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王座を譲るという表現
「2年前には7年間無敗でUFCミドル級王者に君臨し続けたアンデウソン・シウバがクリス・ワイドマンにまさかの2連敗を喫して王座を譲り・・・」 あるスポーツ記事からの引用ですが、こういう場合に「譲る」と書くのは適切な表現と言えるでしょうか。
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- Nebusoku3
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文法的や状況的にはご指摘の通り、「奪われた」状態かと思います。 筆者の立場から状況を見てみますと、「奪われた」と表現するのは前チャンピオンが少し気の毒かな といった気持ちが入って「譲る」という表現を使ったものと思います。(敗者に少し配慮した表現) 勝者の方は、「奪つた」ということですが「奪う」「奪われた」という表現はある種のきついニュアンスが入ります。 少し柔らかく表現すれば 漢字にして「奪還」を使えば 「奪還された」「奪還した」となり、意味は同じですが、なんとなくきつさが減ります。 ご指摘の「譲る」ですが、全文的には「譲らざるを得なくなった」の意味で前チャンピオンを傷つけない最上級の表現だと思います。
- yaasan
- ベストアンサー率22% (2726/12281)
>勝者クリス・ワイドマンは戦いを挑み敵を倒してチャンピオンになったわけですが、これを「アンデウソン・シウバから王座を譲られた」と言うのは適切な表現でしょうか。 王座が移動したという事はタイトルマッチをしたわけです。タイトルマッチは必ず試合前にタイトルマッチをします、という調印をするのが一般的かと思います。勝者に王座を与える事はそこでルールに明記されているわけです。実は負けてなんかいない、と敗者が思うのは勝手ですが、ルールに則って勝者が決まり、王者が陥落するのであれば、王座を譲った、勝者は譲られた、と表現する方が正しいと思います。 ノンタイトル戦やストリートファイトを挑み、そこで王者を破って王座についたとしたら、それが奪い取った、勝ち取った、追われたの意味により沿うものと思います。 そこではたと記事をもう一度よく読み返しました。2連敗とあります。UFCはタイトルマッチを一戦して勝つか負けるかで王座が決まります。という事はこの場合、ノンタイトルで試合があり、シウバがワイドマンに負けているのです。 王者が敗れたためにタイトルマッチを開催し、そこでも敗れたので王者は陥落した、という事です。連敗であれば、多くの人がワイドマンの方が王者にふさわしいと納得せざるを得ない状況になったと思います。シウバ自身も相手を認めていたかも知れません。そういう状況を踏まえるとより譲るという表現が合うのではないでしょうか。
お礼
ルールに則って戦った結果である以上、「奪った、奪われた」と表現するのは不適切ということですね。参考にさせていただきます。 ちなみに私が調べた限りでは、両選手の2度の対戦はいずれもタイトルマッチだったようです。 ありがとうございました。
- ithi
- ベストアンサー率20% (1972/9602)
EPR さん、こんばんは。 譲るという熟語に禅譲(ぜんじょう)という言葉がありますが、ちょっと不適当かもしれませんね。
お礼
ありがとうございます。 私も質問前に禅譲と放伐のことは考えました。まあ禅譲と呼ばれるものも、その多くは実質的に放伐に近いわけで、要は統治の必要上から「譲ってもらったという形にした」だけです。ですが、この論法をスポーツ競技の勝者と敗者の立場にそっくり当てはめることは乱暴かなと感じたので質問投稿に至りました。
- yaasan
- ベストアンサー率22% (2726/12281)
少し角度を変えましょう。本物の王座を譲る場合、退位から譲った相手の戴冠までその国にあるルールに則って行われるのが、通常だと思います。 対して王座が奪われる、王座追われる場合、ルールを無視した強者が王を打ち倒し即位するイメージかと思います。 ルールに則って試合をし、負けたのでありますから、本人の気持ち的に譲りたくはなくともルール通り、王座を譲るのが当たり前になると思います。 おかしいなんて事はなく、むしろ譲る以外の表現がおかしいように思いますね。
お礼
> ルールに則って試合をし、負けたのでありますから、本人の気持 > ち的に譲りたくはなくともルール通り、王座を譲るのが当たり前 > になると思います。 問題はその状況を「譲る」と表現することが適切かということです。 視点を180度変えてみましょう。 勝者クリス・ワイドマンは戦いを挑み敵を倒してチャンピオンになったわけですが、これを「アンデウソン・シウバから王座を譲られた」と言うのは適切な表現でしょうか。
>私がお尋ねしているのは、あくまで質問文内で挙げた引用文の場合についてです。 これが本物の「国を統治する王様」であり,革命によって統治権を奪われる場合ならば,「(民衆・革命勢力によって)王座を追われる」というべきでしょう。肉親によって王様が暗殺されたような場合ならば,「(弟によって)王座を奪われる」。 しかし,ここの王座は,「チャンピオンシップ」を仰々しく言い換えたにすぎません。チャンピオンが挑戦者との試合に負ければ,「制度」としてその地位から降りることになります。「いやだ」などと反論できません。電車のシルバーシートに座っているときに,老人(=制度的に優先的に座る権利がある人)が乗ってきたら席を立って代わるのに近いです。ですから「譲る」は適切だと思います。
お礼
大変参考になるご意見をいただき、ありがとうございます。 シルバーシートという制度は譲り合いの精神(弱者救済)に基づいています。一方格闘技の世界は強さを競う場であり、「弱い者は滅びる」の論理で成り立っています。両者を関連付けて論じることには無理があるでしょう。
- msMike
- ベストアンサー率20% (364/1804)
そう杓子定規(ショクシジョウギ)に考えず、比喩(ヒユ)とか洒落(しゃれ)の類(たぐい)と考えればよろしいかと。
お礼
ありがとうございます。 私は適切であるか否かをお尋ねしております。
国語辞書 https://dictionary.goo.ne.jp/thsrs/1801/meaning/m0u/ の説明をそのまま引用します。 ---------------------- [使い分け] 【1】「譲る」は、自分の所有する財産や物、権利、地位などを他人に与える意。与えるものは、価値のあるものの場合もあれば、あまり価値のないものの場合もある。「道を譲る」「結論は明日に譲る」のように、譲歩することやあることを他の機会にまわす意でも使われる。 【2】「譲り渡す」は、自分の所有するもので、価値のあるものや財産、権利、地位などを他人に与える意。「電車の席を譲り渡す」とはいわないが、「議長の席を譲り渡す」のように、席が役職の意であれば使うことができる。 【3】「譲渡」は、やはり価値のあるものや財産、権利などを他人に与える意で使われるが、地位については用いにくい。また、「譲る」や「譲り渡す」にくらべ硬い表現で使われることが多い。 ----------------------------- 上記にしたがえば,王座を譲る,王座を譲り渡す,どちらも使えるようです。電車の席とチャンピオンの地位を区別したいなら,「譲り渡す」と重々しい表現を好んでもいいと思います。
お礼
ありがとうございます。 ある言葉の使用が適切かどうかは文章によって変わると思います。 私がお尋ねしているのは、あくまで質問文内で挙げた引用文の場合についてです。
「譲る」と言えば、納得して席を明け渡したように取れますね でも実際は「譲る」より「奪われる」の方が相応しいと思います。
お礼
ありがとうございます。 > 「譲る」と言えば、納得して席を明け渡したように取れますね そうですね。実際には負けたことによって本人の意思や希望と関係なく王座を失ったわけですから。やはりこのケースの場合「譲り・・」はあり得ませんかね。
補足
お礼後の補足になりますが スポーツ競技の世界は「譲り合い」ではなく「奪い合い」が基本(もし意図して譲ったら八百長ですよね)だと思います。その意味で、あの記事では「譲り」より「奪われ」の方が読者はスッキリします。 それにもかかわらず、記者が敢えて「譲り」と表現したのはなぜか・・・? 悩みますね。
お礼
ありがとうございます。 質問投稿後も色々考えましたが、記者が意識的に書いたのならば、やはりあれは柔らか表現のつもりなのでしょう。長年無敵のチャンピオンでしたからね。ですが適切さという観点から考えると、依然としてどうもしっくり来ません。引退したとか対戦を放棄したのではなく、戦った上で完敗ているわけですからね。勝ったワイドマンがあの記事を読んだら、彼の名誉心が傷ついたんじゃないでしょうか。「私はあくまで自分の力で勝ったのだ。譲ってもらった覚えはないんだけど・・」と。 「奪」の語を避けたかったならば「王座を失い」ぐらいにしておけばよかったのにと思います。