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ソーラーセイルはなぜ進むのか?
この間ソーラーセイルというすごい宇宙船の話をよみました。とても画期的だなぁーと思うと同時に疑問をいだきました。どうやら推進力に光子がぶつかったときに生じる微小な力を利用しているというものらしいのですが、光子の質量は0ではないのでしょうか?そうするといくら光子をぶつけたところでソーラーセイルは全然加速しないのではないでしょうか? そもそも光子の質量がゼロっていうのは証明、実証された真実なのでしょうか?ニュートリノに質量があることをやっと実証できしそうな人類が、光子の質量がゼロといっていることも疑わしく思えてきました。本当は少しくらいあるかも・・・と思えてきます。 回答をよろしく願いします。
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光子の質量が0なのに推進力を得られることを 不思議に思うのは、それはあなたがニュートン力学 しか知らないからです。ニュートン力学はすばらしい 発見で、このおかげで超高層ビルを建てたりできるわけ だけど、基本的にニュートン力学では質量のあるしかも 大きな物体の運動しか取り扱うことができません。 この世界にはニュートン力学で取り扱えない現象が 多々あり、光もそのひとつです。それ以外にもたくさん あり、人類がニュートン力学だけしか知らなければ半導体 コンピューターも発明できなかったでしょう。 光を含めてより多くの現象を説明できる理論(量子力学 や場の量子論)では質量を持たないのに、推力を与える ことができるのは不自然ではないのです。 なお、光が質量を持つかどうかということと、ニュー トリノが質量を持つかどうかということの持つ重大性は ぜんぜん違うものです。後者の場合、質量を持たなければ 説明しにくい物理現象が以前から知られていたため、 質量を持つと思っていた物理学者は結構いた(おそらく 多数派だった)のに対し、光子の場合、質量を持たな ければ説明できない現象は知られておらず、たとえ 極めて微小でも質量を持つとすれば、現在の物理学を かなり基礎の部分から再構築する必要があるのです。 もちろん、光子の質量が発見される可能性は否定でき ませんが、あると思っている物理学者は極めて少数派でしょう。 なお、光で物を加速できるという事実は古くから知ら れており、夏目漱石の小説の中にも出てくるぐらいです。
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- shiara
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まず、光をぶつけると推進力が生じるかどうかについてですが、光は運動量を持っていますので、何かにぶつかって光の運動量が変化をすれば、相手に力を加えたことになります。 No1さんのF=2P/cもこの考え方によるものです(単位を調べると、左辺は圧力と思われます)。光では、エネルギーEと運動量pの間に、p=E/cの関係がありますから、F=2P/cの右辺は(このPは単位時間当たりのエネルギーです)、光の運動量の2倍に相当する運動量が単位時間に変化することを意味します。つまり、光が100%反射されたことを意味します。この運動量の変化が推進力になります。 光の質量についてですが、光の質量がゼロというのは、静止質量のことです。上に述べたように、光では、エネルギーEと運動量pの間に、p=E/cの関係がありますから、エネルギー運動量ベクトルの内積をとれば、その値はゼロになります。通常の物質は、これが(静止質量×c)の2乗になりますので、光の場合は、静止質量がゼロである、としています。ただし、光の静止質量とは便宜的な値に過ぎません。なぜなら、光は決して静止することはないので、静止質量に物理的な意味を与えることはできないからです。ですから、光子の質量がゼロというのは証明された真実か、という問いに対しては、ゼロとしている、というのが回答になります。静止していない質量はどうかというと、E=mc2の式に光のエネルギーhνを入れてやれば、静止していないときの光の質量が得られます。ただし、これも便宜的なもので、物理的な意味を与えることはできません。 ニュートリノの質量についてですが、ニュートリノの場合も、質量がゼロと言っているのは静止質量です。ニュートリノの静止質量がゼロであるということに対しては、明確な根拠があります。ニュートリノは、左巻きスピンしか観測されません。これは、右巻きに見える座標系が存在しないから、と考えられています。普通の粒子であれば、その粒子を追い越す座標系から見れば、反対巻きになります。ニュートリノの場合、ニュートリノを追い越す座標系が存在しないため、左巻きしか観測されないと考えられます。ニュートリノを追い越す座標系が存在しないとは、ニュートリノが光の速度で運動していることを意味します。したがって、ニュートリノの静止質量はゼロと考えられます。近年、ニュートリノに質量があるような話も出ていますが、静止質量がゼロでないとするなら、左巻きスピンしか観測されない理論的根拠を示してもらいたいものです。
お礼
うーん。難しいですね。こういうことはいつか大学でならうようなことなのでしょうか?光にも運動量があるいうことならソーラーセイルが推進力を得ることもなっとくできる気がします。この間ニュートリノに質量がある可能性が実験により99.99%になったとかかいてましたが、物理で確実と言はれるのは99.9999%までいるとか・・ なんかどんな世界なのか想像を絶するような話になります。 回答ありがとうございました。
>つまり質量はあるけれど無視できるほど小さいということですよね? いえ、理論的には0で、実験的にも確認されていないと言うことです。 #3で、「実験的な上限」と言っていることに注意しましょう。 0かもしれない、ということです。
補足
なるほど、わかりました。
>光子の質量がゼロっていうのは証明、実証された真実なのでしょうか? 理論的には0です。 ニュートリノの場合は、理由もなく0じゃないの?と言われてましたが、 光子では、理論的な証拠はかなり強固です。 実験的な上限は、参考URL3番目のpdfによると、 6×10^-16eV(97年)ですから、電子より20桁以上軽いことになります。
お礼
つまり質量はあるけれど無視できるほど小さいということですよね?
光子の質量はゼロではありません。 「ほとんどの実験ではほぼゼロと見なせる」というだけのことで、実際には質量があります。 そういう考え方は光子以外にも電子などでも適用され、「電子の重さはゼロである」という前提になってる実験もけっこうあります。
- ruehas
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こんにちは。 そう言われてみると不思議ですよね。 光子の質量がなければ、ぶつけても物は動きませんよね。 気になって、幾つかのページを検索してみたのですが、余り詳しい説明は見当たりませんでした。ただ、どのページにも、光子の質量が運動エネルギーに変わるという説明はありませんでした。 とあるページで、ソーラー・セイルに於ける推進力を求める簡単な公式を見付けました。以下の通りです。 F = 2P/c F:推進力(N) P:仕事率(kw/m2) c:光速 (m/s) ごらんの通り、ソーラー・セイルによる宇宙船の推進力を求めるこの式には、光の速度は入っているのですが、質量は入っていません。Pの仕事率は、地球軌道上で言うならば、太陽から得られる1m2当りのエネルギー「1.37kw/m2」、即ち太陽定数に当るものだそうです。 これ以上詳しいことは私には分かりませんが、少なくともソーラー推進の原動力は光の質量ではなく、光のエネルギーだということになるのではないでしょうか。 因みにレーサー推進に就いて調べてみますと「レーザー誘起衝撃波」なんて言葉が出てきました。難しいですね。興味がおありでしたら調べてみて下さい。 また、ソーラー・セイルの原理は物理法則に反すると、中には異を唱える学者さんもいるようです。 ニュートリノの質量検出はノーベル賞級の発見ですよね。これが正しければ、小柴博士はもう一度ノーベル賞をもらえるかも知れません。それまで、丈夫で長生きして頂きたいものです。 以上、ほんの参考程度ですが――。
お礼
太陽エネルギーとは太陽から受ける熱のエネルギーのことですよね?それで推進力を得るというのも素人の自分には想像を絶することなのですが、なんかおもしろいです。もちょっと自分でも調べてみようとおもいます。素人でもわかるような説明が見つかればいいのですが、ありがとうございました。
お礼
非常に納得のいく説明をありがとうございます。物理学についてはまだまだ知らないことが多すぎますね。もっと勉強してみたいです。学校で運動方程式を習ったときはかなりなるほど、ニュートンはすごい人だ!!と感動したのですが。 夏目漱石の小説にも出てくるとは・・・ とてもためになりました。m(_~_)m