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血管新生因子の遺伝子発現
- ヒトの臨床手術標本の凍結サンプルを使って血管新生因子の発現を調査する方法について質問です。
- 臨床手術標本は血流が途絶えているため、血管新生因子の遺伝子発現が高めに出ている可能性がありますか?
- 一般的には臨床サンプルではなく、生検材料を使用して血管新生因子の発現を調査することが一般的です。
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一般には、臨床の凍結サンプルを用いて多数のサンプルの遺伝子発現を調べているという論文は多いですね。 しかし虚血状態ですとたしかに、遺伝子発現が動きやすいように思います。 mRNAのターンオーバーはとくに早いので注意が必要ですね。むしろタンパクレベルでの変化のほうが安定に見れるかも知れません。(もちろんタンパクについても分解による制御もありますが、mRNAよりは遅い反応と言う気がします) 最近、cDNA arrayの結果をタンパク発現と比較した報告がかなりありますが、あまり一致しないようです。 実際に生体の機能に重要なのはタンパクレベルでの発現ですから、従って、その意味でも、タンパク発現をELISAないしウエスタンで定量するのがbetterと思います。 VEGFについては腫瘍での発現をみている論文が多数ありますので、そういった方法を参考にされるといいと思います。 Straume O, Akslen LA. Expresson of vascular endothelial growth factor, its receptors (FLT-1, KDR) and TSP-1 related to microvessel density and patient outcome in vertical growth phase melanomas. Am J Pathol. 2001 Jul;159(1):223-35. Slaton JW, Inoue K, Perrotte P, El-Naggar AK, Swanson DA, Fidler IJ, Dinney CP. Expression levels of genes that regulate metastasis and angiogenesis correlate with advanced pathological stage of renal cell carcinoma. Am J Pathol. 2001 Feb;158(2):735-43.
お礼
VEGF等の発現をリアルタイムPCRなどでみた論文をいくつか見て、本当に真実なのかとても不思議に思っておりました。 丁寧でわかりやすいお返事、アドバイスありがとうございました。