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統計力学にかんして。等確立の原理にかんして
等重率の原理は統計集合がミクロカノニカル集合のときに使われる概念で 「エネルギーがE~E+ΔEである状態はすべて等しい実現確率をもっている」 ・・というのをよく教科書で目にするんですが。 このΔEがすごく気になるんです。 教科書はエネルギーの揺らぎ とか 形式的に計算しやすくするため とか 色々書いてますが。 そもそも、ミクロカノニカルってE一定なんですよね?? 「ある系で、系のエネルギーは一定でエネルギー揺らぎを持つ系」って表現的にありなんでしょうか??(系のエネルギーが指定できてないじゃんと突っ込みたくなるんですが。) ・対処方として ある実験系を考えます。理想に近い断熱をします(でも外部とエネルギーのやり取りをしてしまうんです。)。ってことを考えてのことなんでしょうかね。 上と似たようなことで。 壁と衝突するとエネルギーのやりとりが発生する。 ΔEという幅を形式的(意味はない)にとりいれて計算しやすくして、さらにこの計算方法を実行すると。。理想気体のpv=nRTとか、さらに磁性体のこととかが計算できて便利! ΔEには意味はないんだよ! 単に計算がうまくいくから。 うーん。。どうなんでしょうか!? お願いします!!
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ΔEというものは、完全に断熱な系を仮定したとしても、やはり根本的に必要です。現実の問題を考えるにあたり 系内部では、複雑な相互作用があるから、エネルギー 準位の縮退は、摂動により全て解けているでしょう。 つまり、各エネルギー準位にはひとつずつしか状態が ありません。ですから、現実では同じエネルギーを持ったミクロカノニカル分布を考えることに意味はありません。縮退が解けてエネルギーにバラつきのある状態を、系が取りうる状態として全て含むためにはエネルギーの幅が必要です。それがΔEとなります。 そして、なぜ断熱系において、その幅ΔE内部に存在する 微視的状態が全て等確率で実現するかは、♯2で述べた 外部との微弱なエネルギーの出入りによって、系に与えられているエネルギーEがΔEの範囲で動き回るから 可能になるのです。
ミクロカノニカル分布は、厳密にはE=一定ではありません。エネルギーの不確定性等、色々理由はあると思いますが、とにかくEの周りに幅ΔEをもつ、というのが 定義です。幅ΔEの間にある微視的状態がすべて同じ確率で実現する、ということです。 位相空間で考えるなら、ΔEに対応する厚さを持つ等エネルギー面の球殻です。 そんな定義をしたら断熱系であるミクロカノニカルでは、一度Eが与えられたら、Eに縮退した位相空間における等エネルギー『面』上の微視的状態のどれかしかとれないではないか、と思うかも しれませんが、現実の系では完全な断熱系というのは 実現し得ず、光子等によるhωのオーダーのエネルギーの出入りがあります。そして、ΔEはそのような微弱な エネルギーの幅よりも小さい、という設定にしてあるので、断熱系でも、球殻に含まれる微視的状態は、等確率で実現し得るとできるのです。
- atomicmolecule
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統計力学は勉強不足であまり自信がありませんが、気がついた事だけ書かせてください。 まず、ミクロカノニカル分布でエネルギーを指定するアンサンブルなのに、「エネルギーの幅を考えましょう」と、確かにそういった説明が殆どですね。しかし、注意して欲しいのは、エネルギーの幅は原理的にはいくらでも小さく出来ると思います(少なくとも古典統計では)。 次にエネルギーの幅と言っていますが、これは揺らぎと解釈すると、akioさんが指摘の通り、説明上おかしなことになると思います。エネルギーの幅は最終的には物理に効かないですし、最終的にはこれは無限に小さい幅という極限で考えるものだと思います。その意味でエネルギーは決まっています。 一方カノニカル分布などのエネルギーの揺らぎは温度で決まった値を持ちます。これは統計的な揺らぎで、これを無限に小さくすることは出来ません(温度がゼロにならない限り)。つまりこの揺らぎは本当の揺らぎで、実際に実験にかかる量だと思います。(どうやって計るかということはちょっと今は思いつきません。) すると、ミクロカノニカル分布はエネルギーの揺らぎがない系、つまり閉じた系とみなせるくらい大きな系(宇宙全体?)か、エネルギーの出入りがゼロとみなせる有限系にしか適用できな非常に理想化されたアンサンブルだと思います。ですが、そういった概念を受け入れるとカノニカル分布やグランドカノニカル分布うは、ミクロカノニカル分布の微小部分系として導出できますし非常に強力な概念だと思います。 私も勉強不足のところがありますので、考え方の間違いがあれば指摘してください。他の方の書き込みも楽しみにしています。