つまりですね。
今微分作用素をDと書くことにして、左辺の D^2 y + P(x) Dy + Q(x) yというのを、一旦 L(y)という風に書くことにします。
つまり、「L」というのは、ある(2回は微分出来る)関数 f が与えられた時に、(D^2)f + P(x) Df + Q(x)fを返す、という、関数を引数として関数を返す作用素と考えるわけです。
もっといえば、実数体上の実数値関数全体を V、実数値上の実数値関数で2回微分出来る関数全体をWとすると、LはWからVへの写像となっている訳です。関数空間から関数空間への写像ですね。ここで、実数体をRと書くと、WやVは R上のベクトル空間となっているのはいいですか?
で、LはWからVへの写像といいました。繰り返しますが L(f) = (D^2)f + P(x) Df + Q(x) fでした。で、『線形』微分方程式、と言っているのは、この 『L』が(WからVへの)線型写像となっていることをいうのです。つまり、具体的にはa, bを任意の実数として、
L(af + bg) = a L(f) + b L(g) (★)
が成立していることを言っているのです。実際(★)の左辺と右辺を計算すると一致するでしょう?
で、同次微分方程式というのは、今の場合 L(f) = 0となる f全体を求める事を意味している、つまり Lの核 ker(L)を求めることを意味しています。これは Wの部分ベクトル空間になっています。なぜなら Lが線型写像であるから。 つまり、f∈ker(L), g∈ker(L)なら、 L(f)=0, L(g) = 0であって、このとき L(af + bg) = a L(f) + b L(g) =0、つまり af+bg∈ ker(L)であって、つまり 解の線形結合はやはり解になっている。
繰り返しになりますが、これは Lが線形性をもつ事、つまり (★)に基づいています。
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