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ウイルスの生体外での不活化メカニズムとタバコモザイクウイルスの結晶化について
- ウイルスが生体外環境中で不活化する仕組みについて解説します。
- 一般的に、ウイルスは生体外では時間の経過や環境条件の影響によって不活化します。
- しかし、タバコモザイクウイルスは結晶化することで不活化から保護される特徴があります。
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私の知識不足の可能性もあるのですが,それぞれのウイルスについてそれぞれいろいろあるので,不活性化されることと不活性化されないで保たれる理由について共通した答えを示すのは難しいと思います。 あえて言えば,ウイルスは自分の機能を暗号化している核酸(DNAだったりRNAだったりしますが)これをウイルスゲノムとここでは呼びますが,そのゲノムとそれを取り囲むカプシドってタンパク質によって存在します。カプシド(英: capsid)は、ウイルスゲノムを取り囲むタンパク質の殻のことだとおもってください。さらにそれらを包み込むエンベロープって膜がありそれで保護されているウイルスもいます(これは全てではありません)。じゃあエンベロープがあるほうが丈夫ですか?と言われるとそうでもなくてHIVなどもエンベロープを持っていますが空気中での安定性はかなり低いですし,エンベロープを持つ方がアルコールに弱いとされています。でもおそらく体液内や粘膜上など水分がある状態での安定性が高い必要があるからそうゆう物を獲得したのでしょうね。実際HIVは体液感染で広がっていきますから。 ウイルスが細胞に取り込まれるのは,カプシドが細胞膜にとりついて細胞がエンドサイトーシスっていう取り込み現象によって入り込んでしまうので,このカプシドの表面が水分や逆に酸素や感想に弱かったり強かったりすることで,ウイルスの寿命は決まってきます。 ちなみにタバコモザイクウイルスはなぜ不活性化しないし研究がなされているのか。 それは,タバコモザイクウイルス一番最初に見つかったものだからです。 一見答えになってないようですが,その当時ウイルスという概念は全くなかったわけで,菌しか病原性を持つものは知られていませんでした。でも目に見えない濾過してもすり抜けてしまう得たいの知れないものでした。そこでこのウイルスは最も研究がなされたものですが,その理由は荒っぽいことをしてもそのウイルスが失活しないから研究を続けられたのです。 失活しない理由はたぶんあまりよくわかっていないと思います。一番最初に見つかったのがHIVであれば,すぐに失活してしまいいろんな研究が全然進まなかったと考えられます。例えばウイルスの構造を知りたいと思って結晶化後構造を解析しても,まだ結晶化した後も感染能力を維持していてくれれば,いま結晶化して解析したこの構造は意味がある構造だと証明できますよね。でももし一番最初に結晶化したウイルスが,結晶化したら失活したとなったときに,折角構造がわかってもその解析で得られた答えが正しいと証明できなくなります。もしかしたら裏返ってるのじゃないの?とか意味の無いもの解析したのでは?と言われてしまうからです。 原因と結果が逆説的なのですが,目に見えないものを解析しているためにこのような事が起きるのですね。 何かのご参考になれば幸いです。
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- skp026
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以下に、ウイルスが不活性化する時の仕組みや ウイルス毎の情報があります。 http://kanpoken.pref.yamaguchi.lg.jp/jyoho/page5/syoudoku_4.html エンベロープの有無や材質からの説明がありますから もし納得いかないときは、それらをキーワードに 掘り下げていくと良さそうです。
お礼
面白いリンクをご紹介頂きありがとうございます。エンベロープを持つ有用性とかも気になるので追って探ってみます。
お礼
ありがとうございます。丁寧に説明していただきバイオに疎い私でも理解出来ました。案外デリケートな構造をもつウイルスも有り得るんですね。タバコモザイクウイルスは典型例だと思っていましたがそうでもなさそうですね。