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住民監査請求は"浪費"支出を対象として行うことができるか
地方自治法第242条に定められております「住民監査請求」は『違法若しくは不当な』公金の支出に対して住民監査請求を行うことができるとされています。 上記でいう「不当な支出」についてはいくつか行政実例がでているようで、「本来支出してはいけない、支出すること自体が不適当な場合」を不当な支出というようです。そうすると、例えばパソコンを購入すると仮定した場合、時価20万円相当のパソコンに対して25万円を支出するという行為はパソコンを購入した以上、それ自体は支出すること自体が不適切とまではいえないため住民監査請求の対象とはならないのでしょうか。
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o24hitさんが判例を出していますが、解釈を誤っています。 当該判決では、市長が安易に1業者のみに価格の不動産鑑定を依頼し、その算定額を検証することなく政治決着を図ったことが「裁量権の逸脱」とされたのであって、適正価格の2倍を超えなければ「不当な支出に当たらない」との判断を示したものではありません。 仮に時価20万円のパソコンを25万円で購入した場合、十分に「不当な支出」に当たるのであって、必ず棄却されるとは言い切れません。 地方財政法第4条では「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要かつ最少の経費の限度を超えて、これを支出してはならない。」と規定しており、自治体には単に時価のみで判断せず、合見積を複数徴取するなどして少しでも経費を少なくする義務が課されています。 これに反して支出された経費は、市の財産すなわち市民の税金が無駄に使われたことに他ならず、その額が多いか少ないかは問題ではありません。 また、「違法な支出」を証明するにはそれなりに法的な根拠をそろえる必要がありますが、「不当な支出」の場合は、例えば複数の業者から見積書を取って、市の支出額とを比べても十分証明はできます。 また、仮に棄却されたとしても、市にとってはかなりの警鐘となるはずで、間接的には大きな効果が見込めます。 これが住民監査請求制度の本来の趣旨なのです。
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- marukichi88
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補足させてください。 記述内容からしてobenkyouninhitさんは監査委員事務局の職員又は元職員とお見受けしましたが、住民監査請求は住民側に認められた権利であって、過去にどのような行政実例があろうと住民を拘束することはできません。 また、どんな金額で物品を購入しようとその手続きに違法性がなければすべて監査請求は棄却されるべきとの考えは、役所側の勝手な思い込みにすぎません。 前回の回答でも書いたとおり、仮に棄却されたとしても、役所側に警鐘を鳴らすことができるのがこの制度の特徴であり、過去に判例があるからといって必ず棄却されるとは限りません。 (しかも、ぽんぽん山の件は京都地裁での判決であり、控訴審や上告審で覆される可能性もあります。) むしろ、住民に疑念を抱かせてしまうような行政行為があったこと自体を役所側は反省すべきであって、棄却されたと喜んでいては、いずれ大変なツケを払わされることになりかねません。 私はそれを言いたかったのです。
お礼
こんばんは。 marukichi88さん、補足ありがとうございます。 認識の齟齬が生まれるような質問の仕方をしてしまったと反省しているところですが、今回私は「できるか?できないか?」ということを確認したかったのではなく、「できるとするならば、どのような理由付け(根拠)で行うことが可能なのか?」ということを確認したかったのです。 確かに、marukichi88さんの記述にありますとおり、「住民監査請求を行うことが可能か?」ということであれば「行うことは可能である」なのだと思います。 私の質問の仕方に良くない部分あり、すみません。 ありがとうございました。
- o24hit
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こんにちは。 以前に、用地買収で、時価より高い価格で購入したと住民監査請求した例があります。 その後、首長などを被告とした、支出の返還請求の提訴がされ、市長が敗訴しました。その時の裁判の判決では、「首長の裁量の限界はその適正価格の2倍まで」としています。 今回の例は、監査請求は出来ますが、棄却されると思いますし、先ほどの例を判例としますと提訴しても敗訴すると思います。 http://www.kyoto-jlaf.jp/shibunews/news1_3.html
お礼
こんばんは。早速の回答感謝です。 過去の判例で「首長の裁量の限界はその適正価格の2倍まで」というというものがあるのは知りませんでした。 参考になりました。ありがとうございます。
お礼
回答ありがとうございます。 不当支出についてですが、私の質問にも記載させていただきましたとおり、昭和23年10月12日付けの自発第901号という宮城県監査委員宛に自治課長が回答を行ったものが行政実例として扱われています。 この行政実例によりますと「一般的には、不当な支出とは、時価により購入しうる物品について額のいかんにかかわらず不当支出が不適当な場合をいう」とあります。 ですので、今回のケースは「不当支出」にはならないので住民監査請求の対象にはならないのかと疑問に思い、[教えて!goo]に質問してさせていただいたところでした。 しかし、住民監査請求の根拠法令であります、地方自治法第242条によりますと「普通地方公共団体の住民は(中略)違法若しくは不当な公金の支出(以下略)」に対して住民監査請求が行えるとありますので、そもそも「違法な支出」についても住民監査請求の対象となるかとかと思います。 そして、o24hitさんの回答内容と、紹介していただいたURLの「判決は、跡地の適正価格は高くても金21億円までと認定し、首長の裁量の限界はその適正価格の2倍までとした上で、これを超える金額の支出が違法となり、元市長はこの額である金4億7000万円を市に支払え、としたのである。」という記述をみて、「首長の裁量の限界はその適正価格の2倍までであり、それを超えた場合は適正価格の裁量の限界を明白に超えていると判断できるため『違法支出』に区分される」のだと思いました。 それであれば、行政実例と判例の内容で矛盾も生じないと思ったのです。 行政実例を見る限りですと、たとえ複数の業者から見積もりを取ったとしても、物品を購入したことは事実ですので、物品に対する対価を支払うという行為自体は「不当支出」ではないと解釈しておりました。 また、o24hitさんが紹介していただいたURLの判例のない用意をみても「これを超える金額が違法な支出」と言っています。もし、ぽんぽん山用地買収そのものが『不当支出』であるならば、買収額全額が不当支出であるはずですので裁判所は全額返還を命令するはずだと思ったのですが。 o24hitさんへの回答には詳しく記入しなかったのですが、やはり私の解釈に誤りがありますでしょうか。