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暖かい空気は本当に「軽い」のか?
暖かい空気はなぜ上に昇るのでしょうか? 初心者向け解説書などでは 「暖かい空気は、冷たい空気より軽いため」などと説明されています。 確かに、暖かい空気=空気分子の平均的な運動エネルギーが冷たい空気より大きい=空気の分子同士がはじきあう(?)力が大きいため、空気を押し縮める力(主に重力)に対して、押し広げようとする力が大きくなる=空気の密度が小さくなる=冷たい空気よりも体積あたりの重さ(=比重)が小さくなる=「軽い」という見方もできるかもしれません。 しかし、空気の分子は、一つ一つがランダムに動いており、(分子間力の影響は多少受けているとはいえ)熱気球のように強制的に膜などで仕切られ、まとめられているわけではないのですから、 空気を集団として考え、比重をもって「重さ」を論じることに果たして意味があるのでしょうか? あくまで空気の分子一つ一つを見て考えれば、暖かい分子も、冷たい分子も、同じ重さなのではないでしょうか?(ここでは議論を簡単にするために、「空気分子」という単一の重さの分子を想定します) 果たして、「暖かい空気は『軽い』ので上昇する」という説明は、本質的に正しい説明なのでしょうか、それともそれはあくまでも初心者や子どもがわかるための「方便」で、実際にはもっと別な理由があるのでしょうか? 以上、気体の対流について述べましたが、液体の場合も基本的に同じではないかと思います。 ただ、水の対流などを考えると、確かに比重の違いが上昇、下降の運動の変化と一致しているので、重い、軽いという説明に一定の根拠があるのかなとは思っています。 以上、どなたかご教授ください。 できれば高校の物理、化学レベルで説明していただけるとうれしいのですが、もう少し専門的な説明でも頑張って勉強しようと思いますので、よろしくお願いします。
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確かに、空気の分子一つ一つを見て考えれば、暖かい分子も、冷たい分子も、同じ重さです。 空気では、集団としての空気を考え、その比重をもって振舞いを論じます(論じることができます)。 このことを理解するために、次の思考実験するといいです。 ここに、大気中に周りより暖かい空気の塊があるとします。これが対象1です。 その暖かい空気の塊を風船のように何かの膜で囲ってあるとします。これが対象2です。 勿論、膜の材質の重さはないとします。 対象2が、比重をもって振舞いを論じることができるのは分かると思います。 対象1と対象2で、塊の内部の状態は同じです。(少なくとも短時間なら) 異なるのは、囲いのあたり、塊の周辺で外との境辺りです。 違いの具体的なことは、端的には、対象1では暖塊の内部から分子が出て行き、外から別の分子が入って来ることです。 しかし、次のようにも考えられます。 即ち、出て行こうとした分子が外部の分子と衝突して引き返して来た。外部の分子は内部分子に跳ね返されて外部に戻って行った。 そう考えれば、あたかも分子の行き来をさえぎる膜があるのと同じです。 ですから、境あたりでも、対象1は対象2と、分子の互いの運動の影響の仕方などが、同じです。 結局全体として、対象1と対象2は同じ、等価と言えます。
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- housyasei-usagi
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えーと,高校レベルでなく小学生レベルで。 風船をたくさん買ってきましょう。風船ひとつひとつを分子として,質量(小学生レベルなら重量というか重さだが)はみんな同じとします。 一方は同じくらいに膨らませて,もう一方はそのまま。質量は同じ(小学生レベルでね。内部の空気の質量は無視!)だけど,体積は違うので密度も違う。 これらを箱に入れて振る。膨らんだ風船が上にあがり,しぼんだ風船が下に残る。 と,こんなイメージで理解すればどうですか?(もちろん小学生レベルなので理論的抜けはあります。熱が移動して一方の風船がしぼんで,片方の風船が膨らまないという落ち度があります。) でも,あくまでイメージですからね。経験上こういったイメージは大事だと思う反面,イメージはイメージのみの終わることもしばしばあります。当然ながら理論の裏づけは必要です。 私は職業的にいわゆるエンジニアですが,自称カンジ(感じ)ニアですので,こういった回答になってます。 でも,こんなカンジニアも時には大切であると信じています。
お礼
「カンジニア」、いい表現ですねぇ。これから時々使わせてもらうことにしますね。 実は、この質問をする前に、頭の中で分子の動きをあれこれ脳内シミュレーションしてみました。 でもぜんぜんイメージすることができなかったのでここで質問することにしたのです。 ですから、「こんなカンジニア」を示していただけるのは大変ありがたいです。 ただ、 >膨らんだ風船が上にあがり,しぼんだ風船が下に残る。 については、今ひとつ理由が理解できなかったので、追加のご説明がありましたらぜひお願いします(私の脳内シミュレーションでは、どちらもばらばらに混ざり合ってしまうのですが) それと、 >熱が移動して一方の風船がしぼんで,片方の風船が膨らまない という点ですが、実際の空気分子も運動エネルギーを交換し合っているのですから、落ち度どころか非常に良いたとえになっているのではないでしょうか。 ご回答ありがとうございました。
- char2nd
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確かに分子一つ一つの質量は変わりません。 しかし、温度が上がると分子の運動量も大きくなります。というより、分子運動の激しさが温度として現れるのです。 分子運動が活発化すると、分子間距離が開いていきます。これは膨張を意味します。ただし、もとの気体の分子の数は変わりませんが、膨張前と膨張後とでは密度が変わりますから、同一体積では質量が変わります。 つまり、最初にAm3合った空気が暖められて30%増しになったとして、1.3Am3では同じ質量ですが、そこから初めと同じAm3を取り出した場合は質量が軽くなっていることになります。 見方を変えると、気体が膨張すると、まわりの気体を押しのける様になります。周囲が開放された条件(屋外など)では、大気圧の関係で水平方向や下部では広がることが出いませんから、上方に行くことになります。 これは液体の場合も同じです。 >あくまで空気の分子一つ一つを見て考えれば、暖かい分子も、冷たい分子も、同じ重さなのではないでしょうか? 分子自体の持っている「温度」は振動という形でしか現れません。気体の温度は分子の運動による物です。気体そのものの質量という場合は、体積当たりで考える必要があります。
お礼
ご回答ありがとうございました。 今になって、私の質問のタイトルがあまり良くなかったことに気づきました。 「暖かい空気は軽いのか」ではなくて、「軽いから上昇するのか」とするべきでした。 >見方を変えると~以降について、 これはつまり、 対流は空気の重さの違いによって起こるのではなく、気体の膨張によって起こる と考えて良いということでしょうか? (それならば無重力の状態では・・・と一瞬考えましたが、無重力では大気圧は起こりませんね) もし、追加のご回答がありましたら、よろしくお願いします。
- flyaway
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>あくまで空気の分子一つ一つを見て考えれば、暖かい分子も、冷たい分子も、同じ重さなのではないでしょうか? おっしゃるとおりです。 ですが、暖かい空気は冷たい空気よりも密度が低いのです。空気の重さ(比重)は分子の密度で決まります。同じ体積の空気の場合、冷たい空気のほうが暖かい空気よりも分子の数が多いわけです。 もしビンに詰めた空気を、体積を変えずに温めた場合、冷たい空気も暖かい空気も同じ重さ(比重)になります。ですが、暖かい空気のほうが気圧が高くなります。
お礼
早速のご回答、本当にありがとうございます。 暖かい空気は密度が低い=マクロで見た場合、同じ体積あたりの重さが軽くなる。 ここまでは理解できます。 ただ、私の疑問は、 分子一つ一つはばらばらに、ランダムに運動していて、手をつなぎあっているわけではないのに、空気集団全体の重さ(比重)の違いが問題になるのはなぜか というところにあります。 (熱気球の場合は、それを膜によって強制的にひとまとまりにさせているわけですが) もし補足のご説明がありましたら、よろしくお願いします。
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お礼
うむ、まったく明快です。返す言葉もありません。 これなら熱気球に浮力があることを認めれば、暖かい空気のかたまりにも浮力が働くことを認めなければいけませんね。 今の感想を一言で言えば、「まいりました」ということになるでしょうか。 本当にありがとうございました。