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平衡定数と温度の関係について
参考書を見ると 『正反応が発熱反応である場合には温度が高くなるほど平衡定数Kは小さい値となる』 『正反応が吸熱反応である場合には温度が高くなるほど平衡定数Kは大きい値となる』 と書いてありますがどうしてでしょうか?自分の持っている化学の参考書すべてに目を通したのですが理由が書いてありませんでした。お手数ですが、よろしくお願いします。
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あなたが高校生と仮定して解説します。『 』の2つの法則が大切です。 反応 aA + bB ←→ cC + dD + Qkj が化学平衡にあるときを考えましょう。右向きが発熱反応です。『質量作用の法則(化学平衡の法則)』より、次式がなりたちます。温度が一定なら、Kcは一定です。 濃度平衡定数 Kc=([C]のc乗×[D]のd乗)/([A]a乗×[B]のb乗) 一方、『ルシャトリエの原理)(平衡移動の法則)』より、化学平衡が成り立っているときに、温度を高くした場合、物質に外から熱を加えるわけですから物質は熱を吸収すると考えられます。吸熱反応が起こります。上の反応の右方向は発熱反応ですから、左方向の吸熱反応の方向に平衡が移動します。 そうすると、物資C,Dの濃度[C]、[D]が減少し、物質A,Bの濃度[A]、[B]が増加します。 濃度平衡定数Kcの式で、分子が減少し、分母が増加しますから、Kcは減少します。 同じように、右向きが吸熱反応のときのも、同じように理解できます。
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参考書に書かれていないのは、厳密な説明が難しく、高校のレベルと超えているからでしょう。 厳密に言えば正しいとは言えない説明ですが、一応の説明を試みます。 正反応が発熱反応であることを想定して下さい。吸熱反応というのは、正逆を入れ替えたにすぎませんので。 反応が進むためには、反応の途中にあるエネルギーの高い状態(遷移状態と言います)を超えていかなければなりません。反応系(正反応の始まりの側)と遷移状態のエネルギー差を活性化エネルギーと言い、これが小さいほど反応が進みやすいと考えて下さい。 その一方で、逆反応の活性化エネルギーは、反応の際に発生する熱量(反応熱)の分だけ正反応よりも大きくなります。そのために、吸熱反応では、逆反応の方が遅くなっています。 化学平衡は、正反応と逆反応の速度比で決まります。逆反応と比較して正反応が速いほど、平衡は右(正反応の生成物の側)に偏ります。 一般に、反応の温度が高くなるほど、大きなエネルギーをもつ分子が多くなり、反応の活性化エネルギーの山を越えることのできる分子の割合が多くなってきます。しかも、そのときに活性化エネルギーの違いが反映されにくくなります。つまり、温度が高くなるほど、正反応と逆反応の速度比が1:1に近づくことになります。 結果的に、発熱反応では温度が高くなるほどKは小さくなります。 要するに、本来、発熱反応では、正反応の方が逆反応よりも速いけれども、温度が高くなるほど、両反応の速度比が1:1に近づくと言うことで、これを低温の場合と比較すれば、Kが小さくなるということです。 ただし、上の議論は、反応の際の分子数の変化や、体積の変化などを無視したものですので、常に成立する議論ではなく、限定した範囲での一つの説明にすぎないとご理解下さい。
- mojitto
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正反応が発熱反応の場合、発熱によって反応系内の熱量が大きくなります。この反応熱が次の正反応を鈍らせてしまうため、平衡定数が低くなってしまうわけです。ですから発熱した熱量を反応系外に放出(温度を低くする)してやれば、次の反応も進行しやすくなります。 逆に吸熱反応の場合は、反応系内の熱量が減少することで正反応が鈍くなります。つまり系外から減少してしまった分の熱量を供給(温度を高める)してすることで正反応の進行が進みます。 ちょっと乱暴な言い方をすれば、正反応によってできる生成物、熱などを常に反応系外に出し続けるか、反応物を供給し続ければ、平衡定数は大きな値をとり続け、反応は進行し続けるわけです。 わかりにくかったですかね?