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長篠の戦いにおける鉄砲の使用について
長篠の戦いについて、日本大百科全書(ニッポニカ)の解説では、「信長は岐阜出発の時点からこの合戦において鉄炮を主戦力として用いることを計画し、3000挺の鉄炮を準備、長篠城の西方設楽原に馬防柵を築いて陣を敷いた。」とあり、また「一般に、この合戦で信長は鉄炮を3段に構え交替で一斉射撃を行う戦法をとったと伝えられている。これに対して、実技上の見地からこの戦法が可能であったかどうか疑問とする説もある。」と記述されています。 https://kotobank.jp/word/%E9%95%B7%E7%AF%A0%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84-107676 長篠の戦いでは、そんなに多くの鉄砲が使用されたわけではないということを何かで読んだ記憶がありますが、そのことは別にして、教えていただきたいのは、「実技上の見地からこの戦法が可能であったかどうか疑問とする説もある。」というのは、どのようなことを言っているのでしょうか???という疑問です。何か、当時の鉄砲の性質に関係しているのではないか???と推測しているのですが、知識がないので見当がつきません。
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- eroero4649
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バン!と撃ったら決められた場所を通り、一番後ろに回る。次の列はすかさず前に来て、構える。そして命令が出るまでは勝手に射撃せず、命令があってから射撃する。 こういうことを秩序だってやるなら、事前に訓練をしなければなりません。少なくとも何百人規模での訓練が必要でしょう。 当時の軍隊は、日本に限らずそんなに訓練が行き届いたものではありませんでした。 戦国時代より100年ちょっと後の時代、強兵で知られたフリードリヒ大王のプロイセンの軍隊では、兵士を指揮する士官の右手にムチが、左手に銃が握られていたといいます。右手のムチで兵士にいうことを聞かせ、それでもいうことを聞かないやつは左手の銃で撃ち殺すというわけです。 兵士が自分の意志で死ぬまで戦う高い士気を持つようになるのは、アメリカ独立戦争以降の話です。 映画ではただのエキストラが、おそらく数時間程度の練習で三段撃ちができるようになりますが、それは私たちが高度な教育を受けているからです。小学校で整列して前へならえとかやったじゃないですか。あれってルーツは軍隊教育で、軍隊に入ってからの基礎訓練の時間を短くするために小学校でもやるようになり、それが今でも残っています。 だから我々は教師(上官)の号令一下、全員で秩序だった行動をすることができるのですが、ああいう行動はそういう教育を受けていないとできないものですよ。 当時の足軽なんてのは出身は農民だが、真面目にお百姓さんができないからこういうことをやっている社会不適合者の集まりですからね。 あと黒色火薬についてのコメントがあり、私も興味深く拝見したのですが、他に気になる点としては「火縄銃って、連続して何発くらいが限界なんだろう」というのがあります。ちなみに私、その知識はありません。 銃は発砲すれば、火薬の爆発で当然熱を持ちます。現代の銃のように放熱のことは考えられていません。そして安全装置はなく、火薬をそのままサラサラと入れることになるので銃が発熱しているとその熱で火薬が暴発して非常に危険です。だから銃が熱を持つようになったらもう撃たない(撃てない)と思うのです。何時間もバンバン撃てるはずがないのですよね。
- gunsin
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火縄銃のコレクターに聞いた事ですが、黒色火薬は煤の発生が多く、 3発撃つと、筒の掃除をしないといけないないので、3段射ちの連射は、無理だそうです。 日本海海戦でロシア艦隊は黒色火薬を使用していたので、噴煙で、 着弾点を確認出来ず、命中率が低かった、信長の頃の黒色火薬は、 質がロシア艦隊の物より、落ちるだろうから、1~2発で掃除を、 したかも知れないとも言ってました。 信長公記にも多数の銃を使用した事は書かれていますが、数量は 記載されていず、3段射ちの記載はされてません。 江戸時代に創作された様です。
お礼
ありがとうございました。 興味深いご回答で、火縄銃のことが少し理解できたような気がします。 要するに、火縄銃を戦で効果を発揮させるためには、「数」が必要だということと、「最初の一撃」いかんが、戦の勝敗を左右する一つの大きな要因になる可能性がある、というふうに素人なりに理解しました。 3発撃つと、筒の掃除をしないといけないないので、3段射ちの連射は、無理だそうです。……確かに、「間髪入れずに連続的に」ということなれば、「3段打ち」というのは無理かもしれませんが、ただ、「数」さえそろえば、5段打ち、とか、10段打ちとか、「1丁」当たりに十分な時間的間隔を保てれば、「間髪入れずに連続的に」というのは可能ということですよね、と素人が考えてしまいました。 信長公記にも多数の銃を使用した事は書かれていますが、数量は 記載されていず、3段射ちの記載はされてません。……記憶に間違いがなければ、長篠の戦の戦場跡地で、「鉄砲玉があまり見つからない。」というのを何かで読みました。もっとも、長篠の戦いでの、鉄砲の数を推定できるほどの鉄砲玉が、今日残っている可能性があるのか、そっちのほうが、私には疑問なのですが。
- g27anato
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1500丁なら記録に残ってるのでは? …それが戦場最前に立つ銃兵に持たせた数ではないかと思います。 その他、陣の護衛に500丁持たせ、 予備も500丁くらいは用意したと考え、 それに近隣武将から借り集めた数500丁あれば、 …全部で3000丁という数になりますが。 当時の銃は慣れた銃手で、 弾込めに20~30秒、 命中率1/3程度だったようです。 ならば、1500/3で500丁の稼働で1分に2~3発といったところでしょうか。 それを考えると、三段構えは銃兵交代のロスも有るだろうから、効率が良いとは言えない気がします。 ただ、防御が馬防柵だけではなかったようです。 川の岸を削って防護堤も造成したようです。 自軍が3万人と仮定して、 敵方の兵は自軍の約半分なら1万5千人、騎兵は更に1/3として5千騎。 一気に攻め込まれたら、どうなったか分かりませんが…。 もう一つ、 合戦前の作戦会議で、家臣から提案が有ったという話が記録に残ってるらしいです。 そこで提案内容の想像なんですが、 …銃兵は射撃専門で撃つ時以外は堤の陰に身を伏せ、 弾込めは後ろに控えた別の兵が行い、 銃は手渡しで受け取り堤の上から敵騎兵を狙い撃ちする戦法だったのではないだろうかと。 …これだと一人の銃兵が2丁の銃で1500/2=750丁が、1分間に5~6発以上という効率になります。 又、敵方は鶴翼の陣形だったと聞いてます。 これは騎兵を横に長く振り分ける事になり、 更に一気ではなく波状攻撃を仕掛けたとしたら、 騎兵は少数ごとに分散されて攻撃の間隔に間が開いていた可能性も高くなります。 間を置きながら分散して攻め来る敵騎兵に対して、 効率良く間断無く撃てた自軍の銃撃は、 …勝敗を分ける大きな要因になったのではないかと思うのですが、如何でしょうか。 三段構えは確かに話としては面白いのですが、 ヨーロッパでも銃兵が交代で前後に入れ替わる戦法は、敵兵を倒す確率が下がるとして敬遠されていたという話も有るようです。 回答は記録が残ってない部分に想像を加えたものですが、 書物に残ってる記録と照らし合わせても、矛盾は生じないのではないかと思います。 …以上、参考まで。
お礼
ありがとうございました。
お礼
ありがとうございました。 「バン!と撃ったら決められた場所を通り、~~少なくとも何百人規模での訓練が必要でしょう。」……言われてみるとわかります。 当時の軍隊は、日本に限らずそんなに訓練が行き届いたものではありませんでした。……かも知れませんね。そもそも訓練に使うほど、潤沢に「鉄砲弾」があったのかも、疑問です。 戦国時代より100年ちょっと後の時代、~~左手の銃で撃ち殺すというわけです。……もう半世紀前に観た、チャールトン・ヘストン主演の「ベン・ハー」という映画を想い出しました。ローマ帝国の奴隷になった主人公が、奴隷船の中で、櫂を漕いでいました。鞭で打たれながら、足を鎖でつながれて。 兵士が自分の意志で死ぬまで戦う高い士気を持つようになるのは、アメリカ独立戦争以降の話です。……興味深いご回答です。人間はなぜ戦争をするのか???何のために、誰のために戦争をするのか???考えさせられます。私の生まれる前のことですが、ついつい太平洋戦争で、散っていった日本軍兵士のことに、思いを巡らせてしまいました。戦争を経験した世代のみならず、私のように「戦後の子供大量生産」で生まれた世代も少なくなっていく、漠然とした不安のようなものを感じます。 小学校で整列して前へならえとかやったじゃないですか。~~ああいう行動はそういう教育を受けていないとできないものですよ。……小中学生の頃の一番憂鬱で嫌いだった「大運動会」のことを想い出してしまいました。( ノД`)シクシク…戦後改革の柱だったはずなのに、教育の民主化なんて少しも進んでいなかったのではないか???と。出来が悪いくせに、ただ「先生」というだけで威張っていた。もっとも、「今」と比べてどちらが良いのか???、ということになると。 当時の足軽なんてのは~~社会不適合者の集まりですからね。……前問のご回答ありがとうございました。 「火縄銃って、連続して何発くらいが限界なんだろう」というのがあります。……戦場では、勝敗を分ける重要な問題だと思います。gunsinさんのご回答から、私は、「せいぜい2発」と理解しました。 それで、火縄銃についての知識はまったくありませんが、単純に、「玉込め」→「発射」→「玉込め」→「発射」→「煤の掃除」のパターンの繰り返しではないのだろうか???と。 そして、この1パターンに要する時間と、所持している「鉄砲の数」によって、「その戦」における鉄砲の有効性が決まってくるのではないか???と。 あと黒色火薬についてのコメントがあり、~~銃は発砲すれば、火薬の爆発で当然熱を持ちます。……「熱」というのは、「煤」よりも重要な要素なのかも、という気がしてきました。記憶は、まったく定かではありませんが、戦艦に装備されている大砲も、「熱」の問題を抱えていたというような??? 何時間もバンバン撃てるはずがないのですよね。……鉄砲と戦法、信長が何を考えていたのか興味深いですね。