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隈研吾さん

隈研吾さんとは、どのような建築家なのでしょうか。 知っている方がいらしたら教えてください。 自分がどう思っているかでもいいです。

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回答No.2

No,1です。 「負ける建築」、ちょっと難しいですよね。 「反オブジェクト」という本の方がちょっと分かりやすいかもしれません。と、いうのは「反オブジェクト」は隈さん自身の建築を通して反オブジェクト的な建築を模索する、というスタイルで書かれているのに対して、「負ける建築」は雑誌に発表された論文たちを再構成したものなので、対象としているフィールドが、経済や哲学など、多岐に渡っているからです(もっとも、「反オブジェクト」でもカントについての言説がありますが)。 「負ける建築」についてここで一言で解説するのはちょっと難しいんですが、僕なりに考えたことをちょっと書いてみます。 「負ける建築」というのは、隈さんの建築に関する考えをキャッチフレーズとして示したもので、一言でこういうものだ、と定義することは難しい、というか、さまざまな意味をもたせていると思うんです。 その中で大きい2つのキーワードとなる部分を書いてみます。 1.環境と建築 威圧的な建築を批判したいと隈さんは言います。隈さんがその話をする時によく例に出すのがコルビュジェとミースです。コルブのサヴォア邸はピロティによって大地から切り離すことで、ミースの一連の建築は大地に基壇をつくって彫刻の台座のように扱うことで、大地から切り離されたオブジェとなる、といっているわけです。 それに対して隈さんは、亀老山展望台では山頂が切り取られていた山を復元し、そこに埋まったような展望台を作りました。北上川運河交流館(スイマセン、前の回答で漢字を間違えました)では川沿いの堤防に埋まったような建築を作りました。単純に埋めればいいのか、という問題は残りますが。 2.デマンドサイドとサプライサイド ケインズ経済学を援用し、その問題点を指摘して隈さんが言いたかったのは結局のところこのデマンドサイドとサプライサイドの問題ではないかと思います。もっと簡単に言えば、建築を「使う人」と「設計する人」ですね。個人住宅ではこの関係はわりとはっきりしてますが、公共施設とかだと発注するのは「国・地方公共団体」などの組織で、使う人が「住民」なので、デマンドサイドがあいまいになってしまうという問題がありますよね。結局でもこの問題に関して結論は出てないような気がします。 で、結局どうなの?って感じなんですが、「負ける建築」では「反オブジェクト」と違って、実際の隈さんの建築作品を元に語ってるわけじゃないので、隈さんの目指すところが分かりにくいわけです。でも2章で語られるデ・ステイル、シンドラー、内田祥哉、村野藤吾の各建築家(あるいはグループ)に関しての論文はとても面白いです。 隈さん自身は負ける建築の中で「関係性としての建築について考察する」という印象的な言葉を残しています。まぁ、「関係性のデザイン」ということ自体は今やみんなが言ってることかなぁ、とも思いますが、負ける建築はどういう建築か、と言われたら、「関係性の建築」と言ってもいいかもしれません。 「負ける建築」と比較してよく語られるのが藤本壮介の「弱い建築」ですが(詳しくは「この先の建築」TOTO出版を読んでみて下さい。隈さんと藤本さんの2人が登場するシンポの記録が載ってます)、藤本さんのいう「弱さ」というのが、建築がその内部にいる人に対して押し付けがましくないことを目指し、内部の空間構成(部屋のつなぎ方とか)にその重点を置くのに対し、隈さんは建築と外部環境の関係だったり、その境界をどうデザインするかということ(素材の選択とか、今までとは違った素材の使い方とか)に興味があるみたいです。 なんかめちゃくちゃ長くなってしまいました。 「負ける建築」は確かに難しい部分もあるんですが、最初は分かるとこだけ読めばいいんじゃないかな、と思います。僕もそうだったし。実際今もちゃんと理解できてるかよく分かりません。でもそうやっていろいろ読んでいくうちになんとなく自分の中での考えがまとまってくるような気がします。隈さんの考えに共感することもあれば、ここはちょっと違うな、とか。 ではでは、また何かありましたら遠慮なくどーぞ。 違う考えの人もいると思うんで聞いてみたいですね。

ktsr
質問者

お礼

ありがとうございました! 大変お礼が遅くなってしまい申し訳ありません。 また、機会があれば、隈研吾さんについて教えてください。

その他の回答 (1)

回答No.1

こんばんは。 代表作は隈研吾建築都市設計事務所のサイトで写真付きで見れますので、見てみてください(写真は小さいですが)。 隈研吾建築都市設計事務所 http://www.kkaa.co.jp/ 僕が個人的に代表作だと思っているのは、 M2(1991) 亀老山展望台(1994) 水/ガラス(1995) 森舞台(1996) 北上川運河交流感(1999) 陽の楽家(2000) 馬頭町広重美術館(2000) 石の美術館(2000) ONE表参道(2003) LVMH大阪(2004) ですね(ちょっと多いですが…)。 隈研吾さんはM2というポストモダンの作品で一気に有名になったと思います(といっても当時僕は小学生なのですが)。ポストモダン建築については調べてみてください。でもM2に関しては見れば分かると思います。(「M2・隈研吾」で検索) とにかく「オイオイ…」と言いたくなっちゃう様な建築だったんです。 で、一気に有名になって、嫌われた。 その後、小奇麗な建築家へと変身、公共施設を多く手がけています。 「反オブジェクト」「負ける建築」という2冊の刺激的な著作で、大地と切り離されたオブジェクト的な建築を批判しましたが、隈さん自身の作品もオブジェクトじゃないか、という批判も多いです。 素材を実験的に使うことでも有名で、隈さんによればそれは、地元の素材を使うことで、強い建築を少しでも弱くしたい、ということらしいです。石を薄く削って光を通すようにしたり、竹を構造材として使ったりしています。 僕の個人的な印象を書きます。 M2は嫌い。 でも「反オブジェクト」とか「負ける建築」で書かれた言説には興味をひかれるし、共感もする。 良くも悪くも、時代の趨勢に敏感な建築家だと思う。 建築のオブジェクト的側面、つまり外からどう見られるか、ということに熱心で、表面の素材の選択についてはとても意欲的だけれど、その分、内部空間の構成にはあまり興味がないみたい。もっとも隈さん自身は建築の空間構成の前にやるべきことに興味があるのだ、と言っていますが…。 というのが印象です。 具体的にどういったことを知りたいのか、書いてもらえるともっと詳しく書けるかなぁ、と思います。 もし、一般的にどういう建築があるのか知りたいのであれば、「隈研吾読本」「隈研吾読本2」という本が、写真と対談が載っていて分かりやすいかと思います。 「反オブジェクト」「負ける建築」という本はちょっと難しい部分もありますが、とても刺激的です。 建築作品自体はわりと全国にちらばっていますので、近くにあるものを見に行かれてはどうでしょうか?近くといっても隣の県、とかになってしまうかもしれませんが…。 と、このようなところでよろしかったでしょうか?

ktsr
質問者

お礼

前にGAを見に行ったのですが、石の透け方とかすごくきれいでした。 あたしは木が好きなのでそれを存分に使っているとこともいいなーとおもっているのですが、 負ける建築は、読み始めているんですが言葉が難しくて… 「負ける建築」ってのは、どのようなことをいいたいのでしょうか。

ktsr
質問者

補足

ごめんなさい。 焦りすぎてお礼を言い忘れてました! すごくわかりやすかったです☆ ありがとうございます。

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