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地球の中心を貫く井戸の気圧

小学生の時に読んだ話ですが:地球の中心を通して真っ直ぐなパイプを向こう側に突き抜けるまで刺す。この井戸に飛び込めば、「地球の裏側」に到達するまで数十分しか掛からないとか。  では、地球を密度が一様な半径R≒6.4×10^6[m]の球体と仮定し、パイプの両端は地表で開放されており、パイプの中は深さによらず気温を一定にしてあると仮定して、地球の中心におけるパイプ内の気圧は幾らぐらいになるんでしょう?  地球の中心からh [m](0≦h≦R)の場所において働く重力加速度g(h)は(地球を密度が一様と仮定したので) g(h)∝h だから、地表での重力加速度 g(R)≒10[m/s^2]を使って、 g(h)=(g(R)/R)h  気温一定なので、大気の密度ρ(h)は大気圧P(h)に比例する。 ρ(h)∝P(h) だから、P(R)≒(10^5) [Pa] =(10^5) [kg/m/s^2]と、ρ(R)≒1.3 [kg/m^3]を使って ρ(h)=(ρ(R)P(h))/P(R)  従って、hの微小変化による圧力の変化は dP/dh = - ρ(h)g(h) ゆえに dP/dh = - ((ρ(R)g(R))/(P(R)R)) h P(h) です。この微分方程式の解として P(h) = P(R) exp[(ρ(R)g(R)(R - ((h^2) / R)) / (2P(R))] が得られます(exp[x]は指数関数)が、ここでh=0とすると P(0)=P(R) exp[(ρ(R)g(R)R / (2P(R))]  = (10^5) exp[(1.3×10×6.4×10^6)/(2×10^5)]  ≒ exp[400] そんなバカな、という圧力です。  私は何を間違えたんでしょう?それとも、空気はある深さで高圧のために液化してしまって、それより深いところでは上記の微分方程式は成り立たない?

質問者が選んだベストアンサー

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  • siegmund
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回答No.3

面白い話ですね~. 今度,学生のレポートに出したろか. exp(400)~10^(174) 気圧という答を出しておしまい,何も考察コメントなし, というレポートはいい点がつかないな. さて,stomachman さんの計算をチェックしまして,間違いはないようです. ついでに,地球の裏側までの到達時間は約42分, 中心での速度は約7.9 km/s です. heichan さんの言われているように,圧力が非現実的な値になるのは 理想気体の仮定がまずいんでしょうね. もちろん,液体や固体になれば理想気体の仮定は成立しませんし, 気体でも圧力が高くなると成立しなくなります. CO2 の臨界温度が36.1℃,臨界圧力は73気圧ですから, 100気圧あれば十分液化しています. 窒素は臨界温度が-147℃,臨界圧力は33.6気圧, 酸素は臨界温度が-119℃,臨界圧力は49.8気圧, ですから,窒素と酸素は常温では圧力をかけただけでは液化しません. もちろん,十分圧力かければ固体にはなります. (常温でどれくらい圧力かければ固体になるかは今資料がありません). 木星の中心は3万度,1億気圧などと言われているようで, もうちょっと大きかったら恒星になっていたはず, というような話も聞いたことがあります. 固体水素の金属化はまだ実験で観測されてはいないと思います. 必要な圧力は数百万気圧と見積もられているようです.

stomachman
質問者

補足

siegmund先生、いつもお世話になります。 > 間違いはないようです. チェックありがとうございます。つまり、井戸の浅い所では式は合っている。 > 地球の裏側までの到達時間は約42分, > 中心での速度は約7.9 km/s です. 井戸の中では重力加速度がhに比例するから、中が真空の井戸に投げ込んだ石ころの運動は、理想的なバネ(フックの法則が成り立つ軽いバネ)による運動と同じく単振動h=Rcosωtになる。従って、石ころの運動は地球の半径と同じ半径の軌道を飛ぶ人工衛星の運動 (x,y) = (Rcosωt, Rsinωt) のx成分と同じであり、裏側に達するのに要する時間は人工衛星が地球を半周する時間と同じ。最大の速さも人工衛星と同じ第一宇宙速度になる。面白いですね。 > CO2 の臨界温度が36.1℃,臨界圧力は73気圧ですから, では深さ30kmほどの井戸を掘っておくだけで、二酸化炭素排出量の心配は要らなくなる。黙っていてもどんどん液化されるから。  地熱が凄いでしょうから、この熱を利用して空気を強制循環させ、36度を保つ。汲み上げた熱でついでに発電してしまう。溜まったCO2を海溝にでも送り込むパイプラインが必要かな。一度作ってしまえば運転コストはゼロみたいな気がして...あああ、また何か間違えているんだ、きっと。 > 窒素は臨界温度が-147℃,臨界圧力は33.6気圧, > 酸素は臨界温度が-119℃,臨界圧力は49.8気圧, > ですから,窒素と酸素は常温では圧力をかけただけでは液化しません. 液体窒素が冷たいのには理由があったんですね。 > もちろん,十分圧力かければ固体にはなります. つまり気体からいきなり固体になる。窒素の霜ができ、酸素の雪が降る。これは見てみたいなあ。 >木星の中心は3万度,1億気圧 凄まじい高圧高温ですね。これでもまだ核融合が点火しないというのも凄い。 > 固体水素の金属化...必要な圧力は数百万気圧 がんばれば何とかなる圧力なんでしょうか?

その他の回答 (3)

  • siegmund
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回答No.4

siegmund です. > 井戸の中では重力加速度がhに比例するから、.... おっしゃるとおりです.打てば響く,こりゃ楽しいわ. > では深さ30kmほどの井戸を掘っておくだけで、 > 二酸化炭素排出量の心配は要らなくなる。 > 黙っていてもどんどん液化されるから。 30kmというと,大陸部での地殻とマントルとの境界(モホロビチッチ不連続面) のあたりですね.ひぇ~. それと,井戸の底を大きな空間にしておかないといけないんじゃ.... > 地熱が凄いでしょうから、この熱を利用して空気を強制循環させ、36度を保つ。 > 汲み上げた熱でついでに発電してしまう。 > 溜まったCO2を海溝にでも送り込むパイプラインが必要かな。 > 一度作ってしまえば運転コストはゼロみたいな気がして 地熱発電兼用ですか. 何かでトラブったとき大丈夫かな. 36度を保てなくなったら,地熱で一挙にCO2が気化膨張して大爆発! そこからマグマが吹き出して....(SF映画のネタ?) とりあえずは,普通の地熱発電の方が無難でしょう. > 液体窒素が冷たいのには理由があったんですね。 そうですね,1気圧の下での沸点は臨界温度より低いはずですから, そういう意味ではおっしゃる通りです. 臨界温度が常温より高くて, 1気圧の沸点が窒素くらいのものがあっても悪くはなさそうですが 実際にあるかどうかは知りません. まあ,常識的には,臨界温度が低い方が1気圧の沸点も低そうです. もちろん,物質によって多少の入れ替わりはあるでしょう. > > 固体水素の金属化...必要な圧力は数百万気圧 > がんばれば何とかなる圧力なんでしょうか? 70万気圧(70 GPa)くらい圧力かけた話は聞いたことがあります. 高圧自体は専門じゃないんですが,100万気圧くらい行きますかね?

stomachman
質問者

補足

> 36度を保てなくなったら,地熱で一挙にCO2が気化膨張して大爆発! > そこからマグマが吹き出して....(SF映画のネタ?) タイトルは「モホロビッチの憂鬱」或いは「地球の暑い午後」では如何でしょう。 もちろん実際に3万メートルの地下の岩盤の圧力に耐える井戸の構造を作るのは至難でしょうね。 > 70万気圧(70 GPa)くらい圧力かけた話 てことは、ダイヤモンド・アンビル装置が今のところ最強という訳ですね。 ★さてさて、回答者の皆様。アホネタにおつき合い戴きまして、どうもありがとうございました。そろそろ閉めます。

  • heichan
  • ベストアンサー率39% (41/104)
回答No.2

門外漢ですが、面白そうなので一緒に考えさせてください。定量的な話はパスで(笑)。 すくなくともstomachmanさんの方程式が完全には成立しないのは確かですね。この圧力をボイル=シャルルの法則にあてはめたら原子核同士がくっついてしまいますから! 固化ないし液化してしまうような気がしますが温度にもよりますし、空気(窒素および酸素)の状態図は見つからなかったので、具体的に気体・液体・固体・それ以外のどれになるか、ちょっと私には言明できません。 ただ超高圧で原子同士が接近すると原子核の電気による反発力が急激に増大するはずなので、圧力をかけても圧縮されにくい状態になるはずです。 固体や液体と呼べる状態であっても、仮に気体に近い物性を保っていたとしてもこのことは変わりません(核融合反応が起きれば別ですが、これはさすがにないでしょう)。 つまり、ρ(h)∝P(h) という前提の式がくずれる訳ですね。 圧縮による密度増大が抑制される訳ですから、実際の圧力はstomachmanさんの答えよりも遥かに小さい値になるはずです。 実際の地球中心では100万気圧で比重15程度(主成分は鉄です)のはずなので、まぁ温度の問題を抜きにすれば大きく見積もってもこれ以下、ということになりますね。 しかし、実際どういう状態になるんでしょうね? 勘でいうと液体に近いような気がしますが。hero1000さんの言われるとおりなら固体という事になりますね。 余談ですが地球よりはるかに大きな木星などの中心では、固化したガス(水素)がケタ違いの超高圧で圧縮されるため原子同士が接近して、金属に似た特異な物性を呈しているそうです。しかも超高温の下で。 地球の中心の圧力+常温でここまでの状態になるかどうかは不勉強のため分かりません。より詳しい方に譲って逃げます(笑)。

stomachman
質問者

補足

液化・固化しそうだ、という訳ですか。そうなんだろうなあ。どのぐらいの深さで液化するんでしょうね? 質問に書いた式だと、36kmの井戸で100気圧。1000mの深海と同じ。取りあえずCO2が液化するのはこの位の深さかな?案外浅いところで空気は液化しちゃうんでしょうか。(いやいや、イー加減な式をもとにした怪しいお話に過ぎません。)  ガス惑星では深いほど密度が高いでしょうから、重力もg∝hにはならず、むしろgがもっと緩やかに変化するでしょう。少なくとも局所的にはg∝h^α(-2<α<1)。従って井戸に比べると、深くなるほど圧力の上昇はいっそう急激のはず。一方で温度分布も無視できないから、放射能による熱の発生と輸送も勘定に入れなくてはならない。事情はだいぶ違うだろうと思います。  ところで、高圧高温下での水素の金属化は聞いたことありますが、証明されているんでしょうか?

  • hero1000
  • ベストアンサー率29% (114/390)
回答No.1

物理学的見地からの証明はできませんが(汗)、昔本で読んでことで記憶にある のは、「地球の中心を通って貫通する穴を開けたとき(気温がどうとかの条件は 明記してありませんでした。小学生時代に小学生向けの本で読んだことだからか もしれませんが)に、その穴に物を落としたら向こう側に届くか」というのが ありました。 そして「燃えてなくなってしまう」という条件を削除したときに「向こう側に 届くか」を考えたとき、やはり「届かない」という結論に達していて、その理由 が「中心では空気が鉄よりも硬くなる」ということだったと記憶しています。 具体的な数値はわかりませんがバカバカしくなるほどの気圧なのでしょう。 stomachmanさんの出した答えは案外正しいかもしれませんよ。

stomachman
質問者

補足

おお、小学生向けの本と言えども、ひねりが入ってるやつがあるんですなあ。 早速のご回答、ありがとうございます。  井戸の中を真空にしておけば、日本-ブラジル直通経路として使えるんでしょうが、空気があると大変なことになっちゃうのはどうやら間違いなさそうですね。  しかし 「中心では空気が鉄よりも硬くなる」 これまた、「ホンマカイナ。そしたら鉄は何より硬くなるネン?」ってツッコミ入れたくなりません?

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