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塩野義製薬のゾコーバ
塩野義製薬がコロナ治療薬、ゾコーバを開発しましたが、何と、950億円も投資したとか。いつ収束するか分からない感染症の薬に950億円も投資するなんて、ずいぶん思い切ったことをするなぁ、と素人ながら思いました。今後、この950億円は回収出来ると思われるでしょうか?
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今の日本政府や日本国民は「役に立たないものには予算は出さない」としています。役に立つものにだけ研究開発費を注ぎ込んだら、効果的と思われているようですが、残念ですが真逆の効果になります。それは「何が役に立つか分からない」からです。 古いところでは、アインシュタインが分子レベルの粒子の運動を数式化する論文を発表しましたが、誰からも注目されず、何にも有効利用されませんでした。ところが株価予想に分子運動の数式が利用できることが分かり、今では世界的に活用されるようになりました。 最近では、日本の東大でmRNAワクチンの研究を続けてきていて、世界でも進んでいたのに、「すぐに役に立たないから予算を凍結」と判断され、2018年に研究は中止に追い込まれました。治験の用意ができて開始するだけでした。翌年の2019年にCOVID-19が流行し、mRNAワクチン研究を続けていたところから、現在世界的に接種されているmRNAワクチンが供給されています。(東大のmRNAワクチン研究はリブートされ、治験をしている最中です) ほかにもニュートリノ研究の記者会見で、記者が「その新しい発見は何の役に立つのですか?」という質問に対し研究者は「何に役に立つなんて分かる訳がない」なんて返答をしていたようです。 とはいえ、質問主さんがOKWaveにアクセスしている端末を見るだけで、過去からの研究の積み重ねがイメージできるかもしれません。とても薄い紙が重なるように、様々な研究が積み重なりお持ちの端末が生まれています。ここに至るには、一見すると全く役に立たない研究もあったはずです。しかし、研究の方向性が変わり今の状態に導いている、など間接的に影響しているものも、またあったはずです。 私が知っているゾコーバの効果は、回復までの期間が8日から7日になった、という誤差に近いものです。強烈に使用を推進する理由にはなりません。パキロビットの使用制限を撤廃し、処方しやすくするほうが合理的です。ゾコーバより効果が明白だからです。 しかし私はゾコーバの研究過程は否定しません。先ほどご案内したように、その研究過程により知り得た知見や、新しく生まれた技術は、今後も影響する可能性があるからです。 ※ 日本政府は、なんとこの30年に渡り、研究開発費など削減し続けてきたのです。30年あれば施設も技術も人も、大幅に減ったり弱体化します。そんな中で「COVID-19が流行したから、オマエラ治療薬やワクチン開発しろ!金は国が出す!」なんて言っても、すぐに結果はでません。ゾコーバみたいな、ショボいものしか開発できないのは、それなりに理由があるのです。 ※ この「無駄なものに予算は使わない」という精神は、研究開発費だけではありません。保育園・保健所・公立病院・医師・教師・公務員・子育て支援などなども削減してきました。保育園の無償化をしても、保育園を削減していたら利用しやすくはなりません。保健所・公立病院・医師を減らして来た結果、6波移行のCOVID-19の流行の波が来るたびに医療崩壊しています。崩壊しているのに削減する方向性は変えていませんから、大規模な増強はしませんし、流行が収まったらまた削減開始するでしょう。 >>今後、この950億円は回収出来ると思われるでしょうか? 心配は必要なさそうです。日本はこのままだと消滅するからです。回収できなくても大丈夫です。(そもそも国が使った予算の「回収」という考えは、経済学的に良くないものとされています。) 以上、参考にならなかったらごめんなさい。
お礼
なるほど。国が消滅とは穏やかならぬ話ですが(笑)、何とか回収してほしいですね。誰も引き受けたがらないのに業界11番手の塩野義さんだけチャレンジした、その心意気だけは受け取りたいと思います。ありがとうございました。