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bc相2相短絡時の事故点のa相の電圧
掲題の件ですが、 対象座標法で解析すると、 z1≠z2 の時は、 a相電流IaがIa=0にもかかわらず、 事故点a相電圧Vaが発電機a相電圧Eaになりません。 また特に中性点電位がずれるということもないようです。 このことを直観的に説明できる方いらっしゃいましたらお願いします。
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ANo.3 にいただいたコメントに関してです。 Zo、Z1、Z2 は、電磁結合も含めて扱えます。先の http://www.jeea.or.jp/course/contents/12125/ 第6図から界磁回転子を取り除いた構造を例にとるなら、各相巻線 a-a'、b-b'、c-c' に自己インダクタンス L と他相巻線からの相互インダクタンス M(絶対値)が均等にあります。磁束の鎖交方向、つまり極性に注意して、 Va = jω ( L Ia - M Ib - M Ic )、対称回路の条件下、 Zo を求めるには、上式 Ia、Ib、Ic を Io とおいて、 Vo = jω Io ( L o - M - M ) より、 Zo = jω ( L - 2 M ) Z1 を求めるには、正相電流、Ia = I1、Ib = a^2 I1 、Ic = a I1 を代入、 V1 = jω I1 ( L - a^2 M - a M ) = jω I1 ( L + M ) より、 Z1 = jω ( L + M ) Z2 を求めるには、逆相電流、Ia = I2、Ib = a I2 、Ic = a^2 I2 と代入、 V2 = jω I2 ( L - a M - a^2 M ) = jω I2 ( L + M ) より、 Z2 = jω ( L + M ) Z1≠Zo、Z1 = Z2 となるのですが、Z1 と Z2 は、b、c 相の交換、相回転の違いによる結果にすぎませんから、Z1 = Z2 は、このような静止構造における当然の帰結なのです。なお、上記はあくまでも「結合の例題」であって、この構造が発電機のインピーダンスの「主要部ではありません」からご注意ください。発電機における 主役は同期リアクタンスでしょう。 電磁結合も含めたインピーダンスの表現は、ありふれたものだと思います。 http://www.jeea.or.jp/course/contents/01125/ 「3 三相線路」の後半、対称な結合の場合をご参照ください。 Z1≠Z2 の実例に接する為には、同期発電機等、回転機の性質に踏み込む必要があるかと思います。 ANo.3 で、b-c 相短絡という特殊な電機子反作用を簡単に表現してみましたが、概念的という事であれば、正常運転における同期リアクタンスをもとにした ANo.2 にとどまろうかと思います。
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- veryyoung
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No.2にいただいたコメントに関してです。 Z1≠Z2 に関し、話を具体的にしてみました。電機子反作用、それも非対称な場合を考察せねばならないと思います。 http://www.jeea.or.jp/course/contents/12125/ の「第6図三相同期発電機の構造」から、界磁回転子を取り除いて、まず巻線間の誘導に着目してみましょう。巻線 a-a' に電流を通すと同図横方向に磁界が生じ、b-b'、c-c' にも鎖交し、それぞれに誘導電圧が生じます。Z1≠Zo において、a 相一線地絡が b、c 相に影響を与える部分要因の一つのモデルです。一方で b-c 相短絡、すなわち Ib = -Ic、電流経路 b→b'→c'→c の作る磁界は縦方向であり、水平方向は相殺されています。a-a' 巻線への鎖交は無く、a 相への誘導電圧は無いのです。以上、Z1≠Zoであっても Z1 = Z2 であれば、Ib = -Ic に限り、a 相に相互インダクタンスによる誘導電圧が生じない事の説明です。 Ib = -Ic は図縦方向磁界を生じる事を述べましたが、界磁極があればどうなるでしょう。同図のように界磁極が縦に向いて「静止しているとすれば」、あいかわらず a 相への誘導電圧は生じません。ところが、前記磁界は界磁極の磁界に重畳しているのですから、界磁極が「動けば」、a 相導体にお馴染み Blv 起電力を生じます。この起電力は回転方向や速度に依存して発生するのですから Z1≠Z2 の要因となり得るでしょう。トランスなどには無い特徴です。 図の界磁極は a 相起電圧最大の位置にあります。 b c 相短絡、すなわち b→b'→c'→c→b 一巡の合計起電圧は、a 相に対し 90 度遅れです。もし b c 相巻線インダクタンスにより、短絡電流がさらに 90 度遅れで流れると仮定すれば、b c 相巻線の作る磁界は磁極に対し180度遅れ、すなわち最大減磁となり、a 相電圧を低下させるように見えますがいかがでしょう。
補足
これまで折角説明していただきましたが、 あなたの説明で、どの部分がZ0,Z1,Z2なのか分かりません。 式の形でこれこれこうなってZ0=xx、Z1=xx、Z2=xx、 となれば一番いいですが、 当方はそこまでは求めません。 つまり概念がつかめればミクロな仕組みはひとまず棚上げでOKなのです。 そういう観点で説明すると、 逆算的に求めたZ0,Z1,Z2は一見インピーダンスに見えるが、 電磁結合による電圧増減をインピーダンスの形で含めたもの、 ということでしょうか? あるいは、 I0+I1+I2、I0+a^2*I1+a*I2、I0+a*I1+a^2*I2などが0に見えても、 電磁結合による正、逆、零相成分はゼロでない場合があり、 その場合の電磁結合による電圧変動をZ0,Z1,Z2の中に逆算的に比例分に含めて表現している、 ということでしょうか?
- veryyoung
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発電機の電機子反作用(交差磁化作用)として解釈できませんか。 本論の前に、まず次のニュアンスが気がかりです。 > 「a相電流IaがIa=0にもかかわらず」、事故点a相電圧Vaが発電機a相電圧Eaになりません。 一般論として対称座標法のインピーダンス-セットには、相間の相互作用も組み込まれています。発電機に限らず、Ia = 0 は、Va の変化を否定するものではありません。例えば相間の相互インダクタンスは零相インピーダンスと正相(逆相)インピーダンスの差として表れるでしょう。その事は一線地絡の例題で確認でき、健全相電圧への影響有無は、零相と正相(逆相)のインピーダンスが等しいか否かに依存しています。もっとも相互インダクタンスが今回の問題の主役ではありません。相互インダクタンスでは正相と逆相インピーダンスに差異が生じません。対称座標法によらず表現すれば、bc相間短絡、つまり Ic = -Ib という条件下では、たまたま、a相への相互誘導電圧が相殺されてしまうのです。 トランス等、受動素子においては、インピーダンスが相回転の方向に依存しない(違いが無い)のは明らかです。正相、逆相のインピーダンスが異なる典型は発電機でしょう。負荷電流(電機子電流)の作る磁束は界磁の一部として作用します(電機子反作用)。遅れ電流で減磁(電圧低下)、進みで増磁(電圧上昇)になる事はご存知でしょう。一種の出力インピーダンス(誘導性リアクタンス)と見なせます。この仮想リアクタンスは界磁極と電機子電流の作る磁極が同期回転している場合の現象であって、逆相リアクタンスとしては生じません。逆相リアクタンスは正相リアクタンスより小さくなり、ご質問の局面、bc相間短絡において、a相の電圧を低下させる事になります。対称座標法によらず、物理的に解釈すれば、bc相間短絡時、bc各相電機子巻線に流れる電流位相の作る磁束は、界磁極との合成において、界磁を弱める方向に向いているという事でしょう。Va相の起電力も低下します。 回答が無いようでしたので、机上の知識ながら回答してみました。誤りが無いと良いですが。不可解な点はご指摘ください。 ご参考: http://harp.lib.hiroshima-u.ac.jp/hkg/file/782/20080430024210/AA11419398_39_29.pdf http://www.net1.jway.ne.jp/atom2606/taisyou.html
補足
丁寧なご説明ありがとうございました。 しかし私も、結果がおかしい、間違っている、と言っているのではなく、 また、実際も式的にもそのようになっているのを認めた上で、 イメージに合わないけれど、イメージに合う説明は無いもんだろうか? という質問をしたつもりです。 ですから失礼ながら要約させて頂きます。 発電機内部の相互誘導等の影響による電圧変動を、 対称分インピーダンスに替えて表現しているということでしょうか? 確かに対象座標法においてはZ0,Z1,Z2は電圧電流からの逆算的な定義ですね。 だから対称分インピーダンスに含めてしまうというやり方はできる可能性がありますねえ。 もちろん(対称分でない)インピーダンスを配したモデルから計算した例は見ますけど、 Z1とZ2が異るケースを導いた例を見たことがありません。 当方、大した力量も無いので、 相互誘導等を対称分インピーダンスに置き換えて考えることができるという理由までは聞きませんが、 この要約でよろしいのでしょうか? ちなみにa相1線地絡では、 私の計算ではZ1=Z2=Z0でないとb,c相は発電機電圧に一致しませんでした。 まあ短絡インピーダンスと線路のインピーダンスだけしかなく、 中性点が直接接地されていればたぶんそうなると思いますけど。 本題とは余り関係無い話ですけど。
- terminator_5
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Y結線された負荷の中性点は必ずしも電源の中性点に接続されないからではないでしょうか?
補足
中性点接地は無関係ですね。 地絡じゃありませんから中性点接地があっても帰路として機能しません。 ネット上を探したら、ちゃんと中性点接地してあるモデルでの説明がありました。 ポピュラーな問題ですから。 http://www.jeea.or.jp/course/contents/04109/ この(25)式を見て下さい。 Va=(2×Z2×Ea)/(Z1+Z2) となっています (ベクトル表記は省略)。 これは、 Z1=Z2 なら Va=Ea となるけれど、 Z1=Z2 でないなら Va≠Ea と言っていることになります。 もちろんA相電流Iaが、 Ia=0 なのはこのモデルの前提です。 尚、ことさら説明しませんでしたが、Z1が正相インピーダンス、Z2が逆相インピーダンスです。 図では一応中性点接地までしてありますよね。 でも上記の通り、 Va≠Ea なんです。 もちろん計算の過程で中性点接地という条件は使っていませんから、 してあろうとしてなかろうと関係ありません。
お礼
多大なヒントを頂きありがとうございました。
補足
まあ、モデルとしては分かりました。 なぜか当方の質問、 I1,I2に比例(もしくは逆比例)する電圧変動分をZ1,Z2に含めたものと解釈していいのか? については明言がありませんでした。 明言できない理由があればその要素をお聞きしたかったのですが、 何やら避けておられる?ようで。 しかしここまでの説明で、 私は自分で勝手に I1,I2に比例する電圧変動分をZ1,Z2に含めたもの と、解釈して区切りとすることにしました。 違っているかもしれませんけど。 ここまで多大なヒントを頂きましたので、 ベストアンサーを差し上げることにしました。