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アルケンのヒドロホウ素化について
ヒドロホウ素化の遷移状態での原子の極性について質問です。 1-メチルシクロペンテンにヒドロホウ素化の反応でボランを付加させたときに、遷移状態ではホウ素が負の電荷を帯びていて、アルカンの炭素原子は正の電荷を帯びるそうなのですが、ここで示している炭素原子はアルカンでもともと2重結合していた炭素の両方をしめすと考えてよいのでしょうか。誰か回答よろしくお願いします。
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3中心型のボラン-アルケン錯体の状態であれば2個の炭素の両方に正電荷が生じます。 また、よく教科書に書かれている4中心型の遷移状態においては、Bと結合している炭素上に正電荷が生じます。 要するに、BがLewis酸であり、結合相手から電子対を受け取ることによって結合を形成します(配位結合)。そのために、実際にBと結合を形成している原子は、Bに電子を奪われるために、正電荷を持つことになります。
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補足です。 3中心型というのは、2個の炭素とBからなる3中心構造で、ヒドロホウ素化の初期段階のボラン-アルケン錯体のことですです。あまり取り上げられることはありませんので、わからなければ無視してもかまいません。 4中心型の遷移状態というのは、お考えの通りです。 正電荷の位置に関しては、ご指摘のように書かれている本もありますね。たとえば、マクマリー有機化学ではそのように書かれています。このように書かれている理由は、ヒドロホウ素化が求電子付加であり、Hは「H-として」付加することになり、それが逆Markovnikov型付加の原因になっていると考える場合には好都合だからです。また、反応機構を表現する際に、電子の流れを矢印で表しますが、その場合にも上記のように考えた方が好都合です。 要するに反応機構的なことを表現する際には、そう考えた方が(すなわち、Hが付加する側に正電荷があると考えた方が)都合がよいということです。 その一方で、たとえばボルハルト-ショアー現代有機化学においては、反応の進行に伴う静電ポテンシャルの図が示されており、それによればホウ素原子が付加する側の炭素の方が大きな正電荷を持っています。この結果から、ヒドロホウ素化の際の位置選択制を決定する要因は静電的なものではなく、立体的なものであると結論づけています。 以上、相反する説明で困ってしまいますが、現状では前者の方が教科書的な正解といえるかもしれません。その方が反応機構は考えやすいです。 ただし、化学的な正解となると判断に迷います。4中心遷移状態のどのあたりを見るかによっても違うかもしれません。後者の説明は、「ボルハルト-ショアー現代有機化学(上)」(化学同人)12章に書かれています。最近よく使われている教科書ですので、書店や図書館などでチェックしてみてください。
お礼
回答ありがとうございました。
補足
回答ありがとうございます。以下の部分がわからなかったのでおしえてもらえませんか。 >3中心型のボラン-アルケン錯体の状態であれば2個の炭素の両方に正電荷が生じます。 ここでいう3中心型とは具体的にどういう構造式で書けるのですか。また、4中心型でいう4中心とはアルカンの2つのCとボランのBとボランから離れつつあって、Cと結合しようとしているHのことをさすのでしょうか。それから、4中心型の図でボランから離れつつあるHが結合しようとしているアルケン炭素に正電荷の記号がついている図が参考書に載っているのですが、これは正しいのでしょうか。回答お願いします。