下で保存することをお勧めします。
お礼
数日放置していても壊れたことがないんですが。 いったん貴重なサンプルが壊れると 4℃に保存するんでしょうね。 光でも駄目なんですね。