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波って何?
音、光、電波、これって皆、波ですよね!でも、これってただ周波数が違うだけなの?それから、たとえば水面の波は目に見えるから分かるけど、真空中を光や、電波が伝わるのってどういうことなんだろう? 何によって伝搬されているのかな?これって変ですか?磁力線、引力なんていうのも、よく解らないんだけれど、皆様ご教示下さい。 かめら
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atsuotaさんが本質的な御話をされているので、蛇足的に現象論的な話をします; 波は仰るように、媒質の振動が連続的に起こることです。 ・【水面の波】は、観客席のウェーブと同じで、水が上下に振動(回転)することです。 ・【音】は疎密波で、空気中であれば、ある位置の空気を構成している分子が疎と密を繰り返します。「疎→密→疎」にかかる時間の逆数が周波数です。 これらは水分子や気体分子の力学的な運動で理解出来るので、【力学的波動】と呼ばれます。 波動の面白い所は、媒質が同じ場所で振動しているだけで、物質的な伝播は無いと云うことでしょう。観客席のウェーブの場合に、人間が移動していないことを考えれば当然ですが、面白く感じます。 しかし、光(=電磁波の可視領域)、重力波などの場合には、干渉、回折などの波的な性質は持っていますが、媒質がありません。 昔は、光も力学的波動として説明がつくものとして、媒質探しが行われました。19世紀末のことです。ここで仮定された媒質は古代ギリシアの究極物質の名をとって、【エーテル】と名付けられました。 で、光の媒質としてのエーテルを実証する実験によって、逆にエーテルが存在しないことが実証されて(マイケルソン-モーレーの実験;19世紀末)、【アインシュタインの特殊相対論】(20世紀初頭)が登場するわけです。 ・結果的には、光は【マックスウェルの電磁気学】(19世紀末)に従う電磁波です。 電磁波は、電場と磁場が交互に振動している現象です。電場の変化が磁場を生み出し、磁場の変化が電場を生むと云う具合に電場と磁場が交互に振動している現象が空間を伝わる波と解釈できます。 ・光はまた、粒子的な性質も持っています。この粒子的な性質に注目すると、光は【光子(フォトン)】と呼ばれます。 このように、粒子的性質と波動的性質を兼ね備えたものを【量子】と呼びます。昔は波粒(wavicle = wave + particle)と呼んだりもしました。 力学的波動も粒子として捉えることが可能で、これを【量子化する】と言います。例えば音波は量子化すると【フォノン(音量子)】と呼ばれます。 ・重力の場合は、時空間の歪みが伝播することと捉えて、重力場の振動と考えることが出来ます。 まとめると、 力学的波動以外の波は場の振動だと考えることが出来ます。また、力学的波動も含めて、波動は全て量子化することで粒子的に考えなければならない場合もあります。 この辺りの話は、古典物理学から現代物理学への橋渡しとして非常に重要な地位を占めます。歴史的にも、ニュートン力学の成立と並んで、最も面白い話の一つですから、沢山本も出ています。 御参考までに; ・「量子力学と私」朝永振一郎 岩波書店 ・「物理学とは何だろうか」(上下)朝永振一郎 岩波新書 ・「物理学はいかにして創られてか」(上下)アインシュタイン、インフェルト 岩波新書
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- ryumu
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私も蛇足的なお話をします。 まず、音に関してはPAMdさんのいうように、音も量子化できます。スピンは1となります。 電磁波については、空間の揺らぎの局所的な励起が伝搬されるという解釈もあります。実は物質の運動も同様に説明されます。 また、引力ですがこれは物体間、あるいは粒子間でのさらに小さい粒子のやりとりでも説明されます。分子では、電子のやりとり。原子核の核子間では、中間子(湯川粒子)。重力は重力子。クーロン力は、光子。という具合です。これはどうも、水素分子イオン(H2プラス;電子一個だけ)からの類推で考えられたのではないでしょうか。 水素分子イオンでは、水素原子の電子がとなりの裸の陽子へと移る確率が高ければ高いほど、結合が強くなる(二つの陽子がある程度近づくほうが安定になる)ことがシュレディンガー方程式から簡単な近似で、もとめられます。これから同様に、物体間の結合では何かを媒介していると考えられるようになったのではないでしょうかね。
お礼
いつも身勝手な私の「はてな?」に対しまして、専門的な見地より、的確なご回答いただきましてありがとうございます。心よりお礼申し上げます。 「興味は尽きない!」という言葉がありますが、いくつになっても、「なぜだろう」という興味を持ち、「ほんとかな?」という疑問をいだき続けることが大事ではないかと思っております。生活に流されて、次第に時に身を任せる事に慣れてしまっています。ドキドキと胸を時めかせ、ワクワクとして見つめた少年の眼差しを忘れたくは無いと思っています。 今後とも、ご指導よろしくお願いします。 かめら
- atsuota
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まず音、光、電波の違いから。 音:空気の振動の波。進行方向に波打って伝わる「縦波」。振動が耳の鼓膜に伝わると、鼓膜が振動し、それが「音」として認識されます。 光:電磁気の波。進行方向と直角の方向に波打って伝わる「横波」。横波のイメージは水面の波と同じです。電磁気の波が目に伝わると、「ある周波数の場合は」光として認識されます。(可視光といいます。)ミクロの目で見ると(量子力学的な振る舞いを観測できる状況では、という意味です)「光子」という粒子が飛んでいるように見えます。 電波:電磁気の波のうち、その周波数が3,000GHz以下のものをいいます。 kameraさんの持たれている水面の波のイメージはどのようなものでしょうか。水面の波は、波がない状態の水面に対して、「水が集まっている部分(波のでっぱりの部分)」や「水が欠けている部分(波のへこみの部分)」がある方向に移動していくもので、これを「水分子が波を伝播している」と捉えるわけですよね。 電磁波の場合は、電磁気的な性質(プラスとマイナス、NとS)が「プラスが集まっている部分」と「マイナスが集まっている部分」、「Nが集まっている部分」と「Sが集まっている部分」が、それぞれ交互にある方向(制限がなければ全方位に)に移動していくわけです。ですから、何が電磁波を伝播しているか、というと「真空のプラスマイナスの性質、NSの性質」つまりは真空そのものが伝播しているということになるわけです。 どうしてもわかりにくければ、真空を「光子」という素粒子が飛んで行く、というイメージでも間違いではないので、そのほうが分かりやすいかと思います。 磁力線:磁気の方向(方位磁石がNを指す方向)をつないで書いた線。磁気の強さを表すのにも使うため、「磁気が強い場合は線をたくさん書き、弱い場合はちょっとだけ書きましょう」という国際ルールが採用されています。 引力:ものを引っ張る力。有名なのは、「物は全てその質量に応じて引力をもち、他の物を引っ張る性質がある。」という万有引力の法則があります。電磁気でも、電気の「プラス」と「マイナス」、磁気の「N」と「S」は互いに引き合う性質があります。 こんなところでいかがでしょうか。
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