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アルマイト処理の放射率について
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アルマイト処理とは,乱暴にいえば,アルミの表面に酸化アルミの被膜をつ けることです。 金属光沢をもったアルミの放射率が極めて低い(=反射率が極めて高い) のに対して,酸化アルミ(=アルミナ)の放射率が高い(1に近い)ので アルマイト処理すると放射率が上がります。 もう少し詳細には,アルマイトの多孔質構造が放射率を上げる(=赤外放射 を吸い込みやすくする)のに寄与しているでしょう。 少々見方を変えて, 赤外放射も一種の電磁波ですから,マックスウェルの方程式に従った 挙動をします。アルミ表面での反射もこの電磁気現象として記述できること です。アルミ表面の反射は,抵抗率の極めて低い導体面での反射であり, 入射した電磁波はほとんど反射します。アルマイト処理した場合は,抵抗率 の極めて低い導体面の上に,誘電体(≒絶縁物)の薄膜がコーティングされ た面での反射現象となり,誘電体の厚さや誘電率により反射率に周波数特性 (=波長依存性)が生じることが説明できるはずです。 実際に定量的に解いたことはないので,偉そうなことは申し上げられません が,放熱に寄与している赤外放射の波長が数μmから十数μmであることを 考慮すると,放射率を向上させるアルマイト層の厚さは,赤外放射の波長程 度は必要であり,極端に薄い場合は下地のアルミの性質が優勢になりますの で,厚さも管理指標とすることをお勧めします。 封孔処理されていて,表面が平らであっても,導電性のよい金属アルミと, 導電性のない酸化アルミの微細構造ができると,放射率・反射率の特性が 異なってきます。このような構造を,マイクロキャビティーと言います。 分かりやすい解説がネット上に公開されていないか検索してみましたが, 残念ながら見つかっていません。 農工大名誉教授佐藤勝昭先生のQ&Aに問い合わせれば回答して頂けそうに 思います。まずは,どんなQ&Aがあるかご覧になるといいと思います。 http://homepage2.nifty.com/bussei_katsuaki/nandemoQ&A.html
熱の放射率が向上する事ですね。 簡単に考えると、素材は両方とも同じアルミで熱伝導率も良い。 表面は、 * アルマイト未処理;表面積は、素材形状のまま * アルマイト 処理;表面積は、微笑の凹凸があり増える にて、表面積が増える事により、放射率が向上するのではないでしょうか。
お礼
御回答有難う御座います。 アルマイト処理は通常、封孔処理され、凹凸がさほど無いと伺ったことがあります。 私が見た文献の放射率は封孔処理されていない状態だったのでしょうか?
僕は理論的に説明できませんが、 放射率+反射率(+透過率)=1 という法則があります。 黒体は光をほとんど反射しないかわりに放射が大きいので、放射率がほぼ1になります。 そして、問題のアルマイトですが、アルマイトをするとアルミの表面ががさがさになり処理前のピカピカの状態からくすんだ状態になります。 つまり、処理で反射率が下がり、その分放射率が上がっているというわけです。 参考に、表面状態と放射率の関係がおおざっぱにわかるサイトを紹介します。 Q1: 要約すると、「無色アルマイトは封孔処理をするので、放射率は高くならないのでは?」ということだと思います。 A1: 経験的ですが、アルマイト処理をする前後のものを比較すると、確実にざらざらになっています。つまり、面粗度が悪くなる = 反射率が下がる方向です。 (下記サイトをご参照ください http://www.mfcoat.jp/pc/free01.html) そして、封孔処理はもっと微細な話です。封孔処理により表面粗さが改善されるわけではありません。 (http://www.yoshizaki-mekki.co.jp/eigyou/al/al.html) Q2: 赤外線放射率と熱放射率は同じと考えてよいのでしょうか? A2: すいません、厳密に一緒かどうかは存じません。 ただ、放射率のばらつきを考えると、2つの差は問題でないと思いますが… (そこまで厳密かつ理論的な仕事をしてないもので)
お礼
御回答有難う御座います。 放射率と反射率に関係性がある事を知りませんでした。 この関係性から考えますと、黒色アルマイトは放射率が高いことが理解できるのですが、理解できない点がまだあります。 アルマイト処理をすると、表面に微細孔が出来るのは認識しているのですが、通常は封孔処理して孔は塞がれてしまうと伺ったことがあります。又、染色する場合も孔に染色剤が入ると伺ったことがあり、これを踏まえますと、表面は滑らかな為、無色のアルマイト処理では放射率は高くならないのでは?と思うのですが??? 又、赤外線放射率と熱放射率は同じと考えてよいのでしょうか?
それは黒色アルマイト(通称:黒アル)のことではありませんか? ヒートシンク・メーカーのカタログなどでも黒アルと処理ナシには差異があることを明示していることが多いですが白色アルマイトと処理ナシの差異についての資料は見たことがありません。
お礼
御回答ありがとうございます。 文献によりますと、 『放射率はアルミ素地で0.1~0.2、アルマイト処理で約0.8、黒色アルマイト処理で0.95まで高められる』と記載されていました。 ですので、アルマイト処理だけでもかなりの違いが出てくるのではと思うのですが??
お礼
御回答有難う御座います。 皆様の意見に共通していることは、多孔質構造になる為、表面に凹凸が出来放射率が上がるということですが、アルマイト処理で通常行われる封孔処理が引っかかっています。 酸化アルミの成分による放射率の増加ならば納得できたのですが、構造による増加と言うのが、封孔処理を無視しているようで納得できませんでした。 文章後半部分は、すいません私の頭では理解できませんが、多孔質構造による増加で厚さに影響されると理解します。