長年、無農薬・有機野菜栽培をしています。aikosさんのレポート作成の参考になるかどうかはわかりませんが、実践家としてaikosさんの問題を考えてみました。
まず、最近の市場やユーザーの需要の傾向が野菜のみならず米までが無農薬(低農薬)・有機栽培に完全に移ってしまっていることです。インターネットで無農薬・有機栽培を検索したら一万数千件の通信販売のホームページが検出されるほどです。近代農業では、化成肥料や農薬は農機具とともに欠かす事のできぬものであったはずですが、世の中の健康志向、良品志向の傾向によって農薬はいつのまにか農業において日陰者のような存在になりつつあります。農薬の使用はやむをえないとしても、収穫時には完全に農薬の影響がなくなっていることが最低要求されています。農薬の効果がずっと継続している田畑で作られた米や野菜は正直に公表すれば誰も買わないでしょう。たとえそれが国が認めた許容範囲内のものであっても、農業経営上、大変重要なものであっても、、aikosさんの設問の技術は世の中にはでまわらないのではないでしょうか。
それともう一つ、環境問題も関係があると思います。私のところは農村地帯ですが、あちこちの農業用水路では水は美しく澄んでいるのですが、魚の影も見受けられません。なにか大変大切なものを失ったような気持ちになります。昔、私がaikosさんの年齢の頃は(浦島太郎の時代?)水田の小川でもフナやドジョウ、エビガ二などがいっぱいいたのを覚えています。少なくともこのあたりでは、ドジョウやエビガ二は絶滅したようです。勿論、工場廃水や家庭排水などの影響も大いに考えられ、農薬だけが犯人と言うわけではありません。しかし、近年行われている農薬の一斉空中散布などをみているといつまでこんな事をしているのかと考えてしまいます。以上のことを考えますと近代農業にとって農薬の効用は、効果の永続性よろもむしろ一過性で後に残らなくて効果が強い農薬の方が望ましく、市場や社会的事情にも合致しているとaikosさんとは全く逆の結論になってしまいました。なお、技術的には解決されているのに社会的には認知されないというものは、結構あるように思います。新聞のファクシミリもそのひとつでしょう。(新聞販売店による宅配制度の存在)実践家のたわごとが学生さんのお役に立ちますかどうかは自信がありません。
お礼
テスト無事に終わりました。皆さんのおかげで回答することができました。ありがとうございました。