鍛造って言うと、金属の塊を熱して柔らかくして叩いたりプレスしたりして形作って行くことです。そうやって、コイルになるような細長い母材もできますし、フライパンにするような薄っぺらい母材もできます。こういった母材をフライパン製造業者なりが購入して、自社の設備で形を整えていきます。
フライパン加工で一番主流なのが、プレス加工です。まず、型抜きしてフライパンの平べったいのに切り取ったあと、凹凸の型に入れてプレスしていきます。こうやって立体的に造形していくのです。確かに、工程の中には、貴方の言うように叩いて形を整える場面も出てきます。一般的な鉄のフライパンもこちらの方法で作っています。テフロンなどの樹脂でコーティングしてあるフライパンもこちらの方法ですね。基本はアルミを抜き出して形つくってテフロンなどの樹脂でコーティングします。他にドロドロの鉄を型に流し込んで整形する鋳鉄のフライパン(スキレットと言うとわかりやすいかもですね)もありますね。大抵のフライパンはプレス加工が一般的です。
その凹凸に造形するプロセスをプレスではなく、型抜き以外の全行程を打ち出して少しづつ曲げて形を整えてって行っているのが、打ち出し式と銘打ってフライパン作っている山田工業所ってところですね。言えば板金加工と一緒ですね。軽くて丈夫ってな話は、山田工業所の社長も言っていたりしますが、令和にもなった時代ではどうでしょうね・・・。
包丁や刀なんかの刃物も「打ち出し仕上げ」と言えば、伝統刀はピッカピカに磨かれていると思いますが、ああいったのは研磨されて平面にしているのですが、あえてそういう加工を施していない状態の打ち出したママの包丁ってのがあったりします。昔は、安価なのは製造効率のために打ち出しっぱなしの包丁が主流だったのですがね・・・。まあ、ランダムな凹凸でお手入れしにくいので錆びやすいものでした。
フライパンも刃物もそうですが、売るための文句として昔のそういう事情を知らない人が多くなって来ましたから、食材がひっつきにくいとか言って売ってるわけです。実際のところ凹凸にすることによってひっつきにくくはなったりします。大量生産品でも凹凸はひっつきにくいって言う謳い文句が消費者にマッチしたとみるや、カタカナ語でエンボス加工って言われて売り出されているフライパンってのがここに来て増えましたよね。
で、テフロンなどの樹脂でコーティングされたものに比べてひっつきにくいのか?って話ですが、そんなことはありません。ですので、鉄のフライパンってのは駆逐されて、奥様御用達はテフロンなどの樹脂でコーティングされたものになったのです。
今や大量生産できる使い捨てのテフロンなどの樹脂加工されたフライパンが主流になってしまったように、企業としては毎年フライパンを買い替えてほしいです。お手入れがめんどくさいこともあり、そういう流れで鋳鉄のフライパンや長持ちする鉄のフライパンがめっきり見なくなったのは貴方も知ってのとおりです。
で、ブームっていつどの様になるのか分からない様に、鋳鉄などの鉄製のフライパンがブームになったときに、零細企業で細々とやっていた企業のフライパンも一般人の知ることとなったという流れなだけですね。
お礼
ありがとうございました。フライパンの裏事情まで知ってしまいました(^^;;