0 取得時効の成否
前の方の回答は、取得時効が成立しているのではないかということですね。
取得時効が成立するためには、
20年間、所有の意思を持って平穏かつ公然に
他人の物を占有することが必要です(民法162条)。
今回の場合、前の土地使用者もあなたも
「借り物」だと思っていることから
所有の意思を欠き取得時効は成立しません。
したがって、土地は以前としてお寺の所有物です。
1 更地にしなければいけないか。
更地にしなくてはいけないかは、
土地の使用権の根拠となっている契約の内容により決まります。
地代を払わずに土地を利用していること
お寺が黙認しているという状況は
法的には、あなたとお寺との間に暗黙の使用貸借契約があることとなります。
暗黙の契約ですから
土地返還時の条件などは定められていないですが
おそらく訴訟になれば、
裁判所は更地にして返すべきとの判断をするでしょう。
あなたは無償で土地を利用するという利益を受けているのだから
それ以上の負担(撤去費用)をお寺に負担させるのは
不当と判断するであろうからです。
2 立ち退き料を請求したり返還を請求できるか
今回の土地は物置と塀があるのみで
住居としての建物が存在しているわけではありません。
したがって、借地借家法といった借り主を保護する特別法の適用がありません。
したがって、民法の原則に戻ることになり
民法597条が
返還の時期・使用収益の目的を定めない借用物の貸し主は
いつでも返還を求めることができると規定しますから
立退料の請求や返還の拒否はできません。
3 どうすべきか
対策は2つくらいでしょうか。
1つは要求通りに更地にして返還。
もう1つは、無償での貸与の継続を交渉、
または地代を支払っての貸与の継続の交渉ですね。
ながらく無償で使ってきた土地ですから
不当な要求との気持ちもおありかもしれませんが
立場をひっくり返して見れば、
ただで長期間土地を使わせてもらってきた訳です。
こじれないように、一歩下がって対応されるとよいかと思います。
お礼
詳しい説明ありがとうございました。 私もいつかは返還する日が来るとは思っていましたので 諦めようと思います。