基板金メッキ製品での半田のハジキについて
金メッキの基板を数100台Pbフリー半田(M705)N2リフローで生産し1台
一部の箇所に半田のはじき(濡れない)が発生しました
半田鏝で修正をくわえようとしましたが半田がつきません
基板メーカへ解析をおねがいた所以下の回答でしたが
実装工程での半田ハジキを発生させる要因はかんがえられない為
専門家の方がおりましたら教えて頂けますでしょうか
・ ご返却いただきました不具合現品の観察にて、金パッド部のはんだ濡れ不具合を確認しまし
た。
・ はんだ不濡れ箇所は、製品シートの板端に近い一部分で一面に集中して発生している状態
であることを確認しました。
・ 目視観察では表面の変色や汚れなどの異物付着は見られませんでした。
・ はんだ不濡れ部分のめっき厚を測定した結果、Au=0.048~0.054μ(規格0.03μ以上)、
Ni=3.38~3.65μ(規格3.0μ以上)であり規格を満足していることを確認しました。
・ はんだ不濡れパッド部と周囲が濡れて良好と考えられるスルーホールランドの金めっき表面を
元素分析した結果、はんだ不濡れ部分からの特異元素としてC、O、Alが、良好と考えられる
部分からはC元素が検出されました。
・ SEM画像の観察では、良好と考えられる部分にニッケルめっきの粒界(つぶつぶ)が見えるの
に対し、不濡れ部分は粒界が見えないことから表面を何らかに覆われていることが判ります。こ
れは主にフラックス成分と考えられますが、フラックスであればC、OですのでAl元素を含む何
らかの有機物(異物)が付着してはんだ濡れを阻害しているものと考えます。
調査結果より、Al 元素を含む何らかの異物が付着してはんだ濡れを阻害しているものと判断しま
す。金めっき工程の条件不良であれば全体に不具合が発生しますが、基板の一部だけに不具
合が発生している状況から、めっき工程不良ではなくめっき後工程での異物付着と判断します。
この異物、発生場所は特定できませんでしたが、異物が付着した手袋等で基板を掴んだ際に板
端部分の製品内に触れてしまってパッド表面が汚染された可能性が考えられます。
弊社製造工程内では、Al 元素を含む部材は使用していないことを確認しました。
つきましては、御社実装工程内の調査をご検討願います。