- ベストアンサー
「倶不戴天」と「不倶戴天」
表題の言葉は辞書によってイコールで表していますが 以前に片方は「倶に天を・・」と読み片方は「倶には天を・・」と読むと聞いた覚えがあります。 (どちらを そう読むかは覚えていません) それが正しいとすると意味は異なると思うのですが どなたかご存知の方 教えて戴ければ幸いです。
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
#2です。 漢文の教科書によく出ている例文を引いておきます。 『史記』廉頗藺相如列傳 彊秦之所以不敢加兵於趙者、徒以吾兩人在也。今兩虎共鬥、其勢不倶生。 〔彊(=強)秦の敢て兵を趙に加へざる所以(ゆゑん)の者は、徒(ただ)吾が兩人在るを以てなり。今兩虎共に鬥(たたか)はば、其の勢【倶には生きず】。〕 「強国の秦が趙に手を出しかねているのは、私たち両人が揃っていればこそのこと。もし二人が争えば、両方今のまま残ることはあり得ません。」 (どちらが勝っても一人だけになり、秦は易々と趙を滅ぼしてしまうでしょう。) つまり「【両方とも生き残る】ことはない」で、一方は生き残るわけです。 もし「倶不生(倶に生きず)」だと、「共倒れになり、どちらも生き残れない」という意味になります。
その他の回答 (2)
- garamond
- ベストアンサー率53% (1119/2111)
「不倶戴天」が正しく、「倶不戴天」では意味をなしません。 「不倶戴天」の読みは質問の趣旨に副って言えば、 「ともには天を戴かず」 なのですが、もう一方の「倶不戴天」があり得ないので、区別の必要性がないため、慣用として 「ともに天を戴かず」 が行われています。 「不倶戴天」はいわゆる部分否定で、 「【両者揃って存在する】ことはない」=「どちらか一方しか存在しない」 といった意味で、共存を拒むものです。 「倶不戴天」は日本人が読み下し文を漢文に戻そうとして間違えたものです。 もし「倶不戴天」であれば、「両者とも存在しない」になってしまいます。
- harun1
- ベストアンサー率60% (927/1535)
どちらも 倶に天を戴かず(ともに てんを いだかず)と読みます。 出典は「礼記、曲記」で、元は「不倶戴天」です。 が・・、辞書によっては、「倶不戴天」に注釈付きで→「不倶戴天」としているところもあります。
お礼
わざわざ調べてくださったのですね。ご回答有難うございました。
お礼
大変に丁寧なご回答ありがとうございました。 日本の古典と言えると思いますが「長唄」の詞の中に 「倶不戴天」とあったような覚えがあり質問しましたが貴方様の言われたような経緯があったのですね。 昔、漢文の授業で蛍雪の故事の中の「常に油を得ず」か「常には油を得ず」で教師が説明してくれたことと ゴッチャになったようです。