「多面的に捉える」ということと「総合的に判断する」というのは同じではありません。「多面的に捉える」方は、何かの事柄について考える場合、Aの方向から考えたり、Bという方向から考えたり、Cという方向から考えたりすることです。一方「総合的に判断する」のは、何かの事柄があった場合、多面的に捉えるとか、俯瞰的な見方をするなどしたのちに、何らかの決断を下すことを意味します。
「はしのうえのおおかみ」という短い物語がありますので、引用させていただき説明したいと思います。
一人しか渡れない一本橋。
オオカミがそこを渡っていると、小さなウサギが向こうから来ました。
「戻れ、戻れ!オレが先に渡るんだっ!」オオカミは怖い声で言いました。
「えへん、えへん!」オオカミは、このイジワルがとても面白くなり、
狐と出会っても、狸と出会っても、「戻れ、戻れ!」と追い返します。
しかしある日、橋の上で、大きくて強そうなクマと出会ったオオカミは、
イジワルをされると思い、あわてて 「私がもどります・・・」 と言いました。
しかしクマは、「 ほら、こうすればいいのさ 」 と言ってオオカミを抱き上げ、
ストンと後ろに下ろしてやりました。
オオカミは、去っていくクマの後ろ姿をいつまでも見送りましたー・・。
これを多面的に捉えた場合、ウサギの目線や心情からオオカミの行動を考えたり、オオカミ目線から考えたり、クマ目線から考えたり、一本橋という地形のことを考えたり、その物語の世界を考えたり・・・と、さまざまな方向からさまざまな分析ができるでしょう。そして、これを総合的に判断した場合、クマのとった行動は我々も見習うべきだという判断が下されるのではないでしょうか。あるいは、人によってはそれとは違った判断が下されるかもしれません。
ということで、【多面的に捉える】=【総合的に判断する】というのは違うと私は結論を出しました。
お礼
marukajiri様 ご回答いただき、どうもありがとうございました。