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サ行変格活用について、その2
先ほど、サ変についてお聞きしたものです。 文語サ変について、お聞きします。 1、「臥(ふ)す」は四段 2、「賦す」や「補す」はサ変 となっています。 この差はどこにあるのですか。
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- garamond
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「臥(ふ)す」「伏(ふ)す」は「ふ」は訓読みです。 「賦(フ)す」「付(フ)す」の「フ」は音読みです。 本来はこれだけで、 「臥(ふ)す」文語四段・口語五段 「賦(フ)す」文語サ変で、口語では「賦する」となる。 と断定できたのです。 ところが、漢字一字に文語「す」/口語「する」を附けたサ変動詞の五段化が現在進行中で、私は口語に関しては「サ行混合活用」と呼ぶべきだと思っています。 (そもそも未然形の「さ(-れる)」は五段、「し(-ない)」は上一段で、純正のサ変は「せ(-ぬ)」だけです) 最近では、「意に介さない」「法的手段も辞さず」などは普通になってきました。 「権利を有さない」はまだ抵抗がありますが、いずれは市民権を得るでしょう。 今のところ、連体形「する」が健在かどうかが目印ではあります。 「愛しない」より「愛さない」が普通になっても、「愛すこと」より「愛すること」が優勢である限りはサ変(私のいう「サ行混合活用」)としていいでしょう。 「訳す」はほとんど五段化を完了しました。 「訳しない」と言う人はほとんどいませんし、「訳すること」も古風な響きがあります。 私は「属すること」「託すること」と言いますが「属すこと」「託すこと」が多くなりました。 漢字音によって差があります。 「課す(る)」「付す(る)」「処す(る)」などは五段化への抵抗が少ないでしょう。 「属す(る)」「臆す(る)」がその次。 「介す(る)」「廃す(る)」がその次。 「有す(る)」「称す(る)」がその次。 「反す(る)」「関す(る)」は抵抗があるでしょう。 「達す(る)」「罰す(る)」は最も抵抗が強いでしょう。 新聞の見出しで「次代に託す」とあった場合、私のような年寄りは、「【文語】サ変」と受け取りますが、 若い世代の方は「【口語】五段」と受け取られるのかも知れません。 質問者さんの疑問が生まれた理由は次のように推測されます。 文語サ変「課す。」「課すること」「課せず」 口語サ変「課する。」「課すること」「課せぬ/課しない」 であるはずのものが、五段化した結果、 口語五段「貸す。」「貸すこと」「貸さぬ/貸さない」 と同じく「課す。」「課すこと」「課さぬ/課さない」 と使われるようになってきたため、 なぜ「課す。」は文語サ変で、「貸す。」は文語四段なのか? どこが違うのか? と疑問に思われたものでしょう。
- chako3chako
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質問者さまは日本人ですよね? 私は日本語教師です。 国語教育ではなく 日本語教育的な視点からお答えしてみたいと思います。普通の日本人にはフレッシュな観点かと思うので。 サ変動詞を「第三グループ動詞」 五段(文語の四段+α)動詞を「第一グループ動詞」と 日本語教育では分類します。 分類は同じ、呼び名が違うだけです。 日本人には サ変か五段かの区別は簡単なんです。 否定形を作ってみて 「~aない」とないの前の母音がaになれば 五段。 「しない」 とないの前が「し」になれば サ変 だからです。 しかし外国人には否定形そのものがわからないわけですから この方法は使えない。 それで3つのグループに分けてしまい、 新しい動詞を学んだら意味とグループも一緒に 覚えなさい、と教えます 英語で、規則動詞か不規則動詞かは 覚えるしかない、のと同じことなんです。 日本人でしたら サ変と五段の区別は簡単です。 同様に文語の四段とサ変も 否定形を作ってみてください。 「aず」になれば四段 「せず」になれぱサ変です。 「臥(ふ)す」は 臥さず 「賦す」は 賦せず 「補す」は 補せず 質問者さまが外国人でいらして 外国語としての日本語/文語を 学んでいる過程での質問だとしたら 回答は陳腐な 「動詞はグループとして覚えるしか道はない。 臥すは第一グループだし 賦す補すは第三グループ。 そう覚えるしかない」 ということになります。