被ばく量と発がん性の関係については、ほとんど分かっていないのが現状です。だって、そんなに被ばくした人がいませんから。広島や長崎、あるいはその後の様々な核実験による影響を受けた人たちの膨大な犠牲に基づくデータの積み重ねで推測しているに過ぎません。
数少なく明らかになっていることのひとつに、年齢との相関関係があります。年齢と共に新陳代謝が落ちていきますから、年を取れば影響は少なくなっていく。成長期にある子供はなるべく避けたほうがいいというのがあります。私は、福島第一原発事故があったときに福島県内の18歳未満の子供は一時的であれ強制疎開させるべきだったと思いますけどね。それはさておき。
あと発がん性を心配されるなら、ご自身の遺伝的要素も関係します。がんには遺伝が関係しているであろうことはご存知だと思います。アンジェリーナ・ジョリーは自ら乳房と卵巣を切除してしまいましたよね。彼女は母親が卵巣がんと乳がんで、祖母が卵巣がんで、叔母が乳がんで亡くなっているので先にそこをとってしまいました。
がんは必ずしも「がんであればどこのがんも遺伝が関係している」というわけではなく、例えば肺がんにはなりやすい可能性はあっても胃がんにはなりにくいとか、そういうことがあるそうです。
それは最近流行りの遺伝子検査である程度は分かりますので、それだけご心配ならば一度遺伝子検査を受けられてみることをお勧めします。もちろん「まだ遺伝子研究は途上にあり、信用できるものではない」と指摘する専門医もいます。でもそんなことを言い出したら何も信用できないじゃないですか。情報はないよりあったほうがいいのです。
もしそれで「遺伝子上の肺がんのリスクは低い」というのが分かったなら、少なくとも肺がんに関してはそんなにしゃかりきにならなくてもいいだろうとなりますね。またもし大腸がんのリスクがあるならば、そちらの検査を優先すればよいのです。
またがんひとつにしても、「たちの悪いがん」「それほどでもないがん」があります。前立腺がんは、それそのもので亡くなる人はあまりなく、進行も遅いので基本的にほっておくことが多いがんです。一方、すい臓がんなんかの場合だと非常にやっかいで予後も悪いケースが多いです。すい臓がんやスキルス性胃がんなんかの場合はそもそも発見そのものが困難であることが多く、仮に発見できても発見できるレベルになったときにはもう治療が難しいというケースもあります。
がん細胞は日々体の中から作られ、免疫細胞によって排除されています。ですから何よりも重要なのは自身の免疫力を高めることです。それが一番のがん予防ですね。
そして対がんの免疫力アップには、「笑うこと」が非常に有効であることが判明しています。笑う日々はがんになりにくいのですね。だから「がんは患者が絶望したら終わり」といわれるのです。お知り合いの方は、絶望してしまったのではないかなと思われます。
お礼
たいへん詳しく教えていただき、ありがとうございます。 一口にガンといってもいろいろだし、人もいろいろだし、ガン抵抗も色なのですね。う~ん、難しい。