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棒鋼の引抜破談について
- 棒鋼の引抜破断には素材の偏析や形状が影響しています。
- 引抜くダイスの形状も破断の原因となります。
- リダクション率が大きすぎるか小さすぎる場合、破断する可能性があります。
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棒鋼を引き抜くということなのでドローベンチですね。質問者は初心者ということなので見方が分からないのでしょうが、本当は破断した破面を観察することでかなりの部分でメカニズム、原因は分かります。破断の破面が、延性か、脆性か、破断の起点が表面か、内部か、表面であれば、素材のキズ、変形、及びダイスとの焼き付き等との対応が無いか、内部からであれば、歪変形に沿ったカップアンドコーンの破面か、それとも素材の偏析、介在物等の内部欠陥を起点にしていないか等など色々な情報が読み取れます。こういった問題は相対的なものでありそれぞれが影響するので、一つの原因で説明出来ない場合があります。 例えば、表面のキズを起点にしていた場合でも、それが棒鋼メーカーのキズ保障以下のものであった場合、小さなキズから破断するくらい加工条件が厳しかったと言えるのです。その場合、加工条件を見直すか、棒鋼のキズ取り、削ったものから引き抜くか、頻度や破断の状況でいくつかの対策があるでしょう。 まだ貴方が挙げられた要因は、それぞれがあり得ることですが、それぞれが影響しあう関係にあることなので、実際に破断している状況を説明する場合には、それぞれの要因がどの程度影響しているのか、破断状況を的確に捉えなければなりません。破断状況を判断出来ないから、質問されているのでしょうが、引き抜き加工を実際に経験したことがある方に実際に破断面を見てもらうのが早道と思います。
原因としてあげられた4項目は専門的な観点の持ち主のようにも感じられますし、質問されている問題が抽象的なので、何を答えて良いかわかりませんが・・・ 引き抜き加工の一般論として考えましょう。 引き抜き加工には、引き抜きダイスをを用いる方法とローラーダイスを用いる方法があります。引き抜き応力は、ダイス形状、断面減少率(リダクション率)、素材の変形抵抗などの影響を受けます。当然のことながら、引き抜き応力が材料の引っ張り強度を超えれば破断となります。 ダイスのアプローチ角は12°30°の範囲で加工材料によってことなります。これが不適切だと、大きな引き抜き応力が発生し、破断に至ります。ダイスの摩耗や傷・割れの発生があれば引き抜き抵抗が大幅に上昇するので破断の原因となります。 ダイスと素材の摩擦抵抗を減少するために潤滑油を用います。鋼線のダイス引きでは石灰石けんなどによる前処理を行い、金属石けんを潤滑剤として用います。 ダイス引きされた材料は、中心部よりも表面部の方がせん断変形が大きいので、外周の硬度が高くなり、中心部には圧縮応力が残ります。この現象がダイス引き加工の特徴と言えましょう。 ダイス引きが連続する線加工では中間鈍し工程を入れて、残留応力の除去と均質化を図ります。 小リダクション率のマルチパスでは中心部にクラックが入る(セントラルバースト、シェブロンクラック)ことがあります。 ピアノ線などのダイス引きでは加工熱のためぜい化するので、ダイス出口の線材を水冷しています。