>コンクリートに関する知識が全くないので、できれば3番についての細かい回答をお願いいたします。
●材料特性
コンクリートの特徴として、
・もろい材料である
・安価である
・型枠の形状次第でどんなものでも作れる
・質量に比して強度が低い
・硬化するとき水和熱を発生する
ということが上げられます。
コンクリートは頑丈な材料に見えますが、木材より強度が小さいのです。ただ、均質なものを大きな形で安価に作ることが可能なため、大型の構造物に適しています。
また、もろい材料であるため、多くのコンクリート構造物は鉄筋で補強し、鉄筋コンクリート構造とします。鉄筋を入れることにより、コンクリートの強度特性は飛躍的に改善します。コンクリート中の鉄筋は非常に重要なのです。
・鉄筋コンクリートとアルカリ性
コンクリートは強アルカリ性です。コンクリートの中の鉄筋が錆びないのは、アルカリ皮膜に守られているからです。
●鉄筋の腐食
なんらかの原因でコンクリート中の鉄筋が錆びて腐食すると、鉄筋は膨張し、コンクリートにひび割れを起こします。ひび割れを起こすと、ひび割れから水や空気が進入し、さらに鉄筋の腐食が進行します。
鉄筋が腐食する原因としては、以下のものがあります。
・塩分
海中・海上や海岸近くの構造物は、塩分がコンクリート表面から進入します。また、寒冷地の道路では、凍結防止に塩化カルシウムなどを散布しますが、これが橋などのコンクリートに進入します。
進入した塩分(塩化物イオン)は鉄筋を腐食させます。
対策としては、かぶり(コンクリート表面から鉄筋までの距離)を大きく取ること、場合によってはコンクリート表面のコーティング、鉄筋そのものに樹脂塗装を施すなどです。
・コンクリートの中性化
空気中の二酸化炭素や酸性雨などの影響で、コンクリートのアルカリ性が中和していく現象です。コンクリートのアルカリ性が失われると、鉄筋が腐食します。
中性化は表面から徐々に進行するため、環境条件に応じ、鉄筋のかぶりを大きく取ることで、構造物の寿命を延ばすことができます。
●凍害
コンクリートはミクロ的には密実な材料ではなく、表面に微少なひび割れが多数存在します。
表面から水が侵入した場合、寒冷地ではこの水が凍結・膨張し、これを繰り返すと、コンクリートの表面を壊したり、大きなひび割れを発生させたりすることがあります。
対策として、膨張を吸収できる程度の微少な空気泡をコンクリートに混ぜておきます。
●温度・湿度の影響
コンクリートは温度が上がると膨張し、温度が下がると収縮します。線膨張係数は鉄と同程度ですが、一般にコンクリート構造物は大型であるため、伸縮量も大きくなります。伸縮量をうまく逃がす機構がないと、ひび割れが発生します。
また、コンクリートは、水と反応させて硬化するため、中に多数の水が残っています。これが徐々に抜けていくと、コンクリートは収縮します。また、高湿環境に置かれれば、吸水し膨張を起こすこともあります。
お礼
とてもわかりやすく回答していただき有難うございました。こんなに丁寧に回答していただけて、今、すごく満足感たっぷりです。shinkun0114さんのおかげで知識を増やすことができて嬉しく思います。本当に本当に有難うございました。