>遺伝子というのは、何個のDNAで出来ているのでしょうか?
遺伝子はタンパク質を作る情報でありタンパク質の大きさは様々なので、遺伝子の長さも最大十数万bpから最小数千bpまでいろいろとあります。
ただし遺伝子の中にはタンパク質を作らない余計な配列があちこち入っていて、例えると「たぬき」の暗号文みたいに余分な文字が入って書かれた設計図のようになっています(タンパク質が作られる時は「たぬき」の変換が行われます)。このように複雑になっているのは、ウィルスの遺伝子が侵入した時に遺伝子が不活性になってしまう影響を少なくするためだと考えられています。ちなみに、遺伝子でなく意味の無い配列(ジャンク)は全DNAの90%以上もあると言われています。
>DNAの中で、これは遺伝子、これは遺伝子でないというのは、既に明確に区別できるようになっているのですか?
3万5000個や2万2000個という数字は、ヒトゲノム計画(人間のDNAの全情報を解読するプロジェクト)で分かった全部の配列を、コンピューターで解析した結果です。「意味のあるDNA配列(遺伝子配列)」を何を手がかりに探すのか?というプログラムを組み込んで探しています。遺伝子の配列に関してこれまでより詳しい知識で調査した結果、これまで複数あったと思われた遺伝子が新しい調査ではたった一つだけだったと、数が減ったのです。
でも反論もありますので、遺伝子の調査は今も発展中です。体のあんまり注目されない部分の細胞や一生に一度ぐらいしか使われない遺伝子もあるでしょうから、まだまだ未知の遺伝子はあるという事になります。
お礼
毎回丁寧なご回答いただきありがとうございました。 大変勉強になりました。