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リボン型マイクの振動
リボン導体の振動から電気信号を得る事が可能になり、リボンは空気粒子の変位に逆らうことなく振動しなければならないので、極々薄く作られ軽量化を図っています。 https://umbrella-company.jp/contents/shure-ksm313-353/ ・・・リボン型マイクのリボンは低音ほど大きく振幅する理解で良いでしょうか?
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回答No.5 に関するコメント拝見しましたが、いくつか不可解な所があります。 1)Z =jkr /(1 + ikr) *Zo の絶対値は、k r / √(1 + (kr)^2 ) *Zo ではありませんか。 従って( r/波長)に従い、音源近傍でインピーダンス低く、速度優位という解釈ができると思います。 2)ご提示の dp/dr = - jk( 1 + 1/(1+jkr) ) p は誤りでは? 正しくは、 dp/dr= - jk( 1 + 1/(jkr) ) p ではないでしょうか。 proximity effect spherical acoustic 等で検索を掛ければ、Googleブック中にそれを確認できます。あるいはそうしなくとも、(1)の式、 Z = jkr/(1 + jkr) *Zo から導けます。dp/dr という圧力勾配により密度ρの媒質が加速されます。その積分値である速度 v との関係は、 v = - (1/jω)(1/ρ)(dp/dr) = - (1/(jk c))(1/ρ)(dp/dr) ∴ (dp/dr) = - jk cρv cρ= Zo、v = p/Z という置き換えをすれば、 (dp/dr) = - jk cρ v = - jk (Zo/Z) p = -jk{(1+jkr)/(jkr)} p = - jk( 1 + 1/(jkr) ) p となります。ちなみに絶対値は、k { √(1 + 1/(kr)^2 ) } p です。 こちらも近接効果の説明になっていると思いますが如何でしょう。 3)ダイナミックマイクの件、それが波長より小さいときは、圧力成分と粒子速度成分に分け、集中定数的に考察した方が分かりやすいのではありませんか。「音流に揺られる」「背面に音が回る」などの意味する所が正確に掴めません。 100Hzの平面波が z軸方向に進行しているとします。波長は「3m」もあります。進行方向に垂直に極めて軽い用紙で遮れば、それは媒質変位にスリップなく連動します。その揺動からエネルギを取り出すなら相応にスリップします。またこの用紙は表裏圧力のつり合いにより音の圧力成分によって揺動する事はありません。今度はカレーのレトルトパック型圧力袋を音の進行を遮らない向きに寝かせましょう。この扁平袋は粒子速度には反応せず、時々刻々のその点の圧力にのみ感応します。こちらもエネルギを取り出すなら相応に収縮膨張します。圧力と言うものは6方向均等に生じています。従って、どの方向からの音波にも感度を持ちます。なお進行方向を邪魔するように置けば、粒子速度の運動量の動圧も混在して出力されます。 ダイナミックマイクはダイアフラム後部に孔が開いています。ダイアフラム前面と孔との距離が波長に比べて短ければ、圧力はダイアフラム前後で相殺します。後方音からの粒子速度の運動量はダイヤフラム表裏において垂直なベクトルではありませんから揺動させる運動量になりません。指向性はこれで説明可能かと思います。ダイアフラム後方の孔位置はバッフル効果、すなわちダイアフラムが媒質に対しスリップした際に生じる抗力の度合いも決めるでしょう。ダイアフラムの圧力や懸架バネに抗する力であり、また出力インピーダンスの低さ、取り出せる電力に寄与します。回答No.5で取り上げました。なお、もちろん経間が波長領域に近づく高音域ではややこしい問題を生じるでしょう。 4)上記(3)のような考察において、 >ダイナミックマイクは変位振幅でなくて速度に感知するので低音ほど大きく1/fで振れてフラットに感知する設計にしているはずです。 >そこに背面から逆位相で遅れた音が来て干渉する単一指向性型は低音が抑えられるのでフラットになるように思います。 なども、私には少々不可解です。
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- veryyoung
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回答No.5 に関して訂正があります。 「回り込み音を遮断すべく裏面に無響箱を設けてもリボンの媒質変位追従に変りはない筈です。」と記述しましたが、この思考実験は乱暴でした。これでは球面波の場に置いた事になりません。裏面を球面波場と異なる特定の音響インピーダンスで隔離した事により、音圧対速度の関係が崩れリボンはスリップし始めます。つまり速度のみを取り出した事になりません。適当な位置に圧力分をキャンセルする為の孔の存在が不可欠ですね(ダイナミックマイクのように)。失礼いたしました。
- veryyoung
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回答No.4へのコメント拝見しました。前回答で、1)音響インピーダンスと電磁インピーダンス間の整合、2)純粋な電気的インピーダンス整合の二つを論じましたが、数値例が無いため判別しにくかったかもしれません。少し煩雑になりますが、定量的に紹介します。その上で新たに、リボン表裏の空気移動による低音へ向けての出力インピーダンス増加について述べます。最後に近接効果に関して少し触れます。 Za = 400 [kg m/s]:音響インピーダンス B = 0.5 [T]:磁束密度 L = 0.06 [m]:リボン長 S = 0.00028 [m^2]:リボン面積 V [V]:リボン起電力 I [A]:負荷電流 u [m/s]:変位速度 とし、仮想的な片側媒質構造マイクを基礎とします。リボンが変位し、 起電力:V = B * L * u [V] により、負荷電流:I = V/R [A]が生じると ローレンツ力:F1 = I * B * L [N] が反力として生じます。これが 媒質変位圧力:F2 = u * S * Za [N] と釣り合うような負荷抵抗 R[Ω]が、音響電気間の整合を実現します。 これら4つの式から、 整合負荷抵抗:R = V/I = B^2 * L^2 / ( S * Za) [Ω] が計算され、出力インピーダンス 8 mΩ になります。もしリボン抵抗が零で、負荷抵抗 8mΩなら音響的にも電気的にも整合は完全かつ変換効率 100 % となります。 AEA R84リボンマイクは表裏媒質がバッフルを迂回し20mm程度の空気経路て連絡していそうです。回答No.2 で無負荷時、リボンは媒質変位にスリップなく追従している現実を確認しました。表裏経路は、出力インピーダンスの上昇として作用する事を示してみましょう。負荷により電圧が下がり、そこにリボン抵抗以外の出力インピーダンス余剰分が見られるなら、それは起電圧減少、つまりスリップによるものと言えます。さて、出力インピーダンスとは、外から覗いた入力インピーダンスでもあります。音波を送り込んでの表裏経路の考察は、外部電源でリボンを振動させて代行可能です。そして後者の方が描像容易です。さて、リボンから音波として遠方に放出される量はある周波数以下で急減するでしょう。空気がリボン表裏近傍の往復循環として閉じてしまうからです。その周波数の一つの目安は当該経路が1/4波長近辺、5 kHz 程度かと想像しました。取り囲む空気の集中定数的慣性質量が、もはや表裏を隔離できなかろうという発想によります。リボンは低周波になるにつれ空振りで軽く振れ電流が小さくなる、すなわち入力(出力)インピーダンスが上昇する事が知れます。 前出の片側媒質構造における 8mΩの両側版 4mΩを基にして、低域に向かいインピーダンスは上昇します(やや容量性)。乱暴ですが、恐れず式表現するなら、 ( 5000 / f ) * 4 [mΩ]、 ここで f[Hz]周波数 20 Hz で 1Ω、昇圧トランス2次換算で 900Ωに相当します。仕様書で出力インピーダンス:270Ω nominal と示されているのはリボン抵抗分です。推奨ロード1.2kΩ以上と記載されているのはこのような背景からです。低域に関する270Ω整合負荷のローレンツ制動力は、リボンをスリップさせ電圧低下を招くのです。 参考 「類似」の出力インピーダンス特性 Figure A https://www.aearibbonmics.com/how-impedance-affects-ribbon-microphones/ 近接効果に関してですが、球面波のインピーダンス変化だけで説明可能だと思います。良く見かける Zr =i kr/(1+ikr) Zoの通り、(距離/波長)の関数として、(圧力/変位速度)は音源付近で小さく、すなわち変位速度が勝ります。リボンは圧力でなく媒質変位、変位速度に追従しているのは確認済みです。また近接効果は裏面感度の有無に直接の関連はありません。回り込み音を遮断すべく裏面に無響箱を設けてもリボンの媒質変位追従に変りはない筈です。 リボン表裏の空気回り込みにより媒質変位への追従圧力が低域で減少する事を上で述べました。ダイナミックマイクにおいて、周波数反比例で感度が落ちるのは、ダイアフラムの表裏経路効果と懸架バネ定数によるとの説でも、辻褄合わせは可能です。近接効果に関しては、圧力でなく媒質変位に追従するからの一辺倒でも良いように感じます。
お礼
リボン抵抗が零で、負荷抵抗 8mΩなら音響的にも電気的にも整合は完全かつ変換効率 100 % となる詳細な計算をありがとうございます。 表裏媒質がバッフルを迂回し20mm程度の空気経路て連絡していそうな件ですが、背面に遅れた音が17mmで逆相で試算したら、1000Hz位から徐々に高音ほど6dB/oct位で上昇しますが低音部は微上昇になり、8.5m遅れの時2000Hz位からとは違いが出ます。 それで一概に6dB/octで高音ほど上昇すると言えないのは確かです。 リボンから音波として遠方に放出される量はある周波数以下で急減するでしょうの件は、虚部と実部の関係と思います。 スピーカー計算で直径6cm振動板では音響インピーダンスの虚部が実部に変化する周波数が約3000Hzになりますので関連があると思います。 近接効果に関して、球面波のインピーダンス変化だけで説明可能だと思う件ですが、 (距離/波長)の関数として、(圧力/変位速度)は音源付近で小さく、すなわち変位速度が勝るのは音源近くでは低音が大きい虚部が巨大なので理解できます。 良く見かけるZr =i kr/(1+ikr)*Zoの球面波公式 からは 複素数計算が理解困難ですが、Zr=Zo*1/(√1+(kr)^2)の絶対値になるはずです。 https://kotobank.jp/word/%E8%BF%91%E6%8E%A5%E5%8A%B9%E6%9E%9C%28%E9%9F%B3%E9%9F%BF%E5%AD%A6%29-788449で-jk(1+1/(1+jkr)*pの球面波式から、 絶対値が1+1/(1+(kr)^2)になって1+が余分についている計算になると思うのですが、低音が大きくなる虚部が見れないでこの分だけ近接効果が出ると言う説明は間違っているとしか思えません。 音源に近づくほど低音が大きな巨大虚部を速度型マイクが感知するのが近接効果の大きな原因に間違いないです。 リボンは圧力でなく媒質変位、変位速度に追従しているのは確認済みで、リボン表裏の空気回り込みにより媒質変位への追従圧力が低域で減少する事は音圧でなくて粒子速度音流ですが、近接効果は指向性マイクで裏面感度の有無に関連があるようです。 ダイナミックマイクは変位振幅でなくて速度に感知するので低音ほど大きく1/fで振れてフラットに感知する設計にしているはずです。 背面回り込み音を遮断すべく裏面が小容量で密閉されてフラットに感知できている圧力型マイクを巨大無響箱に変えるとリボンが大きく揺れて低音が上昇すると思います。再回答頂いたのはこのことと思います。 そこに背面から逆位相で遅れた音が来て干渉する単一指向性型は低音が抑えられるのでフラットになるように思います。 近接効果に関しては、理論上も圧力でなく媒質変位に追従するからの一辺倒でも良いように感じて・・は同感です。 リボンマイク関連とか非常に詳しく研究されていて素晴らしいと思います。 HPやブログなど投稿して周知にして頂けるとどれほどの人が助かるかもです。 良い記事がありましたら紹介願います。 回答ありがとうございます。
- veryyoung
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回答No3へのコメント拝見しました。ご提示の効率計算値、その四分の一が正しくありませんか。2.5mVは無負荷電圧だと思います(推奨ロード1.2kΩ以上となっており整合電圧表示では無さそうです)。整合状態では電圧半分、結果、効率 1 % 弱になりますね。ところで、効率の視点は興味深いです。 効率が悪いのはリボンが暖簾に腕押しの音波筒抜け状態になっているからです。リボンに適正な電気的反力(制動抗力)を与えるだけの負荷電流が生じていないのです。まず、リボン裏側に抗力となる媒質が無い姿を想像して下さい。それが在るかのようにリボンが抗力を代替してこそ、音響と電気間がインピーダンス整合され、到来音波の全エネルギを電気として取り出せた事になります。裏面にも感度を残す場合は、反射 25%、透過 25%を許容し、出力 50% というのが効率上限を与える最適整合、リボン反力になりそうですが、何れにせよ、リボンの電気抵抗が大き過ぎて、発生起電力に対し十分な負荷電流、電気的反力が望めないのです。磁束密度増加は勿論有効ですが、電気抵抗に改善策はないでしょうか。リボンを厚くして電気抵抗を下げようとすると慣性質量が増大し、高域応答が損なわれます。現状の3dBダウン上限周波数foを試算してみましょう。1.8μmアルミ薄膜の単位面積質量 2700*1.8E-6 = 0.005 kg/m^2 の音響インピーダンスが、表裏合算媒質音響固有インピーダンスに一致する点として概算します。 400*2 = 2*π*fo*0.005 と置いて、fo = 25 kHz が得られます。厚みはすでに限界、電気反力適正量への増加は不能です。効率を上げる為には、帯域、マグネットの磁束密度と共にリボンの導電率/比重 が制約になる事が知れました。 ダイアフラムを用いても、本質的に効率は上がらない筈です。ボイスコイルを高磁束密度下に置ける一方で平均比重は増大します。ちなみに巻き数の自由度は解決策にはなりません。巻き数を2倍にすれば起電圧2倍ですが、同体積の下、断面積1/2倍で線長2倍、出力抵抗値が4倍となり有能出力電力に変化はありません。高域を諦めない限り導体体積は増やせず、やはり、電気反力不十分は必至です。ご紹介いただいたダイナミックマイクSM58の変換効率も大差ないのは納得です。 速度型、圧力型というのは、音響対電気インピーダンス不整合の最たる対極状況と推察されます。意地悪な見方をすれば低効率の別称です。音響と電気がインピーダンス整合し高効率なら、速度とか圧力とかの区分は消失します。 スピーカーもシングルコーンでフルレンジならば、上述マイク同様、ボイスコイル抵抗損の塊で、効率1%近辺かもしれません。実情は帯域分割することで、インピーダンス整合、高効率化に対する自由度を得ているように見えます。
お礼
整合状態では効率 1 % 弱になるのですね。 スピーカーの効率1%は92dB/wなので納得できます。 効率が悪いのはリボンに適正な電気的反力(磁力による制動抗力)を与えるだけの負荷電流が生じないのですね。 裏面にも感度を残す場合に関係すると思いますが、 指向性マイクの圧力傾斜形の説明では背面に逆相の遅れた音が前面の振幅を抑える働きをして低音ほど1/f倍に低下するとされるのは背面に音が回るのが原因のようです。 ですが、音流(粒子速度)の振幅は低音ほど1/f倍で大きいので相殺されてフラットになるから振幅変位と出力電圧が比例するコンデンサー型では音流に沿う形でフラット出力できていると思います。 でも、ダイナミック型では低音ほど1/fの大きな振幅の速度にしないとフラット電圧に出来ないので低音ほど1/fで大きく振幅出来るようにfo(Fs)を低くしたり共振度合いを調整しているようです。 リボンの高域応答が実用上十分な25 kHz位になるのですね。 ダイアフラムを用いても効率が上がらないのも同感です。 空気は1リットルで1.2gしかないので音波の媒体としては効率が悪いのだと思います。 本質的に、粒子速度(音流)を感知して指向性が在る速度型マイクと, 音圧を感知する全指向性の圧力型マイクとに2分類されています。 コンデンサー(静電)型とダイナミック(動電)型の変換特性区分では構造や効率の違いなどもあると思います。 詳細解説の先例が見当たらないので大変参考になります。 回答ありがとうございます。
- veryyoung
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回答2に関するコメント拝見しましたが、少し誤解されたかと思います。 >マイクアンプ増幅が30倍とすると。音流にリボンが揺れる実際の度合いはその3%位になりそうですね。 当該マイクはパッシブで仕様出力電圧はマイクアンプ無しのものと理解しています。他のクラシックな製品も調べましたが電圧値は妥当です。内蔵トランスの昇圧比の件は、リボン起電力を昇圧して仕様出力電圧と比較し、空気とリボンの振動の乖離を見る為で「ほぼスリップなし、100%に近い追従」というのが私の結論です。コメント欄の「30」は不可解です。 なお、媒質変位速度と音圧傾斜(圧力勾配)は、振動板の質量を介して見た場合、類似の速度を与えます。圧力勾配は波長をイメージすれば明白なように周波数に比例。ゆるく懸架された振動板は表裏の圧力差を質量で除した加速度で運動します。振動板の速度は、加速度の1階積分(周波数反比例)ですから、結局、媒質変位速度に比例します。 前回答中「前後 2、3 mmの空気層の淀み」「空気に溶け込む」など表現しましたが、実は圧力勾配による試算から得た知見です。単純に 薄膜 1.8μm 表裏圧力差の現象などと考えると3桁も見誤ってしまうのです。参考まで。
お礼
回答ありがとうございます。 ・リボン幅: 4.7 mm ・リボン長: 59.7 mm ・出力インピーダンス: 270Ω = 0.5T * 0.05mm * 0.0024m/s * 30 = 1.8 [mV]と計算して頂いたのを早とちりでトランス比30だけ1/30=3.3%だけリボンが揺れ動いていると思い違いしていました。 私案の計算してみました。 1m2で1Pa^2/400Ω=0.0025Wなのでリボン幅0.0047m*長さ0.0597=面積が 0.00028059m2とすると、0.0025W*0.00028059m2=0.75uWの音力を受けているはずです。 それを受けて、2.5mV(270Ω)出力で0.0025V^2/270Ω=0.023uW出力になるので、出力0.023uW/入力0.75uW=0.03=3%効率と言う計算でも良いでしょうか? ダイナミックスピーカーの3%効率は97dB/w.mでそれ位と思うし、変換効率はリボンが軽いので空気の変位運動量をかなり受け止められていると思うので、効率の主因はリボンと磁力の関係かなと思います。 なお、リボン型原理同様の音圧傾斜形SM58などのボーカルマイクも振動板半径0.008m位とすると、0.0002m2でリボンと同じ位の振動板面積になるので同様に音流に揺られていると思います。
- veryyoung
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周期は周波数に反比例、空気の変位速度は周波数依存なく音圧に比例、従ってリボンは、変位追従の前提で、同一音圧に対し低音ほど大きく振れることになります。起電力は磁束を切る速度に比例するのですから、仕様書の周波数特性がフラットなら、追従振幅の低域増大は実証されています。もっともフラットなだけでは、周波数一律スリップの有無、割合の桁まではわかりません。 大略値を実例 AEA R84 で確認してみましょう。 https://ribbonmics.squarespace.com/r84 音圧 1 [Pa] に対し、-52dBv つまり 2.5 [mV] とあります。この電圧が出てくるか空気の変位速度で勘定してみましょう。まず、 変位速度:= 音圧[Pa]/(音速[m/s] * 空気密度[kg/m^3]) = 1 / ( 345 * 1.2 ) = 0.0024 [m/s] ・リボン厚: 1.8 μm アルミ製 ・リボン幅: 4.7 mm ・リボン長: 59.7 mm ・出力インピーダンス: 270Ω nominal リボンの抵抗は 0.2Ω程度と計算され、その他 0.1Ωを仮定すると、昇圧トランス巻き数比は sqrt(270/0.3) から、1:30 程度と推察されます。またリボン部位の磁束密度の記載はありませんが、典型値 0.5 [T]と仮定すると、 電圧:= 磁束密度[T] * リボン有効長[m] * 速度[m/s] * トランス昇圧比 = 0.5 * 0.05 * 0.0024 * 30 = 1.8 [mV] 仕様に近い電圧が得られました。大きくスリップしている事は無さそうです。いくらリボンが軽いとは言え、空気との密度比は2千倍もあります。それでも追従できるのは、幅と厚さの比も2千倍あって密度比を克服、空気に溶け込めるからでしょう(細線のように動かされる前に空気がスルッと後方に回り込まないので、空気の変位運動量を受け止められる。前後 2、3 mmの空気層の淀みは等価的にリボンの一部として集中定数的に動作するのでは・・)。隙間なく配置された両枠のバッフル効果も有用です。 全くの門外漢です。不可解な点はご指摘ください。
お礼
リボン型マイクのリボンの振幅が低音ほど大きいことが周知されていないのです。 1Pa 94dBの音波で、リボンマイクの感度が-52dB 2.5mVでの計算を理解できました。 1Paの音流(変位速度/粒子速度)は1Pa/ρc=1/(空気密度kg/m2*音速)=1/(1.2*340)≒1/400=0.0025m/sで、空中の振幅変位(um)をPa*550/周波数の簡易計算すると、 20Hzで27.6um 630Hzで0.9um 20000Hzで0.03umとなり、 20Hzと20kHzの振幅は1000倍60dBの違いになります。 マイクアンプ増幅が30倍とすると。音流にリボンが揺れる実際の度合いはその3%位になりそうですね。 2倍6dB/octで低音ほど大きな振幅に揺られてリボンが振幅するけど、ダイナミック型はコイルに発生する電圧が低音ほど小さく感知する速度型特性なので、フラットに感知することに関連して速度型と言われることもあると思いますが、 リボン背面にも音波が来るので音流の速度を感知できると言う特性のことからマイクの分類上では、方向を感じる指向性がある速度型(音圧傾斜など)の方が正しいように思います。 すばらしくて大変参考になった回答をありがとうございます。
振動の大きさは、周波数ではなく音圧(音の大きさ)です。 音は、空気の波として伝わるもので、寄せ波と引き波があります。 寄せ波と引き波の速さが周波数で、波の高さが音の大きさです。 同じ波の高さなら、高音でも低音でも変わりません。 でも、波の高さが高ければ、リボンの稼働範囲を超えて壊れます。 これがリボンマイクの弱いところです。 なので、吹きに弱いというのは、空気の圧力で大きな波が来たのと同じことが起こるのでリボンや電気に変える部分の接合部分などがダメになってしまうわけです。 あとは、低音って、ズンドコ系のように大きく出したがる人がいるので音圧で壊れることも結構あるようですね。
お礼
回答ありがとうございます。 学校で粒子速度や振幅の音流のことを教えないので空中音の振幅が周知されていません。 音は音圧だけの説明が多いですが、音流(粒子速度)の説明でも同じ値になります、 それで空中の振幅変位は音流(粒子速度)の1/fで低音ほど大きくなります。 振動の大きさは、音流で空気の波として伝わりますが測定困難なので音圧での表示が主流です。 高音圧の寄せ波と低音圧の引き波があり、中間は音圧が低くて、基準点では音圧がゼロですが、音流は一定で等速円運動2π*周波数(ω)です。 寄せ波と引き波の速さが周波数で、波の高さの音圧は周波数が違っても変わりませんが、 同じ値の音流は低音ほど振幅変位が1/fで大きいです。 声や楽器やスピーカーでさらに低音ほど1/fで振幅しないと位相遅れで音にならない虚部が在り、 音流で低音ほど1/fで振幅が大きくなってないとフラット音圧は特性にならないのです。 虚部のせいでトータルで1/f^2で低音を出すには大きな振幅が必要になってしんどいのです。 リボン型マイクは音が来る音流の振幅に合うようにリボンが振幅する速度型マイクに分類され、ダイナミック型で低音ほど1/fでリボンの大きな振幅がないとフラット特性に出来ませんが、 低音ほど1/fで大きな振幅の音流を受けることでリボンが低音ほど大きく振幅してフラット特性に出来るはずです。 なおポップノイズの吹きに弱いのはマイク全般のことで風防や距離で対策してます。 リボン型は音流に忠実に動くように作られるので特に弱いことは分かります。 このように理解しているのですが間違いでしょうか?
お礼
Web上で近接効果説明を唯一見つけた記事ですが、 1+1/(1+jkr)だけ低音側の利得が上昇する現象をいう。 https://kotobank.jp/word/%E8%BF%91%E6%8E%A5%E5%8A%B9%E6%9E%9C%28%E9%9F%B3%E9%9F%BF%E5%AD%A6%29-788449 dp/dr = -jk(1 +1/(1+jkr))p は1+が余分で誤っていて 正しくはdp/dr=-jk(1 +1/(jkr))pですよね。 絶対値は、k{√(1+1/(kr)^2)}pで良かったと思います。 1+が実部で1/(kr)^2が虚部でシミュレーションして理解できています。 計算して頂いてありがとうございます。 専門書でも球面波の実部と虚部の関係が近接効果の発生する理由であると説明されています。 近接効果の説明は圧力成分よりも粒子速度の低音ほど大きな振幅で考察した方が分かりやすいです。 背後に音が回るのか?と最近まで試行錯誤していましたが、Shre社の音圧一定での説明で低音が小さくなるのはhttps://achapi2718.blogspot.com/2013/07/proximity-effect-audio.htmlでも試されているように低音が小さくなるのは正しいようですが、完璧に-6dB/octにはならないです。 圧力は均等に生じて距離に逆比例して低下しますが、 音源近くでは90度遅れて音圧にならない大きな虚部も混在して出力されて距離の二乗で逆比例して低下して遠くでは影響が微小になります。 速度型マイクは、音圧の実部と虚部も同時に感知するようになるので距離の違いで周波数特性が変化するので 50cm前位の測定で比較的フラットな周波数特性だけを公表して、5cm前などで低音が大きくなる近接効果をあまり説明しません。 単一指向性ダイナミックマイクはダイアフラム後部に孔が開いて後方音からの粒子速度の運動量はダイヤフラム表裏において垂直なベクトルではないけど圧力は回り込んで揺動させて指向性が生じる説明で良いと思います。 ダイアフラム後方の孔位置や大きさなどで指向性特性が決まるはずです。 両指向性マイクはそれが極端な例と思います。 周波数がフラットの場合に、 コンデンサーマイクは振動板の変位振幅で出力する静電特性でフラットに出力されますが、 ダイナミックマイクは粒子速度に感知する動電特性で出力するので低音ほど大きく1/fで振れてこそフラットに感知する設計になっています。 近接効果の原因は球面波特性による虚部を速度型マイクが感知するためであるのは確実です。 速度型マイクが距離で特性が変わることもかなり秘密にしていたり、球面波で空中に出る音の振幅が低音ほど大きいことも学校で教えていないので普通は粒子速度(音流)の中の音圧でしか説明しないために私がそうだったように分からない人がほとんどです。 コンデンサーマイクとダイナミックマイク、指向性マイクとダイナミックマイク特性で振動板と出力の関係説明の先例がほとんどないので私案が分かってもらえにくいと思います。ここでhttps://okwave.jp/qa/q9742796.html図示で質問しましたのでご意見願います。