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武富士事件
弁護士によると、殺意はなかったとして、裁判では「傷害致死」で争うそうですが、この場合最高は、どういう罪になるのでしょうか?
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武富士事件の詳細は証拠を見ないとわかりませんから(笑),あり得るケースでもっとも考えられそうな法令の適用を考えてみましょう。 まず,金目当てで武富士に入り,ガソリンをまくなどして脅迫し,金を奪おうとすれば,それで強盗罪が成立します。そして,その際に(犯罪の痕跡を消して逃げようなどと考えて)火をつけ,建物を燃焼させれば,現住建造物等放火が成立し,これにより人に負傷をさせれば強盗傷人(あるいは強盗致傷),よって人を死亡させれば強盗致死(殺意があればこれが強盗殺人になるのですね)です。家に火をつけて,家の中にいる人を殺した場合,1個の行為で複数の罪名に当たる場合として観念的競合になるのが通例と思われます。そうなると,この武富士事件の場合も,現住建造物等放火と強盗致死(殺意がなかったとして)は観念的競合になるでしょう。ちなみに,最初のガソリンをまくなとして脅迫し,金を要求した事による強盗罪は,火をつけて死亡させるなどした強盗致死に吸収されるような理解でよろしいと思います。 さて,そうなると,武富士事件で殺意を否認するとしたら,強盗致死傷(確か負傷者もいたはず),現住建造物等放火の両罪が成立し,両者は観念的競合となり,重い強盗致死傷(強盗致死と強盗致傷も観念的競合),死刑または無期懲役ということになりそうですね。 質問の趣旨は,殺意を否認した上で強盗目的も否認し,傷害致死を主張するのだ,と弁護人が言っているということでしょうか?そうであれば,illustriousさんがおっしゃるように,傷害,傷害致死と現住建造物等放火の観念的競合になると思われます。
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- shoyosi
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本件の場合、殺意があれは強盗殺人、殺意がなければ強盗致死になります。他に放火罪が成立します。これらの最高刑は死刑で共通ですが、殺意があれば問題なく死刑は確実です。殺意がない場合でも最高刑は死刑ですが、殺意がなかった事件だけのケースで死刑を適用した例は最近ではありません。このため、弁護側は死刑を避けるため、殺意について否認する弁護方針を採ったものと思われます。強盗をして結果的に傷害致死になりますと、強盗致傷あるいは強盗致死が成立します。
お礼
回答ありがとうございます。 事件当初は友達と「犯人って、ガソリンまくとどうなるかわからないでまいたんじゃないの」なんて話していたのですが、どうやら犯人は、ガソリンスタンドにも勤めていたらしい。 「殺意はなかった」で通用するのかなって気もしていますが、とにかく弁護士はそうコメントしているのです。
- illustrious
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極めて単純に、「傷害致死罪の法定刑は?」という質問であるとすると、 答えは「二年以上の有期懲役(回答者注:十五年以下)」(刑法第205条)です。 但しこの事件の場合、他に、 現住建造物等放火罪(刑法第108条~死刑又は無期若しくは五年以上の懲役)や、 強盗傷害罪(刑法第240条~無期又は七年以上の懲役) といった罪が成立するのかどうか? また、その場合、それぞれの関係は併合罪(刑法第45条)なのか観念的競合(刑法第54条)なのか?等々、よく分からないことがあるので、それ以上は私には何とも回答できません。
お礼
回答ありがとうございます。 つまり「死刑」ってことも考えられるケースなわけですね。 参考になりました。
お礼
回答ありがとうございます。 この件は「強盗致死」っていうのですね。