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データムの位置の影響とは?
- データムの位置が寸法線と合わさっている時と合わさっていないときの違いについてわかりません。
- 異なる領域が対象となるとどのような影響が出るのでしょうか?幾何公差によっては影響がないこともあるのでしょうか?
- 具体例を交えて説明してくださると助かります。
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ちょっと話を分かりやすくする為にまずデータムではなく公差指示の場合 板に円筒のボスが立っている時の直角度 (1) (2) φx ┌─┬──┬─┐ →├───┤←│┴│0.01│A│ │ │ └─┴──┴─┘ │ │ │ ┏━┿━┓ ┏━━━┓ ┌─┬──┬─┐ ┃ │ ┃ ┃ ┃←│┴│0.01│A│ ┃ │ ┃ ┃ ┃ └─┴──┴─┘ ┃ │ ┃ ┃ ┃ ┃ │ ┃ ┃ ┃ ┏━━┻━┿━┻━━┓ ┏━━┻━━━┻━━┓ ┃ │ ┃ ┃ ┃ ┗━━━━━━━━━┛ ┗━━━━━━━━━┛ ▼ ▼ │ │ A A (1)直角度が規定されるのはボスの中心軸 (2)直角度が規定されるのはボスの外表面 例えばボスにテーパが付いていたり外径が歪んでいても (1)ではその中心軸さえ傾いていなければ外径の歪は無関係ですが (2)ではアウトになるかも知れません。 同じように、円筒に真直度を指示する場合にも、 対象が軸線だとテーパやクラウニングが有っても無関係 対象が母線の場合だとそれらの影響が出てきます。 では公差ではなくデータムの指示を軸線にするのか、母線にするのかの違いですが データム円筒の軸線はあくまで1本の直線ですが、 円筒の母線は、その円筒に歪があると円周方向に位置によって変位します。 この指示の違いによって測定方法も変わって来ます。 軸線をデータムとした場合(参考URLの図4)には 円筒にピッタリ嵌まる穴や軸を基準にして測りますが、 母線をデータムとした場合(参考URLの図5)には 円筒をVブロックで受けて測るような方法を採ることになります。 データムの真円度が悪い場合に両者の測定値が変わってきます。 データム形体はあくまで理論的に正しい形状に置き換えて扱うので その辺りが公差形体の場合とちょと扱いが異なります。 他にデータム記号の付け方で意味が大きく変わってしまう例として (あまり良い例では無いかも知れませんが) 例えば“板”の側面をデータムとする場合に (3) (4) ↓ ↓ ─┬─┏━━━━━━━┓ ┏┓ ─┬─┏━━━━━━━┓ ┏┓ │ ┃ ┃ ┃┃ │ ┃ ┃ ┃┃ │─╂── ─ ───╂─ ┃┃ │ ┃ ┃ ┃┃ │ ┃ ┃ ┃┃ │ ┃ ┃ ┃┃ ─┴─┗━━━━━━━┛ ┗┛ ─┴─┗━━━━━━━┛ ┗┛ ▼ ↑ ▼ │ │ A A (3)データム記号を寸法線に合わせると、データムは両側面の中心平面 (4)データム記号を寸法線から離すと、データムは片方の側面(上図だと下側の面) 外形寸法がばらついても中心からの位置が大事なら(3) 片側の面だけが基準になるなら(4) あと『同心度』『同軸度』などの最初から中心が対象となる公差を母線に指示したり 『平面度』『円筒度』『円周(全周)振れ』などを軸線に対して指示するのは 厳密に言えば間違いになると思います。 とは言えそれによって扱いが変わる事は無いでしょうから実害はあまり無さそうに思います。 ?はい、そうです。 例えば(1),(2)の図でボスが円筒では無く、テーパ付きのボスだったとしたら (1)の指示は成り立ちますが、(2)の指示は成り立ちません。 テーパの母線は必ず傾斜していますので。 ? 例えばその参考URLの図4,図5のデータムAがテーパーだとしたら 図4の場合は特に変わりは有りません。 図5の指示では、データムはテーパー面に沿った斜めの母線になります。 テーパの母線は円周上のどの位置で取るかで方向が変わりますよね。放射状に。 それは円筒でも同じことで、実際の円筒には誤差はあるので、母線の指し示す方向も 円周上のどの位置で取るかで変化しますから、それが対象となる幾何公差の測定にも影響します。 ? はい、そう言う事になると思います。 実際にはそう言う場合、現場の方で勝手に解釈を変えてくれると思いますが 時には設計者の意図しない測定をする場合もあるので良し悪しあると思います。
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> データムの位置が寸法線と合わさっている時と合わさっていないときの違いがよくわかりません 貴殿が既読のURLの図4と図5に示す内容が違いです。 “データムの位置が寸法線と合わさっている時”は、軸線あるいは中心平面となります。 この意味は、幾何公差指示形態が 例えば同軸度φ**とした場合(軸線を指示する場合)は軸線で、 例えば同軸度**とした場合(矢印と平行方向の中心平面を指示する場合)はデータムと 平行方向の中心平面で、(データムと幾何公差指示が同じ面上で記載されるので気付かないが) となります。 ≪記載例をよく確認すると、φが付いた時は全周囲で、付いていないと矢印面指示となっています≫ “データムの位置が寸法線と合わさっていない時”は、母線指示⇒円筒であるので矢印と併行の 外周面となります。 ≪図4と図5の図形例がよくないので解り難い、段付き円筒形状の一面がカットされた形状なら そのカット位置に対して矢印で示す面となり、理解し易くその一面だけとなる≫
お礼
ありがとうございます。
違いについてはお読みになったWebページの図4、図5がすべてです。 寸法線とずれている:データムの付いている面を指す。 寸法線の延長にある:寸法線で指定した形体の中心を示す。 円筒など閉じた曲面なら中心軸 平面など開いた面なら中心平面となる。 幾何公差への影響ですが、データムの場合は指定を間違えると基本的に公差が破綻します。公差域の設定が出来なくなったり、明らかに意味のない公差になります。 (間違い方が一定なので現場で自動翻訳してくれることも多いとは思いますが…) 位置度公差については基準が変わるから指定間違いは危険かも。 (三次元測定器の使用を前提にしないと中心平面を基準にするのは非常に困難ですが…) 幾何公差の指定で間違えると不適切な公差域の設定で意図した物と違う形状になったりします。 例:段付きピンみたいな形状で円周振れ公差を指定する時 寸法線とずれて指定: 基準軸に垂直な断面は基準軸を中心とした円になっている必要がある。 みたらし団子みたいな形状でも良いけど、とにかく丸い。 寸法線の延長に指定: 基準軸に垂直な断面の図心は基準軸を中心とした円に収まっている 必要がある。 断面がおにぎり型とかでもOKになってしまう。 カムで上記間違いをやらかしたら使い物にならない。 公差の破綻の例だと同軸度があります。 同軸度公差域はデータムで指定した軸を中心とした円筒の領域です。 この円筒の中に公差で指定した形体の軸が入りきっていることが求められます。 http://www.natuo.com/kikakousahure-mu4no4no11douzikudodousinndo.htm http://www.seimitsu-sokutei-gauge.com/fundamental-knowledg/210.html ここでデータムを寸法線からずれて書いてしまうと、データムは円筒面が指定されたことになります。 円筒面は軸では無いので公差域の円筒領域を計算し設定することはできません。 このため公差が破たんすると表現しました。 >・基準軸と図心の違い 基準軸:データムで指定した軸 図心:公差を指定した形体の断面から計算される図心です。 >・この例の触れ公差は寸法線の延長にあるのでしょうか? 公差の矢印が寸法線の延長にあるときと、ずれているときの違いを書いています。 データムは正しく寸法線の延長に書いてある前提です。 >・寸法線とずれているほうがとにかく丸いということは、この場合のほうが形状を厳しく指定しているという解釈でよろしいのでしょうか? そう言う解釈でいいです。 寸法線の延長に書いてしまうと同軸度とほぼ同等になってしまい、わざわざ振れ公差にする意味がありません。 むしろ公差域の指定が半径と直径の違いで同軸度よりも緩い指定になります。(振れ公差0.1=同軸度φ0.2となってしまう。) 振れ公差を軸に適用することが可能なのかは不明ですが。 http://cp.misumi.jp/tech/tech12.html
お礼
ありがとうございまう。 http://www.seimitsu-sokutei-gauge.com/fundamental-knowledg/210.html は参考事例載っており勉強になりそうです。
補足
ありがとうございます。 できればもう少し詳しく伺いたいのですが、 >データムの場合は指定を間違えると基本的に公差が破綻します とありますがそれはデータムの支持位置が寸法線とずれているかずれていないかで発生するのは、どのような場合でしょうか? また、例で挙げられている部分の以下の3点についていまいち理解が及びませんでした。 ・基準軸と図心の違い ・この例の触れ公差は寸法線の延長にあるのでしょうか? ・寸法線とずれているほうがとにかく丸いということは、この場合のほうが形状を厳しく指定しているという解釈でよろしいのでしょうか? よろしくお願いします。
>データムの位置が寸法線と合わさっている時と合わさっていないときの違い ・参考URLの最下段の2つの図において 軸線あるいは中心平面を指示する場合と母線を指示する場合の違いについては まづ前者の理論中心である軸線あるいは中心平面では誤差が其れ自体に含まれ ていないのでデータム公差数値がそのまま測定対象物の測定値になるだろう。 (理論中心は三次元測定機なり計測器が割り出す架空の中心だろうねぇ~) 後者の母線を指示する場合(寸法線と合わさっていないとき)は母線には既に うねりや軸線のズレなどの誤差が含まれることが容易に予想できるだろうから もし同じデータム公差数値であれば此方の方が厳しいものとなるだろうと思う 車載部品や量産部品等の厳しい品質を保証するには幾何公差は必要不可欠だ。 しかし私ら中小零細企業ではそのように使用し指定すれば、相応の検査も必要 になるから現実的ではないので設計者が適宜に判断し製図することになるが、 此処が最大の問題。設計力の無い会社は豚に真珠の諺に似たりの感があります
補足
ありがとうございます。 三次元測定機をよく知らないため理解が間違っているかもしれませんが、円筒側面をデータムとして取った場合(意味があるかは置いといて) 軸線あるいは中心平面を指示する場合→底面中心と上面中心を結んだものをが基準となる 母線を指示する場合→円筒を側面がそのまま基準となる ということでしょうか?
寸法に入っているか(実像はない・理論値はある) 面に入っているか(実像がある) 現場からすれば 中心ってどこだよ 設計者からすれば 理論的中心だ 私からすれば こまけーことなんかいいんだよ
お礼
ありがとうございます。
お礼
ありがとうございます。おかげで理解することができました。
補足
図を入れての丁寧な回答ありがとうございます。ある程度理解はできたと思います。 できれば3点ほど伺いたいことがあります ・初めの直角度の例についてなのですが、図(1)は極端な話、目でわかるくらいくびれていても中心さえデータムに直角であれば問題にならない、(2)は問題になるということでしょうか? ・>円筒の母線は、その円筒に歪があると円周方向に位置によって変位します。 >この指示の違いによって測定方法も変わって来ます。 >円筒にピッタリ嵌まる穴や軸を基準にして測る >円筒をVブロックで受けて測るような方法を採る この文章をいまいち理解できませんでした。円周方向の変位と指示の違いにどのような関係があるのでしょうか?測り方が2つ示されていますがこれはデータムの測り方でしょうか、それとも幾何公差の測り方が異なってくるという意味でしょうか? ・>同心度』『同軸度』などの最初から中心が対象となる公差を母線に指示したり『平面度』『円筒度』『円周(全周)振れ』などを軸線に対して指示するのは厳密に言えば間違いになると思います。 とありますが、厳密に図面を書く場合は指定する幾何公差によって、データムの位置を寸法線上かどうか変えなければならないという解釈でよろしいでしょうか?(軸線を合わせる同軸度の、データム基準に外周面は取れない) 以上、長文になりましたができればご回答をお願いします。