筆界特定で筆界調査員の点検測量結果を採用しない理由
法務省の筆界特定では、当初、筆界調査委員が測量を行うことになっていましたが、
最近、筆界特定申請者が依頼した家屋調査士が測量し、その結果を筆界調査委員が点検測量することもあるようです。
当方隣地所有者が筆界特定を申請した案件でも、隣地所有者依頼の家屋調査士が測量を行いその結果(測量図)を申請書とともに提出しました。
その測量図では、法務局の要請により地方自治体の公共座標(地方自治体作成の道路境界図に記載)で座標等を記載しています。
当方が、その地方自治体の道路境界図に記載されている重要なポイント間の距離について、その家屋調査士作成の測量図と比較した結果、複数の箇所で距離が異なり、
一番距離が異なるのは13m程度の区間で6mm以上異なっていました。
そこで、点検測量において測量、確認するように法務局にお願いしました。
点検測量では、筆界調査委員(法務局依頼の土地家屋調査士)が全測点50か所以上のうち、9割程度(重要な箇所を網羅)を測量しました。
その結果を閲覧したところ、
・閲覧できたのは、逆トラバース計算表のみでした。
・この計算表には、点検測量の各座標の数値は記載されておらず、
トラバー点と各測点との距離について申請者依頼の家屋調査士測定の距離と点検測量の距離の両者を並記しているだけでした。両者の距離の差は記載されていませんでした。
・両者の距離の差を計算すると、2mm程度のものが多いのですが、4mmや6mm異なる処もあります。
・一方、当方が指摘した6mm以上異なる区間については、全く比較していません(地方自治体の道路境界図記載の座標から求めた距離との比較)。
法務局の見解は、この程度の違いは問題なく、隣地所有者依頼の家屋調査士作成の測量図をもとに筆界特定作業を進めるのことでした。
しかし、地方自治体の道路境界図との比較と同様、点検測量結果でも距離が6mm異なる区間があることからも、両者に比べて、隣地所有者依頼の家屋調査士作成の測量図は相対的に誤差が大きいものと考えられます。
一般的には、隣地所有者依頼の家屋調査士の測量より、筆界調査委員の測量のほうが公平で信頼できると思います。
また、測量や筆界特定位置にある程度、誤差があることは当然としても、できるだけ筆界特定の位置の精度を高め公平に筆界を特定するためには、筆界調査員の測量結果を採用するのが当然と考えます。
しかも、今回の点検測量では筆界特定において重要な測点はすべて測量しているので、その測量結果をもとに測量図を作成できるはずです。
それにもかかわらず、筆界調査委員の測量結果や自治体の道路境界図の測量結果に比べ、誤差の大きい隣地所有者依頼の家屋調査士の測量結果をもとに筆界特定作業を進めるのは、公平性に欠け、また筆界特定位置の誤差を大きくするもので不適切と考えます。
ついては、なぜ、筆界特定制度において公平で信頼性の高い筆界調査委員の点検測量結果を採用しないのか、理由がわかりましたら、教えて下さい。
(今回のように点検測量で重要な測点をすべて測量している場合)
お礼
ありがとうございました。地籍調査の間違いでした