停滞期じゃないですかね?
ダイエットで停滞期が起きるのは、人間の身体に備わっている「ホメオスタシス(恒常性)」という機能によるとされています。ホメオスタシス機能というのは、人間を飢餓から守るために備わっている機能で、食事による摂取カロリーが少ない時期が続いたときに、体重の減少を抑えようと働くものです。
ホメオスタシス機能が働くと、食事によるエネルギーの吸収率が上がり、基礎代謝や運動によるエネルギーの消費量が少なくなるといわれています。いわば身体が省エネモードになるのです。
なので、「食べていないのに体重が減らない」ということが起こるようになります。
ダイエット停滞期がいつ起こるかは個人差がありますが、だいたい1カ月で体重の5%が減ると、ホメオスタシス機能が働いて停滞期に入りやすくなります。
なので、1カ月の間に体重が50Kgの人なら2.5Kg、60Kgの人なら3Kg減ったら、停滞期に入る可能性が高いと思っておきましょう。これくらいの体重なら、ちょっとダイエットを頑張れば誰もが減らせるので、多くの人はダイエットをスタートして1カ月前後で停滞期を経験するようです。
とくにダイエット中にカロリー制限をしていると、身体がエネルギー不足を感じやすくなるため、少しの食事でもエネルギーの吸収率が上がるようになるといわれています。そして、運動や基礎代謝によるエネルギーの消費量を減らすようになるため、停滞期に入るのが早くなる傾向にあります。
ダイエットをしているのになかなか体重が減らないと、「このダイエット方法は効果がない」とか、「痩せにくい体質だから、ダイエットしても無駄だ」と考える人も。
ダイエットを挫折してしまうという人の多くは、この停滞期を上手く乗り越えることができないのが原因かもしれません。ダイエットを成功させるためには、停滞期から脱出することが重要です。
まず、ダイエットをするなら停滞期は訪れるものだと認識しましょう。停滞期が来ることを予期しておけば、急に体重が減らなくなったという場合でも焦ることはありません。自分のペースでダイエットを続けていくことができます。
停滞期で焦ってしまう人の多くは、停滞期が来ることを予期していません。そのため、「食事の量を減らしているのに、全然体重が減らない!」「毎日走っているのに、全然痩せない!」とパニックになってしまうのです。
ダイエット効果が実感できないと、さらに食事制限を厳しくしたり、運動量を増やしたりしたくなるものですが、停滞期に頑張り過ぎてもあまり効果が期待できません。なので、停滞期が訪れても、今までのペースでダイエットを続けていきましょう。
体重が減らないとしても、「今は停滞期に入ったんだな」と思う程度にして、焦らずに地道にダイエットを続けていくことが大切です。
停滞期に入ったら、ダイエットの内容を見直すこともできます。ダイエットの内容を見直すといっても、これまで以上に過酷なダイエットをするということではありません。
まずは自分の体重や食事、運動を記録して、停滞期を脱出するためにできることはないか考えてみることができます。記録してみると、食事の摂取カロリー量は少なくても、栄養バランスが悪いということに気づくかもしれません。また、ダイエットのための食事に問題はなくても、運動不足であることに気づく場合もあるでしょう。
問題点に気づいたら、それを改善するための対策を立てます。そうすることで、さらに効果的なダイエットをすることができるでしょう。
体重や食事・運動を記録するほかに、食事の量を一時的に増やしてみることもできます。ダイエット停滞期に陥ったのは、ホメオスタシス機能が働いている可能性があるからです。摂取エネルギーが減ったことに対して身体が危機感を抱いたために、身体が省エネモードに入り、痩せにくくなってしまっているのです。
なので、食事の量を一時的に増やすと、身体に必要なエネルギーはきちんと入ってくるということを知らせることができ、ホメオスタシス機能を解除できる可能性があります。食事の量を増やすといっても、大盛りにするということではなく、ダイエット食から普通食に戻すくらいの量に留めましょう。
ほかにできることとして、運動の方法を変えてみるということがあります。毎日走っているのに全然体重が減らないという場合は、ジムでのエクササイズや水泳などに変えてみることができるでしょう。そうすることで、飽きずに運動を続けていくことができますし、体重がまた自然と減るようになることもあります。