- ベストアンサー
火星でパソコンは動くのでしょうか。
1997年に火星に到達したマーズパスファインダーですが、聞くところによると制御用のCPUには80287が使われていたそうです。懐かしのPC-9801RAがそのレベルのパソコンになるのでしょうが、現在のプロセスルールで作られたCPUが載ったパソコンが火星の宇宙線環境に曝されたときすぐに壊れてしまうものなのでしょうか。興味本位の質問で恐縮ですがよろしくお願いします。
- みんなの回答 (6)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
詳細について無知であるのと専門的知識がありませんので、自信なしですが、現在の宇宙探査は、観測機器などを目的の場所(宇宙空間・別の惑星等)に運ぶだけで、莫大なエネルギーを必要とします。主に、地球重力から脱して、太陽重力のなかの自由運動をするのにエネルギーが必要で、それを更に目的地まで運ぶのに運動エネルギーが必要で、火星などに着陸させようとすると、更にエネルギーが必要になります。 従って、実際に観測場所で使用する機器や装置にに使うハードは、可能な限り軽量であることが望ましいので、不必要な機能まで備えたCPUは必要ないということがあるでしょう。必要な機能だけあればよいのであるということになります。 もう一つ、すでに指摘されていますが、地球上で使っていて有効な精密機器は、違う環境で、精密に機能するかという問題があります。WINDOWSなど、信頼性がまったくない訳で、こんなものを莫大な予算を必要とする、地球とは異なる環境の場で使用しようというのは、ナセンスだとなります。この場合OSではなく、プロセッサですが、すでにクロックのことが出ていましたが、不要な高速クロックは、むしろ、機能不全の原因になります。 宇宙空間を航行するあいだに、相当な放射線に晒される訳で、単に火星上に降りた後の話ではなく、火星まで運んでいるあいだに、宇宙船の防護壁で、かなり守られているとはいえ、放射線の被曝は地上と比較になりません。特に、高エネルギーの荷電放射線が、プロセッサの回路を貫通すると、半導体部品などが、壊れる可能性が大です。過去の宇宙船の制御用コンピュータにどういうプロセッサを使っていたのか分かりませんが、多分、そんな複雑なものは使っていなかったはずです。精密な工学的な数値演算をするためだけなら、そんな高性能のプロセッサはいらないのです。また、天体力学的な非常に高性能な計算は、予めに行えますし、地上で計算して、それを送信するということもできます(火星まで行く宇宙船だと、それでは、緊急事態に間に合いませんが、予めにありそうな問題を予想して、それに対する基本対応パターンを計算しておいて、それを状況に応じて、変形させれば、高性能コンピュータを搭載しなくとも、単純なプロセッサと回路で対応できるはずです)。 温度変化も、地球上で使うことを前提にした、ペンティアムなどは、あまり考慮に入れていないでしょうし、何よりも、高エネルギー放射線粒子が、一個か二個、回路の中枢半導体を貫通すれば、プロセッサまたはCPUはアウトになります。そういう高エネルギーの放射線が、火星までの宇宙空間に一杯飛び交っていますし、火星上にもあるでしょう。これを防ごうとすると、厚い鉛の防護壁が必要ですが、そんな重いものを乗せるのは無理でしょう。 LSIのチップのマイクロ的な回路配線は、高エネルギー放射線で、一発か二発で壊れてしまいます。ペンティアムなどに使っている集積回路チップは、関係ないところの回路が多数、複雑に、細かく刻まれているはずで、それだけリスクが非常に高くなるので、できるだけシンプルで、しかし、最低限の処理能力を持つチップのプロセッサということなのではないでしょうか。
その他の回答 (5)
- parts
- ベストアンサー率62% (6366/10151)
マーズパスファインダーですか? 古いプロセッサをわざわざ使った理由はいくつもあります。その一つに故障がありますが、他の理由もありますね。 このプロセッサは、今のプロセッサでは当たり前に統合されたx87浮動小数点演算子(科学グラフィック演算などに長ける)ですから、別の意味で目的があったとも考えれらます。 ほかにも無駄な能力を付けていないと言うこともあります。もしあなたがある任務を任された。しかもその任務に関してはあなたがプロフェッショナルとします。 その任務は、たとえば辺境の地でスパイとか・・・ 既に目的があってその任務を遂行ししかもそれに関しての経験のある物が無駄な物をもって行きますか? 熟達者やよく経験を積んだ経験者になると、無駄より身軽さを重視します。 マーズパスファインダーの目的は、火星探査で着陸船ランダーとローヴァー(探査車)に分かれています。 これらの任務は限られた時間で火星をできる限り探査することその目的を遂行することが任務です。 プロセッサが最新で故障する確率が高くなるというのもあれば、目的以上の性能を持たせるとバッテリ寿命が低下しやすい。1つのプロセッサですべての機能を制御するより、機構回路を分散した方が1つの作業を行う回路が故障しても分散回路を持たせれば他の任務行動を行え少しでも情報を集められるというのもあります。 また、多くの開発者が心配していたことで、着陸がこれまでとは異なり、エアバックを利用し、落下衝撃を吸収するという点で、衝撃に強く完成されたプロセッサを必要としたということもあります。 (宇宙線などよりその方が可能性としては高いような気がしますが・・・人工衛星やスペースシャトルなどは以前から高性能なプロセッサも搭載していますからね。気象衛星やスパイ衛生は凄いですから・・・) そして、最後は予算ですね。NASDAで調べたところでは低予算でというのがあります。このような予算の関係からも無駄を省きできる限りの情報をというのが合ったのかもしれません。 どちらにしても、失敗するのが最も金の無駄ですから、それをなくすのが一番に。そして、第2の目的ができる限りの情報・データを入手すること。第三が限られた予算で効率的に作ることがあったのは確かなようです。その遂行に最も適していたから使われたと言うことだと思いますよ。
お礼
スパイ衛星はリモートセンシングの限界上それほど高度はとれないはず。となると宇宙線の影響は地上とあまりかわらないので考慮する必要はないのではないかという気がします。 強度上の理由・予算の制約については私もご回答いただいた内容で納得しました。特に工業製品の極地使用に際しては不要な能力は阻害要因にしかならないということもその通りだと思います。 ただ質問は、8086なりが惑星探査に使われた理由ではなくて、地球のような恵まれた宇宙線環境を持たない内惑星上で、ほんとうに今のCPUが持たないのかということだったんです。たぶん複雑系の世界の話になると思うんですけど。 日頃より他の回答に関しても勉強させて貰ってます。ありがとうございました。
- terra5
- ベストアンサー率34% (574/1662)
信頼性が第一ですからできたばかりのCPUなんて恐くて使えないでしょう。 また、複雑すぎる物は検証が困難ですから、問題が出る可能性も高いです。 最初のPentiumは数値演算が間違うケースがあって大騒ぎになったりしましたし。 それに、新しい物だとパターンの線が細くなっていますが、 細いほど放射線などの影響を受けやすいでしょう。 あと、単純な方が壊れにくい。 また、パソコンで使うものと、ああいう環境で使うものは処理の目的が違いますので、 要求される機能も性能も違ってきます。 動画再生のために使うような機能はじゃまなだけです。 むやみに速いクロックも、大切な電源を無駄遣いするだけですしね。 また、宇宙まで行かなくても、いろんな機械に組み込まれているCPUはPentium等とは全く別世界ですよ。 Z80なんかも、相当品ですが現役ですよ。
お礼
そういえばワープロとネットのブラウジングしか使わない人が2GHzのパソコンを持ってるなんてことは私の周辺でも結構ある話です。今のパソコンは高スペックのものを所有すること自体が目的となっていると感じます。本当の商品は「自己満足」なんでしょうかね。 制御関係をやってる友人が言ってましたが、WINDOWSなんて恐くて使えない、ソケット5の機械をマシン語で動かすのが一番いいとか。 的を射た回答をありがとうございました。
- hanasaka
- ベストアンサー率61% (479/785)
専門家でもなんでもないただの一般人です。 宇宙線関係は今の電磁波カットのシステムで何とかなるのではないかと思うのですが、問題は環境温度ではないでしょうか? 火星の平均温度は絶対温度で約218度(摂氏マイナス55度、華氏マイナス67度)ですが、 火星の表面温度は、冬の極点での絶対温度で140度(摂氏マイナス133度、華氏マイナス207度)という低さから、 夏の昼間の絶対温度でおよそ300度(摂氏27度、華氏80度)にまで広い範囲にわたります。参考URLより。 ということなのでうまく夏の地に居ないと、寒すぎて動作できないのではと思います。
お礼
私が聞いたところでは太陽からの高速の帯電粒子がパターンをカットしてしまうという理由だったと思います。生物のDNAの鎖も切断されるとか。しかし環境温度の日較差これほど大きいと致命的な影響を与えるのかもしれませんね。回答いただき感謝します。
- taka113
- ベストアンサー率35% (455/1268)
80287はCPUではありませんよ。i287は数値演算プロセッサです。 私が聞いたところによるとインテルの8ビットプロセッサが使用されていたはずです。確か8086あたりでした。 なぜ8ビット級のようなローテクコンピュータが使用されたかというと、やはり放射線の影響が部品密度の高い半導体では致命的になるだろうと予想されたからです。 もちろん搭載されたプロセッサは軍事規格に対応したセラミック製でしたが。
お礼
うろおぼえですが、パソコンに数値演算プロセッサを挿して、BIOSをそう設定すると、本来のCPUの動作をも含めてFPUに全制御が移るはずです。FPU単体で動作するレジもあったと覚えています。(違うかもしれませんが。)80287は未だにメモリアルCPUとして所有していますが、だいぶ忘れてしまったことが多いのには我ながら驚きます。回答をいただきありがとうございました。
- nozomi500
- ベストアンサー率15% (594/3954)
火星の宇宙線環境・・・というのは、地球のまわりを回っている静止衛星の宇宙線環境と比べて、そんなに酷いとは思いませんが。 通信衛星で動くぐらいのコンピューターであれば火星でも大丈夫なのでは?
お礼
静止衛星だと赤道上空3万6千キロにありますよね。地球磁場によって太陽からの帯電粒子は退けられるはずです。3万6千キロという距離でその効果がどれほど期待できるか分かりませんが、地球の付近と火星では、環境が違うのかもしれませんね。さっそくの回答ありがとうございました。
お礼
お礼がおくれてすみません。目的がはっきりしている場合はwindowsもPentiumも実は必要ないのかもしれませんね。的確な着眼点だと思います。詳しく説明していただき有り難うございました。