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「悠揚迫らず」って?
長らく「悠揚」と「迫」の間に「として」を挟む形を見たことがありませんでした。今グーグルで検索をかけてみても僅かに35件のみ。対するに「悠揚迫」と連続させると9970件も引っかかります。 大辞林を引くと意外にも「悠揚として迫らぬ態度」という用例が掲げてありましたが、遺憾ながら出典が記されておりません。 また大字源によれば「悠揚」なる語を「ゆったりとしてこせこせしないさま」として用いるのは我が国のみのことだそうです。支那人はこんな意味では使わないト。 となると、日本人が作った漢文の中に出典があろうかと思われます。それもよほど有名なものではないでしょうか。とは申してもこのあとどう調べればよいものか分かりません。 「悠揚迫らず」という形がほとんど強制される理由をご存知のかたがいらしたらどうぞ我が蒙をお啓きください。
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- gekkamuka
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>大字源によれば「悠揚」なる語を「ゆったりとしてこせこせしないさま」として用いるのは我が国のみのことだそうです。 この同じ意味で「優游不迫(ゆうゆうふはく)」という言葉もあるようです。 (「はじめの四文字熟語辞典」http://ww5.enjoy.ne.jp/~hajime.hunt/4moji.htm) また別のブログで「(辞書をとりだし)優游不迫 のんびりと心のままにするさま」とも。 (「キヤカのあさごはん(2006.07.01) 」http://yaplog.jp/kiyaka/) 辞書によっては「悠悠自適」と「優游自適」を同義語として併記しています。(小学館「国語大辞典」) やはり両方出ている角川「漢和中辞典」では「悠々自適」の方は<国語>となっています。 ここから「悠悠不迫」──つまり「悠悠迫らず」に類した国語表現もまたあり得るのかも知れません。 一方、「悠揚」は「長く遠いさま」の意のほかに、<国語>として「ゆったりとしてこせこせしない」とありますが(角川「漢和中辞典」)、この「こせこせしない」こそは「せこせこしない」でもあり、この「せこ/こせ」は漢字表記では「迫」という字に当るのではないでしょうか。 この辺から、本来「優游自適」だったものが国字熟語では「悠悠自適」に転移して行ったように、「優游不迫」が「悠揚迫らず」へと変って行ったというのいかがでしょうか。 英訳つきに特徴のある旺文社「英訳つき国語総合新辞典」によれば、 ゆうよう【悠揚】1)遠く長いさま far、2)ゆっくりとあがるさまcalm、3)ゆったりとしてせまらぬさまcomposed。 これでは「悠揚」自体で「…せまらぬさま」の意味が入っている、あるいは「悠揚」は最早、「…せまらぬ」とセットになった「さま」なのかも知れません。「広辞苑」でも「ゆったりとして、こせつかぬさま」としているのに、例文が「悠揚迫らず」とありますから。一種の「馬から落ちて落馬」の慣用語なのでしょうか。 ところで、その日本語の遣い方でも信頼している「齊藤和英大辞典」には、 yuyo(悠容)の項に「悠容迫らざる態度を執る to assume a calm and composed attitude.」と共に「彼は悠容として迫らない処が有る He is calm─composed ─serene.」という言い方も載っています。 興味深いことには、Google検索で「悠容」は1450件なのに、「悠容として」となると16400件にも撥ね上がることです。「悠容」という言葉は一般的な辞書では、少なくとも項目としては見出せなかったにも関わらず、です。 結局、憶測の連続で苦しい限りですが、「優游不迫」+「悠揚」⇒「悠揚迫らず」+「従容として」⇒「悠容として迫らず」とでもいった用法の混用、あるいは転用が生じたのではあるまいか、などと…。
- sasai
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中国は、漢字だけでひらがなはありありませんから、漢文の読み下しを思い出していただければ分ると思いますが、 「として」を、日本での読み方として、はさんだり、はさまなかったり・・・いろんな人がいたということではありませんか。 その漢文の調子とか、リズムによって、かなり自由だったのではないかと思います。 要は、意味が通ればいいので、それほど、うるさい決まりなどは無かったのではないでしょうか。 57調や75調のしらべにそっていろいろ読まれた気がします。 簡明を「簡にして明なり」とも、言いますよね。 そういうことではないでしょうか。 簡素は「簡にして素なり」とか。 こういう例はたくさんあると思います。 ことわざ辞典や慣用句の辞典などをひもとけば、拾えると思います。 ちょっとそれますが、「間髪を入れず」というのも、意味は「間に髪の毛一本も入れず」ということですので「カン、ハツヲイレズ」というのが正しいのですが、間と髪のあいだに何も入れずにいたために今ではかなりの割合で「カンパツ」と発音されていますよね。 回答にはなっていないかもしれませんが、参考までに。
お礼
>こういう例はたくさんあると思います。 たくさんどころか他にないと思うから質問しているのです。あるなら例を挙げてください。引き合いに出されたものは本例となんの関係もありません。おっしゃるとおり、回答にもなんにもなっていませんな。
お礼
>「優游不迫」が「悠揚迫らず」へと変って行ったというのいかがでしょうか。 ありえないでしょうね。類似の話を聞いたこともないので。 >一種の「馬から落ちて落馬」の慣用語なのでしょうか。 同じ意味の言葉を重ねることはざらにあります。落馬云々が問題になるのは、字が同じだからです。 >憶測の連続で苦しい限りですが 愛想が無さ過ぎるかもしれませんが、その通りです。説得力ゼロです。 それよりなにより、一番さん同様、私の疑問が奈辺にあるか理解してくださっているとは思えません。