「風そよぐ」は正しい?
「そよぐ(戦ぐ)」を辞書で引くと、どの辞書でも「風に木の葉などがそよそよと音をたてているさま」などと書いてあり、一見したところ「風そよぐ」はおかしように感じます。「そよぐ」のは風ではなく、あくまでも葉や穂の方ですからね。
しかし、一般に「風そよぐ」が使われているのは、百人一首の98、
「風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりけり(従二位家隆)」
を本歌として引いたものだと考えられます。
この歌は、京都にある「ならの小川(御手洗川)」と樹木名の「楢(なら)」が掛詞になっているので「風そよぐ」が成り立つのです。つまり、「風そよぐ」と書いてはありますが、実際は「風に楢の木(葉)がそよいでいる"ならの小川"の夕暮れは……」という意味だからです。
ただし、掛詞以降の部分をぶった切って「風そよぐ」だけを引いてしまう
ってアリでしょうか?
「風たちぬ」のイメージからきているような気もしますが、そもそも「風がそよぐ」という使い方は許容範囲なんでしょうか?
お礼
有難う御座いました 暴力団が言ってました