回答困難な御質問が続いているようですが、先にこちらから。
「はくはつ」と「しらが」は、
それ自体はともに「白髪」の異なる読みであることに変わりはないので、
これだけですぐに訳し分けるということはないと思います。
「紳士」と「おじさん」とお書きになっているところを見ると、
音読みと訓読みの違いからなんとなく感じる品格の違いということだと思うのですが、
これは日本語特有の感覚で、ドイツ語の「白髪」にあたる単語の違いのみに
相応のニュアンスの違いを見つけようとしてもそれは無理でしょう。
そもそも、音読みの方が訓読みよりも重みがあるというのは、
「白髪」という言葉に限ったことではないのではないでしょうか。
組み合わされる語の読みにも合わせるので、和語と漢語の統一ということもあります。
「白髪の老人」なら、どちらも音読みにするのが自然だと思いますが、
この場合の「はくはつ」のニュアンスは割と中立的で、
特に品格を強調するものとは感じません。
これは、「紳士」と「老人」の違いからくるので、
「はくはつ」という読みのニュアンスは必ずしも絶対的なものではないと思います。
そう考えると、ドイツ語でもHerrとAlterが使い分けられていれば、
「白髪の」の部分にはこだわる必要はあまりないといえます。
日本語には、もう一つ「銀髪」という言葉があり、
こちらは「きれいな白髪」の意味として辞書にも出ています。
そして、ドイツ語や英語にも「銀髪」にあたる語はありますが、
これが品格と関係するかどうかは疑問です。
少なくともドイツ語で検索する限り、男性を表す丁寧な語であるHerrと
「銀髪の」という意味の形容詞silberhaarigの組み合わせは意外に少ないのです。
これは、女性を表す丁寧な語Dameで調べても同じ結果で、
日本語の「銀髪」のような特に美しいという文学的表現にもなっていないようです。
グレーという色の名前は、時にネガティブな意味でも使われるので、
weißとgrauの間にニュアンスの違いが出てきそうにも思われますが、
実際には白髪を言うのにgrauはごく一般的に使われ、
weißの方がより品が良いという使われ方にはなっていないようです。
Herr, Dameとの組み合わせでも、grauhaarigはごく普通の組み合わせで、
weißhaarigより若干多いくらいだと思います。
英語でも、white hairは使えますが、greyの方が一般的な表現だそうで、
silverは、白髪を婉曲にいうときに使うということですが、
「白髪の紳士」のような特に強調的な意味がない場合に対応する表現ではないでしょう。
ドイツ語にはergrauenという動詞もあって、
過去分詞ergrautを形容詞として使う方法がありますが、
これも必ずしも悪い意味では使うとはいえないようです。
そもそも、grau, silber, weißは、見た目の色調の違いそのものも表すことが多いので、
色名を変えることによってご希望のニュアンスの差は出せません。
schneeweiß/snow-whiteのような語も響きは良いですが、
これも「真っ白」という色調です。
「白髪まじり」を意味するgraumeliertという語もありますが、
これもいわばロマンスグレーといった感じで、俗なイメージはありません。
やはり無理だと思います。
あとは、実際に髪の色がどうかを表現する方向になりますので、
Ein Herr mit edlen/vornehmen weissen Haaren のような言い方になってしまい、
「白髪の紳士」の訳としては過剰です。
先週、諧謔詩のご質問が出た晩、ウィンドウズの自動アップデートがあったのですが、
翌日パソコンを起動したところ、迷惑なことに、
インターネット接続に必要なデバイスを消されていました。
いろいろ試しても直らず、パソコンのメーカーに電話でほかの復旧方法も教わったのですが、
どれもだめで、パソコンの再セットアップしかないと言われてしまいました。
それからが大変で、システム全体のバックアップがうまくいかず、
最終的にこれをあきらめざるを得ませんでした。
溜まったデータのバックアップを一つずつやって、
やっと今日になってインターネットに接続できました。
日にちがだいぶ空いたので、少しは回答がついているかと思ったのですが、
ここも随分とさびしくなっていますね。
仕事に遅れが出てしまったので、諧謔詩の御質問は回答できるかどうかまだわかりませんが、
あちらも翻訳するにはかなり無理があるようです。
お礼
そうですね。有り難うございます。 Ich bedanke mich bei Ihnen herzlich.