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ヨットはなぜ風上に上れるのか?(再)

 ヨットはなぜ風上に移動できるのか、という質問の回答に関して少しだけ疑問が残ります。もちろん以前の質問の回答に対して他意はありません。純粋な好奇心のみによる疑問とご理解下さい。自信なしで回答しようとしたら締め切られていたこともありまして。(^^;)また、管理者にお願いして回答を割り込ませるだけの自信もありませんので、新たに質問を起こすことにしました。  まず、飛行機ならともかくあのスピードでセールの表裏にかかる風圧の差によって発生する揚力だけで大きなヨットが風上にのぼるだけの力を得られるでしょうか。  ディンギー以下の船しか操船したことがありませんので自信なしですが、ヨットには水中でセンターボードなどが受ける抵抗の中心と水上でセールが風から受ける力の中心が存在しますよね。その原理をテコに例えて水中の抵抗の中心点を支点、風から受ける力の中心点を力点とします。  以下、風に対して90度の角度で帆走していることを想定します。風軸に対して力点が後方にあるとき後ろを押される形で船は風上を向き、逆なら風下をむきます。当然そのままだと回転しっぱなしですので、目的の向きになった時点で、支点と力点の関係を平衡状態に戻さなければいけません。舵のない帆船、例えばウィンドサーフィンが風上にのぼる原理として昔、これにまつわるウェザーヘルムとかリーヘルムとかの言葉を聞いたことがあるのですが、ヨットではどうなんでしょうか。  歴史的に伝統的な日本の帆船は風上に上れず、ヨーロッパの大航海時代を支えた航海術と大きな差を生じてしまったのは、このあたりの技術の差だったはずです。詳しい方の説明をいただければ幸いです。  

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  • dyadics13
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回答No.6

ヨットの専門家ではないので、「揚力の発生」というポイントで コメントさせていただきます。 まず、揚力を発生させるということに関しては、 はっきり言って翼断面の形状は重要なポイントではありません。 翼断面の形状は、風速によって効率の良い形状が変わってきます。 私たちが一般的に思い浮かべる翼の断面形状は、 小型自家用機程度の飛行機がその巡航速度(200~300km/hr程度)で 最も効率よく揚力が発生するように設計されてあります。 風速がさらに遅くなると、逆に厚みのある翼断面形状では 効率が悪くなり、平板を少し反らせた方が効率が高くなります。 ちょうどヨットのセールが受ける風の速さならば、 この形状の方が一般的翼断面形状より適当であると感じます。 ちなみに、平板では揚力は発生しないと考えておられる方が いるようですが、平板でも揚力は発生します。 但しその効率は悪いですが。 また、「ベルヌーイ力」という言葉が出てきて、 ニュートンの法則と別のもののような扱いをされている ところが気になります。 「ベルヌーイ力」なる物理用語及び物理概念は存在しません。 おそらくこれは揚力発生の説明を「ベルヌーイの方程式」を 用いた場合の揚力成分のことを意味するかと存じます。 揚力発生の説明は「ベルヌーイの方程式」を用いた場合と ニュートンの法則での場合と等価です。 世の中では「前縁で分かれた流体が後縁で一緒になると、 翼上面の方が下面より経路が長いので、上面を流れた流体の方が 速度が速くなる」という説明が使われていますが、 前縁で分かれた流体が必ず後縁で一緒になる(同時到着性) という原理も法則も存在しません。 物理的に実験してもそのような現象は確認されていません。 おそらくこのような誤解に囚われて混乱されているのではないかと 感じてなりません。ヨットの動力を得るのは(潮流を無視すれば) 風からしか考えられません。セールの面積やそれが受ける力は 予想以上に大きいものです。 以下に参考になるHPを紹介しておきます。 http://www.idra.unige.it/~irro/profilo1_e.html http://www.monmouth.com/~jsd/how/htm/airfoils.html http://www.sanwaprn.co.jp/taruta/paperplane/Bernoulli-1.html

参考URL:
http://www20.u-page.so-net.ne.jp/pd6/ymatchan/flight/index_j.html
poor_Quark
質問者

お礼

>"because it must travel for a longer route in the same time" is definitely wrong.  また、ライト兄弟の飛行機に用いられた翼も薄くて極めてわん曲していて、翼の表裏の経路長に差がなかったとの記述も見られます。  誤解とおっしゃった件に関しては了解しました。ネット上で得られた情報が正しくない場合が最近目に付きますが、私の認識も改めなくてはいけないようですね。ご紹介いただいたサイトは大容量のようですし、言葉の一つ一つを含めて概念的に理解するには他の文献も当たる必要がありそうなので、これから読み下してみます。  さて船の話ですが、セールが風から受けて帆走するときの基本的な力学原理は作用反作用の法則だと思います。歩くほどの速さでも風上に帆走するとき、揚力といった空力的効果をそれほど期待できるかというとやはり疑問が残ります。空力的効果となると流体の相対的な速さが大きな要素となるからです。  ただ、いろいろと調べたのですが、定量的に検証できない限り正確には分からないだろうという結論は変わりません。実は大学の造船学科の研究者に連絡をとろうとしたのですが、結局接触できませんでした。また図書館に丸一日こもったのですが、風上への帆走中、ヨットのセールが引き起こす揚力の具体的な効果と、直接風から受ける作用反作用による力の比率を導くだけの根拠に遭遇できませんでした。  また中世の伝統的な日本の帆船は、ほとんど風上には上れなかったのは、どうも確かなようです。それは揚力と言った空力的な特性を生かしたセールの構造だけによるものなのか、あるいは私が再三あげているような船全体の構造によるものなのかは依然として不明です。  ともあれ、たいへん重要な内容を含むご示唆をいただいたことに深く感謝します。

その他の回答 (6)

回答No.7

もう実質閉じられている質問かも知れませんが、大学で力学などを教えている立場から関心がありますので、コメントいたします。 簡単な力学モデルにしてしまうと、風を受ける物体が、風上方向の成分を伴う運動をするのは極々ありふれた現象で、むしろ、不思議に感じる(確かに感覚は理解できる)ことのメカニズムに興味が持たれるといった方が良いぐらいです。 ポイントは、ヨットの運動が(センターボードの効果による)一種の束縛運動であることです。これを極端化して、鉄道(模型)のレール上にある貨車に、帆に見立てた平板を取付けたものを考えます。レールの方向は風に対して45度と90度の間、平板は風に対して45度に固定します。風の代わりに、小球が風上から飛んできて、平板に当たって、完全弾性衝突するとします(実際の状況から離れますが、帆が風の流れの向きを変えるという見方では対応します)。簡単のため、貨車の速さは風速に対して無視できる程度とします。平板が受ける力積の向きは、平板に直角、すなわち、風下に向かって45度方向。この力積についての、線路に対する平行な方向成分が、貨車を動かす効果となります。今の条件では、明らかに(斜め)風上に向かうことが分かります。 風と帆の間に、摩擦的な効果があると、上の効果とは別に、風下へ向かう効果が出てきてしまいます。これをなるべく減らすことは必要です。

poor_Quark
質問者

お礼

 お礼が遅れて申し訳ありありません。示唆に富んだ御回答感謝します。また非常に感覚的にわかりやすい思考実験を提供いただきありがとうございます。力のベクトルを直交方向へ分解する考え方は高校のときに習った覚えがあります。風から受ける力そのものがヨットを風上に上らせることができると私は理解しています。

poor_Quark
質問者

補足

 補足欄をお借りします。いつまでも、締めきらいないでおくのもだらしないので、そろそろ質問を閉めようと思います。  みなさんのおかげを持ちまして、帆船を風上に上らせる原理の実態について、より具体的なイメージをもつことができました。質問をこのサイトにあげてからいくつかのポイントに絞って考えてみました。 1.揚力とは何か。どう定義されているのか。 2.帆船が風上に上れる力ははたして揚力なのか。 3.歴史的にみて帆船の風上への帆走能力は、セールの揚抗比改善によって達成されたのか。  ただし無知無学な私が、なにかものを調べるという力量にも限界があり、正確には分からなかったことも多いということを、まず正直に白状しておきます。 1.揚力とは何か。どう定義されているのか。  これについてはネット上に大きく分けて2種類の説明を読むことができます。 http://www.ngk.co.jp/site/no38/content.htm http://www.nagare.or.jp/mm/99/iizawa/japanese/dis1.htm  1番目は空力的揚力、2番目はサイトの中の表現にもあるようにニュートン的揚力というべきものかと思います。この質問に関して、どちらの「揚力」を採用するかによって答は違うと言うことになりそうです。空力的揚力の場合ですが、セールだけを船から取り外して風洞実験を行えばよりはっきりするでしょうが、そのような実験は個人では不可能に近いですしたぶんそれほど意味がないと考えます。  ニュートン的「揚力」はセールが風から受ける力を単に進行方向とその直交方向に分解しただけの話であり、風でなくても#8で説明していただいた通りに考えると理解は容易ですし、おそらくこの議論に参加していただいたみなさんもそういうおつもりで発言されていたのだと思います。 2.帆船が風上に上れる力ははたして揚力なのか。  これについても、力の定義をはっきりさせないと意味のない命題になります。答はすでにはっきりしていますので詳しくは書きませんが、ニュートン力学的揚力なら「イエス」、空力的揚力なら概ね「ノー」ということになりそうです。 3.歴史的にみて帆船の風上への帆走能力は、セールの揚抗比改善によって達成されたのか。  「揚抗比」という言葉がすでにニュートン力学的な響きがあります。セールの揚抗比についてはいろいろ調べたのですが、よく分かりませんでした。 http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=266589  で、私が回答に書いた通り帆船の造船技術や航海術が長足の進歩を遂げたと見られる14世紀の時代のヨーロッパのこの分野に関する歴史的資料があまり残っていないらしく、セールにどのような技術的改善が施されて風上への帆走性能が増したのかという具体的内容を知ることはできませんでした。  ただし、中世ヨーロッパでは帆船の喫水の深さやセンターボードの存在が、深く風上への帆走能力に関与していることが分かったようで、新大陸に到達したコロンブスの帆船にもその工夫が見られただろうということが参考文献には示唆されています。大西洋を初めて往復したとされるコロンブスが用いた船は恐らく風上への帆走性能は十分あって、そうであるからこそその航海が成功したと考えるのが自然なような気もします。  ヨーロッパでは帆船の発展を促したのは、主に軍艦としての使用が要求されたのに対し、和船は海運のための使用が主で、そのあたりの背景の違いも十分考えられます。ただし和船も風上への帆走性能が悪かったのかというとそうでもなくて、江戸時代の弁財(べざい)船と呼ばれる帆船の場合、78度前後までは切れ上がっていったということが分かっています。和船はセンターボードの代わりに喫水の深さが船の中心抵抗を増加させ、江戸末期には逆風の中での沖走りが普通になり、この航海術が一般化したおかげで逆に外国への漂流漂着事件が増えたということがあります。  ただし、歴史的な話は最初の命題とはあまり関係がなさそうだということが途中からわかりましたので、これ以上言及は止めておきますが、たいへん興味深い楽しい作業であったことをきっかけを与えてくれたsailorさんに感謝します。  また、これ以外にもいろいろと得ることがありました。例えばネット上で調べたことが正確かというと意外とそうでもないということ、ネット上のリンクはいつかは切れるということなどです。たしかに検索のサイトで知りたいことに関する語句をいくつか入力すれば、それに対応した記述が含まれるサイトに到達できますが、はたしてそれをどのように読み、どう評価するかということはネット以外の場で培った判断力に大きく左右されます。この件を調べる過程でたった数日間でしたが大学の専門家に電話で尋ねたり、図書館にこもったりしましたが、正確なことを知るにはなかなかむずかしく、自分自身の力量にも大きな限界があることを改めて悟った次第です。しかしながら、このように多くの回答者からの示唆に富んだ投稿によって、及ばずながら正解に近づいていく過程や、自分の誤認識に気づき訂正できる楽しさは、大げさにいえば自分でもゾクゾクするような経験でした。回答をお寄せ下さいましたみなさんには改めて深く感謝します。  さて、先日私はひさしぶりにボードセーリングのロングボードと呼ばれる板を借りて7.5平米のスラローム用セールを張り近くの海にでかけ逆風の中で乗ってみました。微風の中、クローズホールドにはいるためにはしばらく風向きと垂直にはしり速度を得てから、セールを後ろに倒し風上に走り出します。目的の向きに走り出したらセールを元に戻し風上45度くらいの角度でしばらくまっすぐ走り、風域を抜ける前に、ボードを風上方向に回転させ風軸を越えたらその瞬間セールと身体を入れ替える形でマストを回ってタッキングと言われる方向転換を行い、何度かこれを繰り返し風上方向に向かいます。  後ろの手はセールを引きつける形で身体に近づけ、前の手は風を向かい入れるためによくのばし、上半身は進行方向を向ける形でねじります。身体の重心はセールとバランスをとるためにボードの外に出します。10分もこの体制を続けると体中が痛くなります。微風とは言え、セールが受ける力は相当なもので、やはりこの力は抵抗力であろうと実感したところです。ただしその抵抗力の進行方向の分力がニュートン力学風に「揚力」と呼ばれるのであれば、やはり帆船の風上への帆走の原動力は「揚力」であるとしても差し支えないと考えます。    ということで、みなさんがこの「補足」を読まれると見込まれる2日後あたりに締め切るつもりです。改めておつきあいいただいたみなさんに感謝します。 

noname#2748
noname#2748
回答No.5

確かに揚力だけが全てではない事は事実でしょう。しかしのぼりで航行でセールの発生する揚力がかなり大きく貢献していることは体験上間違いがないと思われます。以前使っていた古いセール(伸びてしまってシェイプが保てない)物から、メインをフルバテンの新しいセールにジブ(150%)を変えたときにしっかりとしたシェイプが保てるようになったことで昇り明らかによくなったことを経験しています。ヨットではセールのシェイプをコントロールするためにブームバングやバックステーの調整(マストのベンドを変える)や、ジブシートの引き込み位置を変える(カーと言います)などしてシェイプにはかなり気を使います。単に平板のようなそれ自体が揚力を発生しないものであればこのような必要はないでしょうし、実際にこれらの調整でポテンシャルが変わるのも事実です。これらの調整はのぼりがきつくなるほどシビアになりますので、セールのシェイプによる揚力発生はかなり大きなファクターを持っているものと思います。 これは余談ですが、速度競技(最高速度を競う)用のヨットではソリッドセールという飛行機の翼(と言うよりグライダーのような)そのもののような、FRPやカーボン製の非常にアスペクト比の大きなセール(と言うよりももはや翼です)を用いた軽量で非常に水線長の長い細身のハルを持ったカタマランもあり、瞬間速度は60KNOT以上と言う驚異的な記録があります。もちろんこれはごく特殊な例で風向きが変われば進む方向をそれに合わせなければならない(マストの船の軸に対してオフセットしていてヒールに対する抵抗が大きくなるようになっています)船で、決して実用的ではありませんが、これなどは揚力による推力を最大限に利用した結果であると思われます。 的確なところは実験をしてみることが最良であるのでしょうが(関係するファクター非常に多く少なくても私の頭では論理だけで実証することは出来そうにありません)私の船に揚力を生まない平板のセールを取り付けるわけにもいきません。ラジコンヨットでもあれば実験してみるのは面白いかも知れません。 それから、最後にちょっと気になって友人(彼はグライダーをやっています)に聞いてみたのですが、グライダーなどでは大気速度が30Km/h程度あれば気体を浮かせる揚力が発生できるそうです。また、軽飛行機では60Km/h程度で離陸可能な機体もあるそうで、セールが受ける風が揚力を生むのに必ずしも速度不足であるとはいえないようです。この辺の力学関係に関しては素人ですので自信はありませんし、あくまで聞いた話ですが・・・

poor_Quark
質問者

お礼

 まず前回の18世紀以前の船は揚力の概念がなかったという発言について訂正します。例えば重力の概念がなくても人類は重力を利用してきた歴史があります。それを考えれば経験的に知っていてそれを利用しなかったとは言えないので。  さてセールのシェイプによる揚力発生ですが、揚力が発生するしくみは、剛体である飛行機の翼で言えば、空気の流れの経路の長短が翼の上下の輪郭によって形成され、また空力特性上、その断面の形態が乱流を排除するするように配慮されています。  一方セールはどうかというと、ふくらんだ側はたしかに空力特性上美しい形ですが、マストスリーブの内側はどうしても乱流が発生しやすい形になっています。また、よしんば乱流が発生しなくても気流の経路は、翼とは逆にわずかですがマストスリーブの内側の方が長いのです。これは翼とは逆で、揚力を得るための理想的な形状からはほど遠いと思います。ですから、グライダーの翼の代わりに同じ長さ・面積・重さのセールを取り付けてもきっと離陸できないでしょう。  また「揚力」が発生したとしても進行方向とそれに直交する向きにそのベクトルを分解しなければなりません。せっかく発生した「揚力」は、その全部を艇の前進のために使えないのです。  伸びてしまったセールが上れないのは余分な弾力が生じて、風の力が材料の変形に費やされてしまうせいではないでしょうか。例えばウィンドサーフィンで使うセールの材料は現在は絶対伸びないとされるモノフィルムが主流です。伸びてしまうダクロンなどを使っているときは、特に高速の時は確かにのぼりの性能は悪かったと記憶してます。  スピードトライアルに使う船は非常に特殊で、特に高速帆走中、水中抵抗の中心は一番後ろのフィンに移動します。プレーニングといって水面と船体の間に空気のまくが生じ、低速で帆走するときとは全く別のバランスの状態になります。60ノットともなると確かにソリッドセールの効果で発生する「揚力」の力で上っていくのかもしれません。  それから、小さな船にお乗りになったことがあれば特に分かると思うのですが、クローズの時、艇は大変大きな力を水中で受けます。リーウェイに対するグリップ力を維持するためにヒールやトリムといった操作を総動員して水中線を長くとります。このとき下手をすれば水中の先端部分にキャビテーションを引き起こすほどの力です。  この大きな力とバランスをとっているのは、揚力のベクトルが分解された、進行方向と直交する力だとは感覚的に思えないのです。またスピードがどんなに遅くても、クロースの時、セールが受ける力も相当なものです。この力は空力的に発生する揚力などでは決してなく、やはり風の力そのものでり、すなわち風上に帆走できる力なのだと思います。  ということで最後は「感覚的」という言葉が登場しましたが、定量的に検証する力量を持ち合わせない以上、これ以上の議論は無駄ということになりかねません。私なりにもう少し掘り下げて調べてみます。ある程度結論が出た時点で、補足欄を使わせていただいてご報告申し上げようと思っております。(オフショアでも出艇するので、その間どっかで死ぬかもしれませんが)何度もおつきあい下さり感謝します。  

  • tocoche
  • ベストアンサー率36% (65/180)
回答No.4

>揚力はセールの表裏に発生する気流の速度の差によって発生し これってベルヌーイ力のことですよね。 揚力は帆が風を受けたとき抗力以外の方向に働く力であり、ベルヌーイ力に限らず帆が風を曲げる力も含んでいると思います。 ベルヌーイ力を発生させるには飛行機の翼のように厚みのある形にしなければなりませんが、帆船はエネルギーを風からもらっているので、揚抗比が低くても揚力が大きくとれる,風を受けられる形のほうがいいと思います。 剛体で作られていても、機帆船の帆も厚みのない「凧」形になっています。 曲面がきれいにできて、帆を任意の方向に向けることができれば、船体と水の抵抗によって、斜面を駆け上がるように風上に向かって進むことができると思います。 >セールが取り付けてあるマストにあたった風は揚力を発生させる前にほとんどが乱流となってしまうと思うのですが、どうでしょうか 。 風を帆に沿って流すときには帆の内側を流れる風により、帆は乱流から守られる思います。 またもろに帆に風を受けるときは、乱流かどうかは気にしていないでしょう。 >最近のセールでは3次元裁断をつかって確かに大変フォルムに気を遣ってます 3次元裁断はいいですね。 平面帆では滑らかな曲面を作りたくても、必ず皺がよってしまって乱流が出やすいですからね。(とはいえ私は「たいした差はないだろう」と思っていたので、全然注意して見てませんでした)

poor_Quark
質問者

お礼

>帆船はエネルギーを風からもらっているので…  確かにそうです。クローズの時もその風から受けた力がメインになっていればこそ、揚抗比が小さくても上っていけるとはかんがえられませんでしょうか。 >帆は乱流から守られる思います。  マストスリーブの外側はきれいな形ですが、内側は乱流がおこりすいはずです。 >またもろに帆に風を受けるときは、乱流かどうかは気にしていないでしょう。  私もそう思います。クローズの時は特にベルヌイ力よりニュートン力学の第2法則、作用反作用の力がメインだからではないでしょうか。  ご回答ありがとうございます。いただいた材料をもとにもう少し考えてみることにします。

poor_Quark
質問者

補足

 補足欄をお借りします。友人から、恐らく質問自体が質問者と回答者の論争を禁じた規約に反するので、週が明ければ遅かれ早かれ削除されるだろうとの指摘をもらいました。  私の過去の文章を読んでみると、回答をお寄せ下さったみなさん、特にsailorさんに、感謝の気持ちが十分伝わっていないと感じます。削除されるなら、そのチャンスはなくなるので、その前にその気持ちを表しておかないといけないと気づき、その目的でこの欄を使わせていただきます。  一般的にこのようなサイトの使い方は、質問者の疑問に回答者が答える、という形で行われます。単純に答が提供されるタイプの質問では問題ないのですが、やはり互いの経験を持ち寄って答に近づいていくということもあってよいと感じますし、誤解を恐れずに言うとそのあたりがこのようなサイトの弱点でもあると感じます。しかしながら、掲示板的にこのサイトを使うことを禁じた規約上の問題があるなら、その規約を認めて参加している以上、削除に文句をいうわけにもいきません。  さまざまな論点や、考える材料をあたえていただいたsailorさん、tococheさん、nozomi500さん各氏に改めてお礼を申し上げます。普通に回答が寄せられるより、ずっと勉強になりました。またこのような機会がどこかで持てることを楽しみにしています。重ねて、回答をいただいたみなさんに深く感謝します。ありがとうございました。

noname#2748
noname#2748
回答No.3

昔の横帆船では確かに揚力を得るというより、昇りの場合風を偏向させる役割しか持たなかったかもしれません。この場合、平らな板を風に対して大きな迎角を持たせたのと同じ効果で推進力を生んでいると考えられるでしょう。ただしこれでは昇りの角度が大きく取れないことも事実でしょう。過去の帆船でも船首にバウスプリットを設け数枚の縦帆を持たせたり、船尾にガフリグやガンターリグを装備して少しでも昇りの角度を稼ごうとしているの物が多く見られるます。また、横帆船では横流れに対する抗力は長い水線長に頼る方式が多く、現在の縦帆船のような積極的な方法は取られていなかったようです。その結果同じクローズドホールドでも角度にはだいぶ差があるようです。 クローズドホールドでのデッキ上の風速が早いのは確かに実際の風速+艇速になるので、実際よりもかなり速くなります。しかし、セールに対する揚力の点ではこの速度問題になると考えられます。クローズドホールドでは体感するよりも実際の速度はかなり低くなるのは事実ですが・・・

poor_Quark
質問者

お礼

 さて上の補足の話は、私がずっっと若い頃関東某県でウィンドサーフィンのインストラクター(のまねごと)をしていたときに先輩から聞いた(ような気がする)話を私の理解なりに書いたものです。  先輩は自分もヨットに乗るくせにヨット乗りは船のことをよく知らないといつもこぼしていました。確かに今回のことも、特に揚力の論理に関してネットで調べてみると、自分の疑問に関してそれを解決する記述に出会うことがなく戸惑うばかりです。  それは、例えば「揚力」に関してですが、揚力はセールの表裏に発生する気流の速度の差によって発生し、その向きは気流の向きに直交するということを考えると、船をのぼらせるメインの力になりうるか、という点で疑問がやはり残ります。  それから、やはり複雑な水中抵抗と海上で受けるさまざな力の複合的な作用によって、風上に帆走できる、揚力だけでは説明できないと考えてしまうのです。  ただ私にとって、自分の考えが間違っていれば、それを訂正することによって大きな利益になると思うので、ちょっとつっこんでその考えを書いてみました。適切な批判を待つことにします。  それはそれとして、私はジジイ(すでにそうですが)になっても海を楽しんでいきたいと思ってます。ヨットに乗る人から見るとちまちまとした世界に見えるかもしれませんが、ウィンドから得られる生理的快感はなにものにも代え難いと感じています。そろそろ今年もシーズンは終わりですが。  回答いただき感謝します。

poor_Quark
質問者

補足

 正確には分かりませんがガフリグやガンターリグはあくまでも補助的な機能だと認識しています。またトリムやヒールに関しても二次的で補助的な原理(重要ですが)だと考えます。  それでは私なりの考えで、その原理をむきだしにするためにある思考実験を試みてみます。実験の前提として、平水面で風向きとその強さは一定とします。船には舵はなく、進行方向と同じ向きで真ん中のセンターボードの前後に2本のマストがあり、それには単純なブーム(横木)とセールを備えているとします。セールはいつでもシバー可能とします。(シバーとは、ロープをゆるめるなどして船がセールに受ける力をキャンセルする動作のことです)また、船の水中抵抗の中心はセンターボード上にあるとします。  この船が真横90度から風を受けてバランスよく帆走しいるとします(アビーム)。その時、前の方のセールをシバーさせます。どういうことが起こるかというと、船は水中抵抗の中心から見て後方を押される形で、船首を風上に向けます。そのままだとデッドゾーンに入ってしまいますので、途中でシバーを止めて、風の力を戻します。そうすると船は風上を向けてずっと走ることができます。  今度はアビームの状態から、後方のセールをシバーリングさせます。そうすると水中抵抗の中心より前方を押されることになりますので、船は風下を向きます。ある向きに直線で走っていこうとすれば、目的の方向に向いたときにシバーリングを止めて、船のバランスを戻してやらなければいけませんが。  つまり、バランスさえ取れていれば、舵のある船ならこのバランスを認識することなしに操船できるということになります。またこの理屈が正しいとすると、風上に帆走させる大部分の力は、風がセールから受ける力そのものということになりそうです。  考えてみると、セールの構造は飛行機の翼のように基本的に剛体でできているわけではなく、進行方向に対して左右どちらにもふくらみ風の力を効率的に船体に伝えるようになっています。また、センターボードの操作ができる船体では、センターボードの操作と舵の操作が矛盾した場合、舵を破損しかねないという話も聞いたことがあるような気がします。  前回の、普通の船はウェザー気味に設計してあるという話ですが、水中抵抗の中心より風力中心が進行方向に向かって後方に設定してあるといういみではないでしょうか。ですから、船を押さえるように走らないと、自然に風上を向いてしまうということだと解釈しています。  もちろん「揚力」という要素を除外することはできませんが、揚力自体が速度の2乗に比例するので、船をのぼらせるための主な力にはなり得ないと思うのです(歩く速さでもクローズは可能)。また、船や艤装を設計する上で、揚力を意識するようになったのは19世紀に入ってからのはずで、それまでの船には結果としてわずかな揚力がはたらいたとしても、それだけではやはりヨーロッパの大航海時代を支えるだけの操船技術とはなりえなかったと理解しています。

  • nozomi500
  • ベストアンサー率15% (594/3954)
回答No.2

しろうとで申し訳ありません。 揚力なしに「力の合成」だけでは「風上」にむかうことはできないと思います。 日本の船の帆は、上下に棒を通した間に張ってあるので、左右の方向からくる風にたいする揚力をえられないのだと思います。揚力を得ない構造だからおおきなフィンもついていない。 ジブセールは、それ自体の揚力より、メインセールの揚力をあげるのが主な働きだと聞いたのですが。

poor_Quark
質問者

お礼

>しろうとで申し訳ありません。 私も素人です。 >揚力なしに「力の合成」だけでは「風上」にむかうことはできないと思います。  「力の合成」という話ではないんです。風力中心と水中抵抗のバランスを問題にしているんです。  ジブセイルメインセールという概念が成立したのは比較的最近のことです。その前から船は風上に帆走できていました。  ご回答ありがとうございました。

noname#2748
noname#2748
回答No.1

実際に計測したことはありませんので、あくまで経験上の話です。クローズドホールドのような帆走状態では推力のほとんどはセールの発生する揚力によってまかなわれていると考えられます。デッキ上にいるとクローズドホールドのときの風速がセールの裏側と表側ではっきりと異なることが体感できると思います。セールの周囲では以外に速い気流が発生しているようです。 アビーム(横風での帆走)のようなときはセールの発生する揚力に加えて気流を偏向することによって起こる力もかなり利用しているものと思われます。これは飛行機の翼で言えば大きな迎角を持った翼同様のものでしょう。アビームのときは翼の形状による揚力と迎角による揚力を両方利用していることになります。実際ヨットの速力が一番大きくなるのはこの状態です。 通常のスループ(1本マストでジブセールおよびメインセールの2枚のセールを持ったもっとも一般的なヨット)ではアビームよりも上りのヘルムでは、あて舵を取ってバウを風下に向けるようにヘルムをとらないと風上向けて船首が回ってしまいます。これをウェザーヘルムと呼びますが、ケッチやスクーナーなどのリグやキャットリグなどは操船したことがないのでわかりませんが、安全上の対策(風下に船首を振るような設計では、舵を離したときに風が逃げずにオーバーヒールしてしまう危険があります)からほとんどのヨットでウェザーヘルムを持つように設計されていると思います。

poor_Quark
質問者

お礼

 疑問のきっかけの一つは、揚力の発生しようのない昔のセールでも風上に帆走できるということでした。最近では、風をながすタイプのセールが主流ですが、その昔は風をためるタイプのものしかなかったような気もします。ご回答ありがとうございました。

poor_Quark
質問者

補足

 クローズホールドは、翼のような断面を持たないセールでも可能ですよね。セールが取り付けてあるマストにあたった風は揚力を発生させる前にほとんどが乱流となってしまうと思うのですが、どうでしょうか。最近のセールでは3次元裁断をつかって確かに大変フォルムに気を遣ってますが、飛行機の翼にはほど遠いような気もします。セールの周りに発する風は確かに早いですが、それは進行風の影響もあると思います。船のバランスが一般的にウェザー気味に設計してあるのは、アビームで走っても多少は流されるからという理由もあるのではではないでしょうか。  また18世紀のヨーロッパの船は飛行機の翼のような断面を持つセールはなかったと思うのですが、それでも立派にクローズで帆走できたと想像できます。その辺はどうなんでしょうか。

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