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μ=0として良い粒子はどういうものでしょうか?
統計力学で、グランドカノニカルを考える際に、 どういう粒子をμ=0として良いか、「きまり」がありますでしょうか。 教科書的には、「質量ゼロで、自由に消えたり出たりする粒子」 (⇒フォトン)、と書いてあるものが多いのですが、 最近は、マグノンも、ボースアインシュタイン凝縮するそうですし、 わけがわからなくなってきました。 (ボース凝縮するマグノンは、磁場でμが決まるそうなので例外的なの でしょうか、、)。
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> -MHの項という ことでしょうか。 > -MHの項を、μNと焼きなおしたということなのですね。 まさにその通りです. > マグノン以外のフォトンやフォノン > にも、何か、強制的にというか人為的に、化学ポテンシャル > のようなものを導入することは可能でしょうか? フォノンはちょっと思いつきません. というか,簡単に制御できる量はないような気がします. フォトンは,最近光を凝縮させるというような話があり, 聞いた覚えがあるのですが,よく覚えていません(情けね~). ボーズ凝縮を起こしているという点からするならば, 普通の光でなくてレーザーの方でしょう. 波動描像の位相と粒子描像の粒子数は互いに共役な関係ですので, 通常は両者が同時に確定値を取ることはないのですが, ボーズ凝縮すると両者が(ほぼ)確定値を取ります. また,構造相転移がフォノンの凝縮と言うのは, ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ の構造で,フォノンがあると(スナップショットで) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ のような状態が生じ得ますが, このフォノンが位相をそろえてマクロな数発生すると 上の2番目の状態が固定されて構造相転移になります. この場合は外から外場でコントロールしたのではなくて, 系自身がもつ不安定さが発現したものです. つまり,ちょっとしたゆらぎがどんどん拡大されて 2番目のような状態になるわけです.
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- siegmund
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μは粒子数 N を指定する条件に対するラグランジュ未定係数に 他なりません. したがって,μ=0 としてよいのは N に対する制限がないときです. そういうわけで,フォトン,フォノン,マグノン,などに対しては μ=0 です. マグノンのボーズ凝縮の件ですが, 反強磁性体では磁場をかけなければ磁化はゼロ. で,マグノンの数が磁化に対応します. すなわち, 磁場をかけて磁化が出ればそれがマグノンの数が有限になっていることに対応します. 磁場はμの役割,磁化Mが粒子数 N の役割です. 無理に(?)μを指定したので,粒子数(=マグノン数)(の平均値)も指定されます. あとは,マグノンが運動量空間(あるいはエネルギー空間)で どういうふうに分布しているかが問題で, ボーズ凝縮しているときとそうでないときはその物質の磁気的性質に違いが出ます. 適当な検索エンジンで,マグノン+ボーズ凝縮,とやると 解説がヒットします. また,日本物理学会誌2001年2月号にも解説があります.
お礼
ありがとうございます。 ひらたく(私にもわかるように)言うと、-MHの項という ことでしょうか。-MHの項を、μNと焼きなおしたということ なのですね。納得できそうです。 そこでなんですが、マグノン以外のフォトンやフォノン にも、何か、強制的にというか人為的に、化学ポテンシャル のようなものを導入することは可能でしょうか? 例えば、フォトンやフォノンと結合しそうなものとして、 誘電率や圧力、あるいは他の何か新しいパラメタで、 μを制御できる可能性があると考えてよいのでしょうか? もし、そういうパラメタが存在すれば、フォトンやフォノンを 凝縮させることも原理的に可能なのでしょうか? (フォトンやフォノンの凝縮については、昔、「普通の電磁波 は、フォトンが凝縮した状態である」とか、「構造相転移は フォノンが凝縮した状態である」とかいう解説を見たことが あるのですが、それが単なるたとえ(特に前者)なのか、厳密に そう考えて良いのか、マグノンの話と絡まって、未だにこんがら がっております。)
お礼
いつも助けていただき、本当にありがとうございます。 >>>フォノンはちょっと思いつきません 大家がこう言われるからには、何か可能性があるかもしれんぞ、 と、心に決め、オンの付く者に目をくばり続けて行くことに します。 一つわかると、また一つ疑問が出てくるものですね。 >>ボーズ凝縮すると両者が(ほぼ)確定値を取ります. ボース凝縮とはそういうものでしたか。 >>外から外場でコントロールしたのではなくて, >>系自身がもつ不安定さが発現したものです. μの入れ方には二通りあるわけですね。 そういうばトーマスフェルミの近似でも、静電場と μを平気で足していますね。 大変勉強になりました。今後ともよろしくお願いいたします。