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憚るの二義性
憚るという言葉には 1.差し控える 2.大きな顔をする の正反対の意味があるようですが、どうしてなのでしょうか。 いつかの時代に反語的な使い方をするうちにそれが定着したのかと想像していますが、実のところどうなのでしょうか。 憎まれっ子世に憚るは1としても意味が通ってしまう気がします。
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1.手元の漢和辞典(新字源)によると「憚る」は心(りっしんべん)と「難しがる」の意味を持つつくりから成り、困難をおそれさける意味を表わす、とされています。したがって、もともとの意味は「差し控える」であると思います。 2.「大きな顔をする」の意味で使われるのは「憎まれっ子世に憚る」の場合ですが、それ以外で2の用法が使われるのは極めて稀です(広辞苑等複数の国語辞典の用例を調べましたが、すべて「憎まれっ子・・・」が引用されています。因みに「新字源」には2の用例は掲載されていません)。 3「憎まれっ子・・・」はいわゆるいろはがるたの成句です。ここからは推測なのですが、1の用法で「憚りながら・・・」といいながら横車を押す町のごろつきを見て当時の江戸っ子達が「憚る」=「罷り通る」「大きな顔をする」と誤解し、それが成句として定着したのではないか、と思います(なお、gooの辞書には「幅」を活用させた語、あるいは「はびこる」からの転用ではないか、と紹介されています)。 以上、ご参考になれば幸いです。
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- mans_sato
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このページによれば、「はばかる」=「憚る」ではないということです。 「憚」の字は、心と音符「タン・單」からななり、困難をおそれさける意味を持っています。そのため、この字には、2の大きな顔をする という意味はありません。 辞書類にはこのことわざを考慮して「憚る」に(結果として)二犠牲を持たせていると思われます。
お礼
ご回答ありがとうございます。辞書の情報は限られているということですね。
お礼
江戸っ子の話面白いです。推測とはいえあり得ない事ではなさそうな気がします。誤用からの転用、はびこるからの転用いずれにせよ、「憎まれっ子・・・」以外使われていないのをみると市民権を得ているとはいいがたい言葉ですね。 ご回答ありがとうございました。