- ベストアンサー
「イグアナの娘」のテーマを心理学からみると?
1996年4~6月にテレビ朝日で放送されたドラマ「イグアナの娘」。最初は何気なく見ていましたが、回を追うごとになぜか引き込まれてしまい、結局最終回まで観てしまいました。ストーリー等ご存知ない方は下記サイトをご参照下さい。 http://www.tv-asahi-channel.com/drama/17.html 当時サラリーマンだった私は、会社で上司にいびられまくっていた自分自身を主人公リカの姿に重ね合わせて共感していたんだと思うんですが、このドラマの本当のテーマは、心理学からみると一体何でしょうか? カインコンプレックスとも違うと思いますし(妹は母親に溺愛されていた)、エディプスコンプレックスも関係なさそうですし…。 検索エンジンで探した「イグアナの娘~その記憶と記録」(http://www2s.biglobe.ne.jp/~dang/iguana/)はかなり凝った作りのサイトで、その「辞典」には「アダルトチルドレン」と「醜形恐怖」というのがありましたが、普通の人間にはとても美しい母親と可愛い娘にしか見えないのです。 それとも容姿は美しくても同じ様に内面の醜さ(それを象徴するものとしてイグアナという醜い動物の姿を借りた)を持った母娘の葛藤なのでしょうか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
さまざまなテーマを含んでいるように思いますねえ。 例えば母の歪んだ認知(セルフイメージ)、母と長女(溺愛していた次女ではなく)の共依存、それによる歪んだ認知の世代連鎖、etc.・・。 母(川島なお美)は、明らかに、長女(菅野美穂)に依存(+支配)していたのでしょうねえ。 だからこそ、母は長女に対してあれだけの暴言を吐いたりできるのでしょうねえ。 そして、醜い長女が自分と同じように見えることに恐怖を感じつつも、同士として安心感さえ持っているように思えます。そして、長女が美しく成長していくとともに、その安心感が揺らぎ始め、不安定になっている状況が描かれていたように思います。 もっとも、妹(榎本加奈子)は、途中でそれに気づいたようですが。 ただ、長女(菅野美穂)は、ダーリン(岡田義徳)によって、その歪んだセルフイメージによる束縛を解かれ、ありのままの自分を受け入れることができた、というハッピーエンドだったと記憶しています。 要するに、母親から受け継いだ歪んだ価値観に束縛された女性が、解放され、自分を肯定し、自分を尊重して生きていけるようになる過程、というテーマかな、と思います。
その他の回答 (2)
- kinyakinya
- ベストアンサー率16% (57/356)
ドラマの方はあんまりじっくり見てなかったので、原作から考えられることを……。 性格的に甘えベタで不器用な娘と、甘え上手な妹が年子でいます。 親からすると、一つ違いでも下の子の方が常に手が掛かるので、ついついお姉ちゃんには「しっかり」することを求めるわけです。上の子はますます甘えられません。しかも、イグアナの娘は、非常に優秀なので、親はますます「できて当たり前」と思ってしまいます。上の子は聡明であるが故に、甘えることを自分に禁じてしまいます。そういう親子の気持ちの食い違いが原因なのに、イグアナの娘は母親のひょんな言葉から「自分が醜いから」という言い訳を見つけてしまうわけです。子どもには客観的に自分を評価できないのだから、それは刷り込まれてしまいます。 結婚して親の呪縛から離れても、母の愛を求める気持ちは満たされず、母の死という場面で初めて、自分と同じコンプレックスを持つ母の心を悟る、しかし幼い頃からの気持ちは満たされないまま、おそらく少しずつ自分で埋めていくしかないのだ、というラストなのだと思います。 「アダルトチルドレン」というほど虐待されているわけでもない、どこの家にでもよくある親子の誤解のドラマだと思いますが。 あと、どんなに周りから優秀だ、美人だといわれていても不満足な人はいっぱいいます。気の持ちようで、自分から不幸を引き寄せてるような人って割といますね。長文失礼しました。
お礼
>親子の気持ちの食い違いが原因…母親のひょんな言葉から「自分が醜いから」という言い訳を見つけてしまう 鋭い見方をされている、と、思わず感服致しました。それを言葉で説明するのでなく、ドラマや原作ではイグアナを使って絵的に説明した、というわけですね。 ご回答ありがとうございます。
- che_guevara
- ベストアンサー率17% (44/251)
>イグアナという醜い動物の姿を借りた)を持った母娘の葛藤なのでしょうか? 私も母親(川島なお美)が自分が醜いイグアナだったことを棚に上げ、イグアナと人間(草刈政雄)のハーフ?の娘(菅野美穂)をいじめるので??? でしたが、 家内によると次第に女らしくなっていく娘を「ライバル視」しているのだわ。 わかるわかる。とのことでした。
お礼
>次第に女らしくなっていく娘を「ライバル視」 女性の場合、母親になって娘ができて、その娘が美しくなると敵愾心を燃やす、という女性の深層心理を描いているというわけですね。 ご回答ありがとうございます。
お礼
こんなに深い部分でドラマを捉えていらした方もいらっしゃることを思い、コメントに対して感銘を受けました。 イグアナ=歪んだセルフイメージの象徴というのは大変分かり易いです。また、そうした心理を絵的に巧みに描写した原作者の観察眼にも、今回改めて感心させられました。 ご回答ありがとうございます。