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夏目漱石 「こころ」

最近、夏目漱石の「こころ」を読んでみました。 そこで思ったことは、静についてです。本文には静のことはあまり書かれていませんが、静は「こころ」においてとても重要な人物に思えました。 で、疑問に思ったところがあります。 ・静はKが自殺した理由を知っていたのか。 ・静は先生とKのどちらのほうが好きだったのか。 ・静は先生が自殺した後どうなったのか。 以上3点がよく分かりません。

みんなの回答

  • dollar
  • ベストアンサー率33% (63/190)
回答No.2

いいところに気がつきましたね。 静はものすごく重要な人物なのに、その心情の動きについてほとんど描写がありません。これは専門家の間でもよく議論されているところで、論文のネタにもなってます。 明治時代は女性が社会にほとんど進出できない世の中ですから、女性の心情というものをメインに考えてる人は少なかったんです。 (もちろん今明治時代の小説を読むと、女性の主体性がちゃんと描かれてる小説が多いと感じるでしょうが、それは特異な小説家だけが現代にその名を残したからです) だから「こころ」で女性が人間として描かれていないのは、漱石が近代人でありながら近世の女性観をひきずっていたからではないか、なんていう意見もあります。 「こころ」があの中途半端なところで終わらなければならなかったのは、その女性観に関する弱点が原因だったとの見方があります。 漱石はその辺の弱点を自分でも踏まえ、新作「明暗」でその点を克服するべく稿を立ち上げたのですが、残念ながら完成を見ることなく亡くなりました。

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  • sosdada
  • ベストアンサー率33% (265/792)
回答No.1

静はKが自殺した理由を知っていたのか。 知りません。それどころかkの自殺の動機は読者にすらさまざまな解釈が可能な展開です。21世紀の平成の人間にはなかなかkの真意にまで迫れませんが、ちなみにkの言う「覚悟」とは、当初は、「全てを捨てて奥さんの家を出て放浪して野垂れ死に」が妥当なところでしょう。 静は先生とKのどちらのほうが好きだったのか。 先生でしょう。奥さんの言葉からもそれは分かります。カルタとりの場面やばったり二人に出会った場面ではkと静が親密なように思えますが、明治娘の静がそこまで男女交際を積極的にしません。第一、先生がkと仲良くしてくれと頼んでいるので。この辺の場面はあまり現代的な解釈をしないほうがよろしいかと。 ・静は先生が自殺した後どうなったのか。 不明。ミステリー小説ともいわれるゆえんです。奥さんもいないし、まだ若い明治女性(とはいっても当時としてはそこそこの年増、でも出産経験なし)が どうなったか。多くは親戚の計らいで再婚。ただ乃木の殉死と重ねてるので、静が後追い自殺の可能性も(元武士の家だし)・・・。

matsui007
質問者

お礼

ありがとうございました。 とても参考になりました。

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