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有機EL(OLED)について
有機ELについての質問なのですが、 なぜ発光層は有機膜でなければいけないのでしょうか。 有機膜でなく、無機膜を利用した、無機ELももっと 注目されてもいいような気がするのですが。 やはり有機膜の方がすぐれた材料といえるのでしょうか。
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既に回答があるように、ELに関しては無機材料(半導体)を利用した物の方が昔から実用化されています。 ところが、材料として無機物ではなく有機物でELを作れないのかな?と考えた人がいたわけです。 有機材料を使う大きなメリットして、 ・軽くて自在に曲がる(要はプラスチックみたいなものですから)ので運送コストも安いし、加工も楽です。 ・無機半導体はクリーンルームなど大きな工場が必須ですが、有機半導体なら極端な話、小学校時代から理科の実験で使ってるようなフラスコと試験管で簡単に合成できるので開発や生産コストを下げられる。 ・有機分子なら、その組み合わせは無限に存在し、自在に分子設計することが出来るので分子レベルまたは、分子集合体(超分子)レベルで期待する機能を発現させることが出来る。 などが、挙げられます。勿論、無機材料に比べて不利な点もいくつかあります。(熱や光や化学物質で壊れやすい、性能的に無機材料に劣ることがあるなど) まとめると、産業において求められる材料の性質は、必ずしも科学的に優れた材料ではないと言うことが挙げられます。これはEL材料のみならず一般論なのですが、産業レベルで求められるのは、一定以上(=許容できる水準)の性能があれば、その候補の中からもっとも取り扱いが容易で、トータルコストの安いものとなります。かなり話が、それましたが、質問者さんの問う「優れた材料」自体の定義は、どの次元での「優れた材料」なのか?によっても変わってきます。 余談ですが、近年は有機材料、無機材料という区別は大学での研究段階ではあまり意味を成さなくなってきています。有機無機ハイブリッド材料なども盛んに注目されていますし、古くからも有機金属錯体などがありますしね。
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- picoscan
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LED(GaAs等)も立派なEL素子です。 ついでに狭義のEL素子は薄層ELということになります。 こちらで有機が主なのは、光学特性が分子単位で実現できることと、分子構造で発光色を自在に変えられることによるとおもわれます。 無機材料の場合は2種以上の原子の混合比と、その均一分散によって発光特性を出すため、CVDにおける製膜制御が難しいようです。 青色の発光ダイオードの開発が難しかったのはこの辺がキーだったようです。
- 参考URL:
- http://e-words.jp/w/EL.html
お礼
ありがとうございます。 有機物の方無機材料よりもが構造を自在に変えやすいということですね。大変参考になります
お礼
ありがとうございます。 大変詳細な回答、参考になりました。