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向田邦子の「壊れたと壊したは違う」という文章
日本語を勉強中の中国人です。向田邦子の「壊れたと壊したは違う」という文章を読んでいますが、理解できないところがありますので、お伺いします。 『「ちゃんと言ってみろ。おまえが壊したんだろう。それとも、ジーッと見ているうちに、筆立てが自然にパカッと割れたのか」 とてつもなく威圧的な声だった。私は喉をヒクつかせながら、つまる声で答えた。 「落っことしました」』 1.「喉をヒクつかせながら」の「ヒクつかせる」はどういう意味でしょうか。なぜ「ヒク」の部分だけはカタカナでしょうか。 2.「つまる声」とはどんなイメージの声でしょうか。 3.「落っことしました」は方言ですか。読み方と意味は何でしょうか。 また、質問文の中に不自然な表現がありましたら、そちらについてもご指摘いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
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こんにちは。大変見事な日本語の質問文、素晴らしいと思います。 1.「ヒクつかせる」・・・痙攣(けいれん)させる、脈を打つように動かす、震わせる、などの意味。ご質問の場面では、主人公の喉が恐怖と緊張のあまりそのような動きをした、ということでしょう。「ヒク」とカタカナで書いたのは、ひらがなで書くよりも、その動作がより強調されて(ややオーバーにも)感じられるからだと思います。たとえば、「うろつく」と「ウロつく」とでは、後者の方がより怪しげな印象があるように。 2.「つまる声」・・・なかなか出ないのを無理に出した声。ここでは恐怖と緊張で声が出せないところを、必死で答えた様子を表しています。「つまる」は「中が一杯になる」という意味ですが、その結果「塞がる、止められる」という意味にもなります。「息がつまる」というと「窒息する」の、「言葉につまる」というと「うまく返答できない」の意味になります。 3.「落っことしました」・・・「おっことしました」。「落としました」とほとんど同じ意味ですが、どちらかというと「不注意に、無用心に落とした」「高い場所から落とした」という感じがあるように思います。この自動詞は「落っこちる」ですが、「彼は足を滑らせて屋根から落っこちた」「遊んでばかりいて、大学に落っこちた」などの使い方があります。方言というより会話・口語表現のひとつでしょう。新聞などの固い文章ではあまり使われない言い方です。
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- shigure136
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awayuki_ch さんこんにちは。 早速、「ムカつく」に目が及んだこと、さすがだと感心してしまいます。 この「ムカつく」は、本来はなんでもない、ごく普通の言葉であり、「癪にさわり、怒りがこみ上げる、腹立たしい、吐き気を催すが如くに腹の中、胸がムカムカするような気持」を表現する言葉なのです。 したがって、この言葉は、自分の心の内を表現したり、ある人間の心情を表現するときに使うのであって、面と向った相手に、「お前、ムカつくんだよ」とか、「ムカ つくー」等として使う言葉では無いのだと思います。 ところが最近になって、若い人たちが、この「ムカつく」を日常会話の中で連発し始めてから、この【若者言葉】ともいえる「ムカつく」は、言葉の持つ意味合いまでも変わってきてしまったと思います。 彼らはこの「ムカつく」に「超(ちょう)(チョーと発する)」【最も、最大限を意味する「超」】を付して、「チョームカツク」などと発言します。 しかし、言っている意味合いは、もちろん本来の【癪にさわる】【腹が立つ】というものもありますが、単に「気に入らない」「自分にとって都合が悪い状況」「頭にきた」程度のものも表現されています。 普通であれば「イヤだー」「なんだよ、それ」「違うんじゃないの」などの言葉で済むものまで、「チョームカつく」「ムカつく」になってしまう傾向があります。 この「ムカつく」を会話の中などで使用すると、その言葉を使った人が、どこか軽薄な感じ、あの「チョー、ムカつく」を連発する人間と同類項のような印象を与える危険性があります。 自分の心のうちを表現するための言葉として「私はそんな彼の態度を見てムカついちゃったの」とか、「あの時はムカついたな~」などと言うなら構いませんが、直接相手に対する言葉として「あなた、なにそれ、ムカつく」とか、「え?チョームカつく」等はお使いにならない方がよいですね。 この「ムカムカする」は、お酒を呑みすぎて酔っ払ってしまい、お腹の中から喉もとに向かって何かが戻ってきそうなときにも使います。 でも、このときは「ちょっとムカムカするんだよ」であって、「ちょっとムカつくんだよ」とは言わないですね。やっぱり「ムカつく」は腹の中から怒りがこみ上げてきた時に使うのであって、腹の中からさっき飲み込んだものがこみ上げてくる時には使わないかもしれません。
お礼
shigure136さん、早速「ムカつく」について詳しい説明していただき心より感謝いたします。大変すっきりいたしました。 本当にありがとうございました。
- shigure136
- ベストアンサー率37% (278/744)
これは、人間が強く威圧されたにもかかわらず、何か言葉を発しなければならないときの様子が書かれています。 強い威圧感に恐怖さえ覚え、言葉が喉から出てこない時、何か言わなければならないという思いから、喉はヒクヒクと動きますが声は出てきません。 やっとの思いで声を出した時には、喉が完全に開かず息も詰まったような状態のままだったため、喉が詰まった、息が詰まったような声になってしまったのでしょう。 「ヒクヒク」を【ヒクつく】と書いています。 これと同じようなものに、 ★ピクピク(動き)を【ピクつく】 ★パクパク(食べる)を【パクつく】 ★ムカムカ(怒り)を【ムカつく】 ★チャカチャカ(動作)を【チャカつく】 ★ビクビク(恐れ)を【ビクつく】 ★ガツガツ(食べる)を【ガッつく】(?) ★ヒリヒリ(痛む)を【ヒリつく】 ★グラグラ(揺れる)を【グラつく】 などなど。(まだまだ挙げればあるかもしれません)
お礼
毎度お世話になります。 ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。たくさんの擬態語の「カタカタ+つく」という用例はとても参考になりました。 本当にありがとうございました。
補足
少し気になることがありますので、お聞かせください。 以前どこかで読んだことがありますが、「ムカつく」は気になる言葉づかいだそうです。やはり、「カタカナ+つく」のような形を控えて、もともとの擬態語の形を使ったほうが良いのでしょうか。 もう一度ご意見をお聞かせいただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
- blackdragon
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1.「ひくひくとさせる」とほぼ同じ意味です。 この場合は、喉を小刻みに震え動かせることです。 カタカナを使ったのは、ひらがなの連続より単語の区切りがはっきりして分かりやすくなることを狙ったのかもしれません。また、このような擬音語・擬態語をカタカナで書くことは良くあることです。 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%B2%E3%81%8F%E3%81%B2%E3%81%8F&dtype=0&dname=0na&stype=0&pagenum=1&index=15391600 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E3%81%B2%E3%81%8F%E3%81%A4&dtype=0&dname=0na&stype=0&pagenum=1&index=15389700 2.「声を詰まらせる」という表現があります。答えにくいことを答えようとしたり、感情が溢れたりした場合に、言葉が上手く出てこない様子です。「つまる声」とは、そのような様子の声を表しています。 3.「おっことしました」 「落っことす」は「落とす」の意味です。 http://dic.yahoo.co.jp/dsearch?enc=UTF-8&p=%E8%90%BD%E3%81%A3%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%99&stype=0&dtype=0 関東地方の方言らしいですが、全国的にも通じる表現だと思います。くだけた表現なので、主に、子どもが使ったり、大人の場合は、雑談などで使うことがありますが、公式の場や堅苦しい場でつかわれることは余りありません。
お礼
毎度お世話になります。 ご親切に教えていただき誠にありがとうございます。よく分かりました。大変参考になりました。 本当にありがとうございました。
お礼
毎度お世話になります。 ご丁寧に教えていただき誠にありがとうございます。「ヒク」とカタカナで書いた理由がよく分かりました。また、「落っこちる」もあるのですね。大変参考になりました。 励ましていただき本当にありがとうございました。日本語はまだまだ下手です。これからも頑張ります!