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塩化カルシウムについて
塩化カルシウムは 融解熱を発する為に融雪材として 凍結道路にまかれますが 一方 寒剤としても 6水和物を氷に混ぜると -50℃ほどになるともあります。一見 矛盾しているようにも 思えますが これは 一体どういうことなのでしょうか。氷に塩化カルシウムの粉をまくと 最初、融解熱により温度が上がりその先 今度は 寒剤として威力を発揮して -50℃になるのでしょうか。そんなバカな事は ないと 思いますが、どうなっているのでしょう。
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> 除湿材の下に溜まった 水状の物は 一体何なんでしょうか 塩化カルシウム水溶液でしょう. > いったん結晶して 改めて 溶解熱を 奪いながら 溶けていくというプロセスなんでしょうか。 そうじゃありません. 温度が下がるのは氷の融解熱のためです. 0℃の氷と0℃の塩化カルシウム水溶液が接しているとします. 水に溶けた塩化カルシウムはイオン化して Ca イオンと Cl イオンになっています. イオンは水溶液中をほぼ自由に行動できますから, 行動範囲が広いほどエントロピーを得します. 塩水にそっと真水を入れるとそのうち拡散して一様な塩水になるのもこの例です. 水にインクを垂らすともっとよくわかります. このエントロピー効果で氷が一部溶けて水になり, 水溶液が薄まって実際イオンのエントロピーを得します. 氷の融解熱の分だけ,氷+塩化カルシウム水溶液の温度が下がって0℃以下になりますが, 塩化カルシウム溶液はまだ氷りません. で,また氷が溶けて溶液が薄まり,その分全体の温度が下がります. これが,塩化カルシウムの水溶液の氷るところまで続きます. 上の話は,溶質を理想気体のように考えています(希薄溶液近似). 飽和溶液に近いとイオン間相互作用などありまして事情はもっと複雑でしょうが, 定性的には上のようなことと思います.
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- siegmund
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siegmund です. 氷が溶けると水が増え,塩化カルシウムの溶液が薄まります. この過程全体が吸熱過程なら温度は下がって行き, 理想的には氷と塩化カルシウムの共融点(-55℃くらい)まで下がります. 水溶液になっちゃったら全部同じです. 水溶液から結晶が析出するときの条件でどのような水和物ができるかが決まります.
補足
度々 ありがとうございます。除湿材の下に溜まった 水状の物は 一体何なんでしょうか。塩化カルシウムの 6水和物そのものなんでしょうか。しかし これは 結晶ですよね。と言う事は この水溶液の中では飽和しているという事だと思いますが。氷の中に 入れると いったん結晶して 改めて 溶解熱を 奪いながら 溶けていくというプロセスなんでしょうか。しかし そんな事で -50℃以下になるとは ちょっと 考えにくいです。学生の頃は こんな事には 何の疑問も持ちませんでしたが 最近この手の 疑問がやたら気になってしょうがありません。
- siegmund
- ベストアンサー率64% (701/1090)
物理屋の siegmund です. anisol さん,ご注意ありがとうございました. CaCl2 の6水和物は実験室で手軽に温度を下げるのに用いられるので, 6水和物しか頭にありませんでした. そうですか,6水和物が吸熱溶解で,2水和物は発熱溶解ですか. 私の知識が足りませんでした. とすると,2水和物の溶解で発熱して温度が上がる効果と, 塩化カルシウム溶液の凝固点が下がることとの両方の効果が 融雪に効いているんですかね. > 吸熱量、最低温度の計算の仕方はどうしたらよいのか私も知りたいので 関連ある測定量がコンシステントであるかどうかのチェックは なにか熱力学的関係式でできると思いますが, もっとミクロな立場から物性値を計算するのは至難の業と思います.
補足
皆さん 色々 ありがとうございます。ちょっと混乱気味ですが 同じ 結晶でも 全く 反応が違うんですね。どこかのHP に 加熱温度により 2水和物 6水和物 作り分けると書いてありましたが、カルシウムも 奥が深いですね。新たな 疑問ですが 先日 TV で 寒剤には 除湿して溜まった水を使用すると言っていましたが これは もはや 塩化カルシウム水溶液になってしまっていますが これを氷に混ぜても 温度が下がると言ってました。この原理は 溶解熱を奪うでは 無さそうですね。水に強引に溶かすのと 潮解しながら 溶けていくのとでは 同じ水溶液でも 塩化カルシウムの状態が違うのでしょうか?水溶液ですから イオンになっていると思うのは 浅知恵かな。
- anisol
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再び失礼します。 塩化カルシウム2水和物が発熱して溶解することは、市販の塩化カルシウムを使った除湿剤の中身を水に入れてみればわかりますが、一応成書の記述を引用しておきます。 「…無水の塩化カルシウムが水に溶ける際には、多量(17.41kcal/モル)の熱が発せられるが、それは溶解したイオンまたは分子の水加によるものと思われる。」 「…この六水加物は、無水物と違って、水に溶ける際に熱を吸収するから、(4.31kcal/モル)、寒剤として利用することができる。」 (千谷利三「新版 無機化学」、産業図書、昭和54年) その他の点はkumanoyuさんの融点降下作用での説明、またさらに詳しいsiegmundさんの説明で正しいと思いますが、例えば無水物を氷と混合したとき吸熱するかどうか(すると思いますが)、また吸熱量、最低温度の計算の仕方はどうしたらよいのか私も知りたいので、siegmundさん、または他の方でもご教授願えませんか。 また過去の質問でNo.166300「凍結剤」のうち、No.4 kasuteraさんの回答が参考になります。塩をまいたために雪が凍ることもあるんですね。
- anisol
- ベストアンサー率48% (146/301)
塩化カルシウムの何水和物かどうかが重要です。6水和物の場合はsiegmundさんの書かれているように水への溶解は吸熱だと思いますが、工業的に使われる塩化カルシウムは2水和物が主で、この場合は水に発熱して溶けます。寒剤の説明でもこの点を明確にしていない場合があるので困るのですが。融雪剤についてはよく知らないのですが、取り急ぎアドバイスさせていただきます。
- siegmund
- ベストアンサー率64% (701/1090)
塩化カルシウムの水への溶解は吸熱です. で,氷が融ける(吸熱)とできる水に塩化カルシウムが溶けて(吸熱)温度が下がり, というくりかえしで, 理想的には混合物の温度は氷と塩化カルシウムの共融点(-55℃くらい) まで下がって不変になります. ただし,これは断熱をしている場合です. 例えば,実験室でデュワー瓶(魔法瓶の類)でやっている場合など. 積もっている雪に塩化カルシウムを撒く場合は断熱ではなくて, ほぼ温度固定条件です. 大気温や地温などでほぼ決まりますから. したがって,-5℃くらいで塩化カルシウムを撒けば, 水+塩化カルシウムの混合物の共融点より温度が高いわけで, 当然液体になります. ということは,冬の南極では塩化カルシウムを撒いても効かないか. 要約すれば,断熱か等温かの違いです.
お礼
ありがとうございます。 http://www5d.biglobe.ne.jp/~kagaku/yakuhinko/CaCl2.htm とか http://www.kaisei-k.co.jp/cacl.html に書かれている事は 誤りという事でしょうか。しかし あまりにも 堂々と書かれているので つい 信じてしまいました。
補足
探すと ほんとに発熱すると書かれている所ばかりなのですが 何かそういった出典でもあるのでしょうかね。私も 全くそのように信じてました。中には アイスキャンデーの作り方で 粒状の塩化カルシウムは 発熱するので 溶かした物を使うと書かれてます。
- kumanoyu
- ベストアンサー率41% (156/380)
塩化カルシウムが融雪剤として使われる理由は、融点降下作用を利用したものではないでしょうか? 寒剤としての効果は、塩と氷が接触した時に氷が融解し、このときの氷の融解と、塩の溶解が吸熱であるため温度が下がることによります。 ちなみに融解はそのもの自体が熱等で溶けることを、溶解はそのものが溶媒に溶けることを言いますので、塩化カルシウムが融解するためには何百度という高温が必要です。 塩化カルシウムの溶解は吸熱ですので、氷に撒いても熱は発しません。
お礼
ありがとうございます。 融と溶が ごっちゃになっていました。いろんなところに発熱すると書いてありますが あれは 誤りですかね。
お礼
何度も 解説 ありがとうございます。 何となく わかったように 思います。要は 凝固点降下が 絡んでいるのですね。また 疑問出ましたら よろしく お願いします。