まず第一に、普通のよくある、30秒程度で「ピッ」と音がして体温が表示されるタイプのデジタル体温計では、表示可能温度の範囲を超える温度を計測することはできません。これはデジタル体温計が使用している温度センサーの性質によるものなので、どうしようもありません。
ただし、人間が手を入れていられる程度の温度範囲であれば、高温や低温にさらされても故障することはありません。(注:温度センサー部分を水につけてはいけません。)
仮に表示可能温度の範囲だけで実験を行うとしても、まだ問題があります。
普通に体温を計測するとき、30秒程度で「ピッ」音がした時点では、まだ体温計の温度センサーは体温と同じになるまで温まっておらず正確な体温は分かっていません。温度の上昇具合から「多分このくらいの体温と思われます」という予想温度を表示しています。
温度センサーの温度が体温と同じになり、温度センサーからの温度の変化がなくなった状態(平衡温に到達した状態:ガラスの体温計での計測温度と同じ)になるまで、「ピッ」から5分~10分かかります。
ということは、体温の変化を計測しようとして、実際に体温の変化があったとしても、それが計測できるようになるまで(仮に計測できるとしても)数分が必要になってしまうということです。
その数分でお湯の温度も変化するでしょうから、正確に体温を計測するには体温計が冷水・温水によって影響を受けないような工夫が必要でしょう。
また、私が使ったことのあるデジタル体温計はみな5分~10分が経過して平衡温に到達して以降は温度センサーからの温度を表示するようになっていましたが、どのデジタル体温計もみなそうなっているとは限りません。仮に最高温だけを表示するようなデジタル体温計があった場合、実験には全く使用できないことになります。
ここまで説明したデジタル体温計の性質について、どれも問題ないような実験を組み立てられるのであれば、デジタル体温計を使用することも可能かと思います。