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ブリュアンゾーンの物理的な意味

 ブリュアンゾーンは、逆格子空間のウィグナーサイツセルとして定義されますが、物理的にはどんな意味があるのでしょうか。いまいち具体的なイメージがわきません。キッテルを使って勉強しているのですが、回りくどくてよくわかりません。  さらに、フォノンの波数ベクトルが-π<Ka<-πに限定されると、なぜそこがブリュアンゾーンに対応しているのでしょうか。  数式はキッテルに載っているので、できるだけ物理的な意味やイメージをお教えいただければと思います。よろしくお願いします。

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  • Dring
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回答No.2

○ブリユアンゾーンがなぜ波数なのか? ⇒ #1で述べた通り、そもそも逆格子空間とは、波数空間なのです。ですから、その一部であるブリユアンゾーンも当然波数ですよね。 ○なぜウィグナーサイツセルがブリルアンゾーンになるのか? ⇒ 例えば、いきなり三次元で考えると難しいので、二次元(x-y平面)の正方格子で考えます。基本格子ベクトルa1,a2から実際に基本逆格子ベクトルb1,b2を計算してみてください。y軸方向のベクトルと、x軸方向のベクトルになったと思います。 基本逆格子ベクトルb1とb2を線形結合をとることにより、一般の逆格子ベクトルGが得られますが、ゼロベクトルを別とすれば、逆格子ベクトルGの中で大きさが最も小さいのは、b1,b2含めて全部で4つですよね。この4つのベクトルを原点から書いてみて下さい。 で、結論から言いますと、これらのベクトルの垂直二等分線で囲まれた領域(四角形)がブリユアンゾーンとなるわけですが、それは何故かを考えます。 いま、 (1)このような四角形を逆格子ベクトルだけ移動させて張り合わせていくと、全平面を埋め尽くすことができますよね。また、 (2)四角形の内側の点から逆格子ベクトルだけ離れた点はすべて四角形の外側にあることになります。(つまり、ブロッホ波の波数kの周期的な任意性による重複がこの四角形の中にないってこと。) ブロッホ波の波数kの任意性の周期は基本逆格子ベクトルですから・・・・もうこの四角形の内部の点だけを考慮すればいいことになりますよね!だから、こうやって定義された四角形はブリユアンゾーンとなるわけです。 この考え方が他の構造にも適用できます。

ottyo-ottyo
質問者

お礼

回答ありがとうございました。繰り返しが結晶ではポイントになっているのですね。いままでなかなか物性に親しむことができませんでしたが、これからは何とかなりそうです。

その他の回答 (2)

  • wata717
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回答No.3

まず最も大切かつ重要なことは逆格子をよく理解することです.逆格子は抽象的概念のように見えますが,回折実験を含めて多くの物理現象の理解には不可欠な具体的概念です.そうすれば物理的意味は明瞭になります.数学的に説明することは簡単です.フォノンに限らず結晶に存在するどんな波でも,その波数ベクトルは指数関数の肩に虚数を伴って存在しますから,波数ベクトルKに2πの整数倍加えてより大きくしても指数関数の性質から関数値は変化しませんから意味を有しません.物理的には波の波長が結晶格子定数aの2倍以下の小さな波長の波は,それより大きな波長の波で記述可能であるという点にあります.逆格子を使えば+-1/(2a)以下の小さな波数ベクトルに,Kaを用いて位相角を使えば+-π以下ということになります.

ottyo-ottyo
質問者

お礼

指数関数の周期性から繰り返しについて説明いただきありがとうございました。

  • Dring
  • ベストアンサー率100% (3/3)
回答No.1

逆格子空間の物理的意味をイメージで考えるため、ブロッホ波を考えます。 周期ポテンシャル中の電子の波や、周期的な屈折率分布をもつ媒質中の電磁波などは、ブロッホ状態となりますよね。その波数kは一般に、ある周期的な任意性を持っています(ただし、ブロッホ状態の波数kの逆数の2π倍が、波長λとはならないことに注意)。その「"周期"を格子として考えよう」というのが逆格子ですよね。よって、波数kは逆格子の格子定数の整数倍の任意性を持つ、と話を持ってくることができますね。ならば、ブロッホ波動のある特性を計るとき、全ての波数を計算しなくても、任意の波数kは、ある一つの逆格子の単位格子の中に、逆格子の格子定数の整数倍引く事によって全て還元できます。この原点を中心とした、逆格子の単位格子をブリユアンゾーンといいます。例を考えたほうが、わかりやすいかもしれません。 例:逆格子の格子定数を1として、0,1,2,...,10の座標のような逆格子を考えます。ある、5.8という波数(規格化して単位を省略します)は、3.8でも、9.8でも同じですので、当然、0.8にも還元してくることができます。ならば、0~1の範囲をブリユアンゾーンと考えれば、便利ですよね(本来は原点を中心としますが、イメージを掴みやすく考えました・・・)。 実空間の格子が直角で定義(もしくは一次元)されていればその格子定数をaとして、逆格子の格子定数は2π/aとなります。 ここで、格子振動を考えた時の波数の周期性は、計算すると2π/aとなることがわかり、これは逆格子の格子定数に他ならず、ゆえ、-π/a~π/aをブリユアンゾーンとしているのではないでしょうか。 注:逆格子ベクトルの大きさを、簡単に、"逆格子の単位格子の大きさ"と表現しました。 注:イメージであり、また、俺は物理学科でないので、厳密性を欠いてるかもしれません・・・。

ottyo-ottyo
質問者

お礼

懇切丁寧な回答ありがとうございます。だいたいのイメージがつかめました。 ついでにもう少し教えていただけますか。 ブリルアンゾーンは逆格子空間のウィグナーサイツセルという、ある種幾何学的なものですが、それがなぜ波数とつながるのかがいまいちわかりません。また、なぜウィグナーサイツセルがブリルアンゾーンになるのでしょうか。