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遺伝子の発現について
体の様々な場所により発現する遺伝子が違うのは、どのような仕組みなのでしょうか?細胞には全ての遺伝情報が入っているのに発現が部位によって異なる事の説明をしていただけるとありがたいです。
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遺伝子DNAが発現しタンパク質ができあがるまでには RNAを介していることはご存知ですよね。 DNAとRNAの違いといったら2重螺旋構造と1本の違いと 考えられるかもしれませんが、もうひとつおおきな違いがあります。 長さに大きな差があります。 RNAというのはそこで発現するタンパクの鋳型となる部分ですから DNA全体から転写されてできるわけではないのです。 この転写はDNA上にあるプロモーター領域というもので制御されています。 これはたくさんあるタンパクそれぞれの鋳型となるDNA領域の前にあります。 そしてこのプロモーター領域に特異的な(対応する)転写因子があれば 転写がおこり、発現が起こるのですが ない場合にはその領域のタンパク質はできません。 特異的(対応する)いうのはこういうことです。 パズルで凸の部分は同じ形をした凹みをもった部分にしかはまりませんよね。 プロモーター領域と転写因子もこれと同じなのです。 それでこの転写因子というのは体のそれぞれの場所で 違うものがあり、この転写因子によって発現する遺伝子が異なってくるのです。 おわかりになられたでしょうか?
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- sonorin
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私は中途半端にしか分子生物学に足を入れていないので、詳細は知りませんが、確かにcourregesさんの言うとおり、ご質問にある根本的な謎については、はっきり言ってほとんど解明されていません。蛋白の発現が部位によって異なるという最終段階の部分は確かにmRNAに依りますが) ですが、よく昔生物を中学生の頃に勉強していて、どうして胚が細胞分裂を繰り返していって、ここは手、ここは足、ここは頭…という風に分化していくのか凄く不思議に思ったものでした。 近年このことについて重大な発見がありました。それが「ホメオボックス遺伝子」です。 これは私にとってはとてもカルチャーショックでした。 以下に挙げるURLはより専門的に触れられているものですが、 http://www.jst.go.jp/jst/erato/erato-project-j/ys/ys06.html もっと簡単に紹介しているURLも参考に挙げておきます。 こういった分子生物学は非常に奥深く、進化と直接結びついていて、非常に神秘に包まれていますね。もっともっと多くの謎が解けて、それがみんなの生活に有効に活用されることを祈るばかりです。
お礼
URL先に行かせていただきました、これを機に生物学のHPを定期的にのぞいてみたいと思います、今の私ではまだ全て理解する事は難しいですが、神秘の末端にしろ垣間見れるのは興味深いです、お答え有り難う御座いました。
- courreges
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twelveさんの質問は世界中の分子生物学者も疑問に感じていることです.そしていまこの瞬間にもその仕組み(遺伝子発現の組織特異性)について研究が進められています. kexeさんの書かれているように,遺伝子の発現は遺伝子上流(あるいは下流)に存在するプロモーター領域とそこに結合する転写因子と呼ばれる1群のタンパクによって調節されることは明らかになっています.これら因子はDNAの塩基配列を認識するため結合できるプロモーター領域とできない領域が存在するため特異性が生まれます.ですから,ある組織である転写因子が発現していなければ,この因子によって正の調節を受ける遺伝子も発現しません.逆に負の調節をする因子が発現していれば,遺伝子は発現が抑制されることになります. しかし,実はこの転写因子もまた遺伝子産物であり,その発現調節には別の転写因子が関わっています.ある転写因子,ある遺伝子をこの組織では発現するあるいはしないことをどの段階でどの情報をもとにして判断し調節しているのか.これについてはまだ不明なのです.どうです?twelveさんもこちらの世界に入ってみますか?
お礼
つまりこの分野はまだ開拓中の分野であると云うことですね、詳しい仕組みが発見される・・・面白そうですね、恥ずかしながら私も生物学科の人間なので先の進路にこの分野も視野に入れて見ようと思います。
お礼
ありがとうございます、大分前に授業の小話で触れられた事があり、そのときはさわり程度だったので、気になってましたこれですっきりしました。